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言語聴覚士 国試用語集

国家試験頻出キーワードを分野別・五十音順で解説します。

ア行
高次脳機能障害
アノソグノジア(病態失認)
自己の障害や疾患を認識できない状態。半身麻痺があるのに否定するなど。右半球損傷で多い。
運動・感覚
アブミ骨筋反射(スタペジアル反射)
大音量刺激で中耳のアブミ骨筋が収縮する反射。顔面神経麻痺・耳硬化症の診断に利用。
音声学
異音(allophone)
同一音素が音声環境によって異なる音として実現したもの。例:日本語の/h/は[h][ç][ɸ]として現れる(相補分布)。
聴覚
ABR(聴性脳幹反応)
音刺激に対する脳幹レベルの電気反応を記録。他覚的聴力検査として乳幼児・協力困難例に使用。
嚥下
嚥下5期モデル
摂食嚥下を先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期の5段階で説明するモデル。咽頭期は不随意。
言語発達
エコラリア(反響言語)
聞いた言葉をそのまま繰り返す行動。ASD(自閉スペクトラム症)の特徴の一つ。即時性と遅延性がある。
カ行
失語症
喚語困難
言いたい語が出てこない症状("tip of the tongue"現象)。すべての失語タイプに見られるが、健忘失語の主症状。
聴覚
気骨導差(ABG: Air-Bone Gap)
気導閾値と骨導閾値の差。伝音性・混合性難聴で生じる。10dB以上あれば有意な気骨導差とみなす。
吃音
吃音(Stuttering)
発話の流暢性障害。繰り返し・引き伸ばし・ブロック(遮断)が主症状。発達性吃音と獲得性吃音がある。
構音
構音障害(Dysarthria)
神経・筋系疾患による発声発語器官の運動機能障害。運動性・器質性・機能性の3種類に大別される。
構音
鼻咽腔閉鎖不全
発声時に軟口蓋が鼻咽腔を閉鎖できない状態。口蓋裂等で生じる。過鼻声(開鼻声)の原因。
高次脳機能
高次脳機能障害
脳損傷後に生じる記憶・注意・遂行機能・失語・失行・失認等の障害。日常生活・社会参加に影響。
サ行
失語症
錯語(Paraphasia)
誤った語・音の産出。音素性錯語(音を入れ替え)、語性錯語(別の語で置換)、新造語(意味不明な語)がある。
嚥下
サイレントアスピレーション(不顕性誤嚥)
むせを伴わない誤嚥。咳反射が低下した高齢者・神経疾患患者に多い。誤嚥性肺炎の主要な原因。
高次脳機能
失行(Apraxia)
麻痺・感覚障害がないのに意図した動作が行えない状態。観念運動失行・観念失行・口腔顔面失行など。
失語症
失語症(Aphasia)
後天的脳損傷による言語機能の障害。話す・聞く・読む・書くの4モダリティすべてに影響。構音障害とは異なる。
高次脳機能
失認(Agnosia)
感覚器は正常なのに、知覚した対象の意味が認識できない状態。視覚・聴覚・触覚・相貌失認などがある。
失語症
SLTA(標準失語症検査)
国内で広く使用される失語症評価。話す・聞く・読む・書く・計算の26項目を評価。プロフィール図で視覚的把握が可能。
タ行
言語発達
ディスレクシア(発達性読み書き障害)
知的障害がないのに読み書きに著しい困難がある限局性学習症。音韻処理の障害が主要因とされる。
聴覚
ティンパノメトリー
中耳の機能を評価する検査。A型(正常)・B型(平坦:滲出性中耳炎)・C型(陰圧:耳管機能不全)に分類。
聴覚
伝音性難聴
外耳・中耳の障害による難聴。気骨導差あり、骨導閾値は正常。補聴器効果が高く、手術的治療が可能な場合もある。
失語症
トークンテスト(Token Test)
聴理解の精密評価検査。色・形・大きさの異なるトークンを操作する指示に従わせる。軽度聴理解障害の検出に有用。
聴覚
難聴の程度分類(WHO基準)
軽度(26-40dB)・中等度(41-60dB)・高度(61-80dB)・重度(81dB以上)に分類。補聴器・人工内耳の適応判断に使用。
失語症
超皮質性失語
復唱が保たれる失語群の総称。超皮質性運動失語(非流暢)・超皮質性感覚失語(流暢)・超皮質性混合失語がある。
ナ行
言語発達
喃語(Babbling)
6か月頃から出現する子音と母音の組み合わせ発声。規準喃語(「ばばば」等の繰り返し)は9〜10か月に出現。
聴覚
人工内耳(Cochlear Implant)
蝸牛に電極を挿入し聴神経を電気刺激する装置。高度・重度感音性難聴で補聴器効果不十分な場合に適応。術後リハビリが重要。
高次脳機能
認知症と失語症の鑑別
認知症は全般的な認知機能低下(記憶・判断力・見当識等)、失語症は言語機能の選択的障害。STは両者のアセスメントを行う。
ハ行
高次脳機能
半側空間無視(USN: Unilateral Spatial Neglect)
一側(主に左)の空間への注意・反応の障害。右頭頂葉損傷で多い。BIT(行動性無視検査)で評価。
失語症
ブローカ失語
左前頭葉(ブローカ野)損傷。非流暢・発語量少ない・聴理解比較的保たれる・復唱障害。電文体、失書を伴う。
聴覚
補聴器適合
難聴者に補聴器を適合させる過程。純音・語音聴力検査、フィッティング、装用訓練が含まれる。伝音性難聴で特に効果が高い。
失語症
保続(Perseveration)
前の反応が次の課題にも繰り返し現れる現象。失語症・前頭葉損傷・認知症で見られる。
失語症
PACE(Promoting Aphasics' Communicative Effectiveness)
実用的コミュニケーション訓練。絵カードを使い患者とSTが交互に情報伝達。あらゆるコミュニケーション手段を活用。
音声学
音素(Phoneme)
言語において意味を区別する最小の抽象的音声単位。/p/と/b/はミニマルペア(パン/バン)を構成する別音素。異音とは区別する。
マ行
失語症
メロディックイントネーションセラピー(MIT)
音楽のメロディを使って発話を促す訓練法。非流暢性失語(ブローカ失語)に有効。右半球の言語関連領域を活性化。
音声学
ミニマルペア(Minimal Pair)
1つの音素だけが異なる語の対。例:「パン/バン」(/p/と/b/)。音素の対立を示す証拠として使用される。
ヤ行
失語症
WAB失語症検査
最も広く使用される標準的失語症検査。流暢性・聴理解・復唱・呼称を評価し、失語指数(AQ)を算出。失語タイプ分類も可能。
音声
喉頭(Larynx)の機能
発声(声帯振動)・気道保護(声門閉鎖)・嚥下(嚥下時の喉頭蓋被覆・喉頭挙上)の3つの機能を持つ。
ラ行
失語症
流暢性(Fluency)
失語症の重要な分類軸。流暢性失語(ウェルニッケ・健忘・伝導・超皮質性感覚失語)と非流暢性失語(ブローカ・全・超皮質性運動失語)に大別。
聴覚
老人性難聴(Presbycusis)
加齢による感音性難聴。高音域から始まり徐々に低音域へ進行。語音明瞭度の低下を伴うことが多い。補聴器適合が基本。
ワ行
失語症
ウェルニッケ失語
左側頭葉(ウェルニッケ野)損傷。流暢だが聴理解著明障害・復唱障害。ジャルゴン・語性錯語が特徴。自己の発語の誤りに気づかないことが多い。
嚥下
VF(嚥下造影検査)とVE(嚥下内視鏡検査)
VF:X線透視下で嚥下動態を観察。誤嚥の確認・食形態選択に有用。VE:内視鏡で咽頭観察。ベッドサイド可能。ホワイトアウトで嚥下瞬間は観察不可。

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