言語聴覚士とは
この記事の執筆者: 現役の言語聴覚士が、臨床経験と国家試験の出題傾向をもとに執筆・監修しています。
言語聴覚士(ST: Speech-Language-Hearing Therapist)は、話すこと・聴くこと・食べることに関わるリハビリテーション専門職です。
1. 言語聴覚士の仕事内容
言語聴覚士は、以下のような問題を持つ方を支援します。
- 失語症:脳卒中などにより言葉の理解・表現が困難になった状態
- 嚥下障害(摂食嚥下障害):食べること・飲み込むことが困難な状態
- 構音障害:発音が不明瞭な状態(運動性・器質性・機能性)
- 音声障害:声が出にくい・かすれるなど声の問題
- 聴覚障害:難聴の評価・補聴器フィッティング・聴能訓練
- 言語発達障害:ASD・知的障害・LDなど発達段階での言語コミュニケーション支援
- 高次脳機能障害:記憶・注意・遂行機能などの認知機能の評価と訓練
2. 活躍の場
病院・クリニック
急性期・回復期・慢性期の医療機関
児童発達支援
発達障害児の言語・コミュニケーション支援
3. 言語聴覚士になるには
| ルート | 内容 |
| 4年制大学(言語聴覚士専攻) | 大学卒業と同時に国家試験受験資格 |
| 短期大学(3年制) | 3年間の専門教育後に国家試験受験資格 |
| 専門学校(2〜3年制) | 大学卒業後に入学する2年制コースあり |
| 大学院(修士課程) | 研究職・高度専門職を目指す場合 |
4. 国家試験の概要
| 項目 | 内容 |
| 根拠法 | 言語聴覚士法(1997年制定) |
| 試験実施 | 毎年3月(厚生労働省実施) |
| 試験形式 | 筆記試験 200問(午前100問・午後100問) |
| 試験時間 | 各100分 |
| 合格基準 | 120点以上(60%以上) |
| 合格率 | 例年60〜70%前後 |
5. 試験科目の範囲
言語聴覚士国家試験は、基礎医学から専門臨床まで幅広い範囲から出題されます。
- 基礎医学(解剖生理・神経学・病理学・薬理学)
- 音声・言語科学(音声学・言語学・神経言語学)
- 失語症・高次脳機能障害
- 摂食嚥下障害(嚥下の解剖・評価・訓練)
- 構音障害・音声障害
- 聴覚障害(聴力検査・補聴器・人工内耳)
- 言語発達障害(ASD・知的障害・LD)
- リハビリテーション概論・関連法規
STカコモンについて
STカコモンは言語聴覚士国家試験の過去問を無料で演習できるWebアプリです。第26〜28回の全問題をカバーし、科目別・年度別フィルター、詳細な解説、学習履歴の記録など充実した機能を提供しています。
6. 言語聴覚士の魅力
- 「話す・食べる」という生活の根幹に関わるリハビリを担う専門職
- 医療・教育・福祉・行政など幅広いフィールドで活躍できる
- 国家資格のため安定した需要がある
- 高齢化社会の進展により、嚥下・認知機能分野の需要はさらに増加
- 患者・利用者の「できた!」に立ち会える仕事のやりがい
💡 現場の声: STの仕事の面白さは「ことば」と「食べること」という、人間にとって根本的な機能に関われること。患者さんが久しぶりに家族と食卓を囲めたときの笑顔は、この仕事を続ける原動力になります。
⚠️ よくある誤解
- 「STは子どもの言葉の専門家だけ」→ 成人の失語症・嚥下障害・高次脳機能障害など、成人領域が業務の大きな割合を占める。
- 「STとOTは同じ仕事」→ STは「コミュニケーション」と「嚥下」が専門。OTは「作業・日常生活動作」が専門で対象領域が異なる。
- 「STの求人は少ない」→ 高齢化に伴い嚥下・認知領域の需要が増加。求人数は年々増加傾向にある。
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※ 本記事は現役の言語聴覚士が執筆・監修しています。
最終更新: 2026年5月