音声障害は出題数こそ多くはないが、毎年安定して出題される。GRBAS評価・疾患分類・訓練法の3点を軸に整理すれば、確実に得点できる科目だ。
音声障害とは、声の質(音質)・高さ(音高)・大きさ(音量)・持続(持続時間)のいずれかに異常を来した状態をいう。原因は器質的(声帯に形態異常がある)・機能的(形態異常はないが機能に問題がある)・神経性(神経支配の問題)に大別される。
| カテゴリ | 疾患名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 器質性 | 声帯ポリープ | 一側性が多い。声の酷使や喫煙が誘因。嗄声・努力性発声。 |
| 声帯結節 | 両側性(前1/3部)が特徴。教師・歌手など声を使う職業に多い。 | |
| 喉頭がん | 持続する嗄声が主症状。早期発見が重要。喉頭全摘後は発声法の習得が必要。 | |
| 機能性 | 機能性発声障害(過緊張性) | 形態異常なし。過度の筋緊張が原因。心理的背景を伴うことも。 |
| 心因性失声(転換性障害) | 急激な失声。囁き声は出る。ストレス・心理的負荷が誘因。 | |
| 神経性 | 声帯麻痺(一側) | 反回神経麻痺が多い。甲状腺・肺・大動脈疾患でも起こる。気息性嗄声が特徴。 |
| 痙攣性発声障害 | 不随意な声帯筋の痙攣。内転型(詰まる声)と外転型(途切れる声)がある。 |
声の質を5つの側面から0〜3の4段階で評価する方法。耳鼻咽喉科・STが共通の言語として使用する。
| 項目 | 意味 | 英語表記 |
|---|---|---|
| G(Grade) | 嗄声の総合的な重症度 | Grade |
| R(Roughness) | 粗糙性(ざらつき、不規則な声) | Roughness |
| B(Breathiness) | 気息性(息が漏れる感じ) | Breathiness |
| A(Asthenia) | 無力性(力のない、弱い声) | Asthenia |
| S(Strain) | 努力性(絞り出すような声) | Strain |
コンピュータを用いた客観的評価。主な指標:
硬性鏡(口腔から)または軟性鏡(鼻腔から)で声帯を直視する。ストロボスコピーと組み合わせると声帯振動の粘膜波動の様子が評価できる。
喉頭全摘後は通常の発声が不可能になる。STが関わる代替手段は3種類ある。
| 手段 | 特徴 |
|---|---|
| 食道発声 | 空気を食道に取り込み、食道壁を振動させて発声する。習得に数か月かかるが機器不要で自然な声に近い。 |
| 電気式人工喉頭(電喉) | 電動振動体を顎に当てて発声する。すぐに使えるが機械的な声質。 |
| 気管食道シャント(シャント発声) | 外科的にシャントを作成。習得しやすく音量も得られる。シャントの維持管理が必要。 |