臨床工学技士とは
この記事について: 厚生労働省が公表する試験の実施状況・過去問題などの公的資料をもとに、MEカコモン編集部が構成しています。数値は公表統計に基づきます。最終更新: 2026年7月。
臨床工学技士(ME: Medical Engineer / Clinical Engineer)は、人工呼吸器や人工心肺、血液透析装置といった「生命維持管理装置」を、医師の指示のもとで操作・保守点検する医療の国家資格専門職です。
1. 臨床工学技士の仕事内容
臨床工学技士法(1987年制定)で、業務は「生命維持管理装置の操作および保守点検」と定められています。医療機器が高度化した現代の病院で、機器を安全に動かし続ける役割を担います。主な業務は次のとおりです。
- 血液浄化業務:血液透析(人工透析)装置の操作・管理。透析クリニックでも中心的な役割
- 人工心肺業務:心臓手術中に心臓と肺の働きを代行する人工心肺装置の操作
- 呼吸治療業務:人工呼吸器の設定・管理、ICU・救急での呼吸療法
- 手術室業務:麻酔器・電気メス・内視鏡など手術関連機器の管理
- 心血管カテーテル業務:ペースメーカ・除細動器・心臓カテーテル検査の補助
- 医療機器管理業務:院内すべての医療機器の保守点検・安全管理(ME機器の中央管理)
2. 活躍の場
3. 臨床工学技士になるには
| ルート | 内容 |
| 4年制大学(臨床工学専攻) | 卒業と同時に国家試験の受験資格 |
| 3年制短大・専門学校 | 臨床工学技士養成課程を修了して受験資格 |
| 他分野の大学卒+専攻科(1〜2年) | 指定科目を修めたうえで養成校の専攻科へ |
| 看護師・臨床検査技師など+専攻科 | 一定の資格・履修要件を満たすルートもある |
4. 国家試験の概要
| 項目 | 内容 |
| 根拠法 | 臨床工学技士法(1987年制定) |
| 試験実施 | 毎年3月・年1回(厚生労働省実施) |
| 試験形式 | 筆記試験 180問(午前90問・午後90問) |
| 合格基準 | 総得点の60%以上(例年108点/180点満点前後) |
| 合格率 | 例年70〜80%台。ただし第39回(2026年)は65.7%と大きく低下 |
5. 試験科目の範囲
臨床工学技士国家試験は、工学系と医学系の両方から幅広く出題されます。
- 医学概論・公衆衛生学(人体の構造と機能・医学的基礎)
- 医用電気電子工学(電気・電子・情報処理・システム工学)
- 医用機械工学(力学・材料力学・流体・熱)
- 生体物性材料工学(生体物性・医用材料)
- 生体機能代行装置学(呼吸療法・体外循環・血液浄化)
- 生体計測装置学(生体電気磁気計測・医用画像)
- 医用治療機器学(電気メス・除細動器・レーザ等)
- 医用機器安全管理学(漏れ電流・接地・電気的安全)
- 臨床医学総論(内科・外科・各臓器系の疾患)
MEカコモンについて
MEカコモンは臨床工学技士国家試験の過去問を無料で演習できるWebアプリです。第31〜39回(全1,620問)を収録し、分野別・年度別フィルター、全問解説、学習履歴の分析まで、登録不要で使えます。
6. 臨床工学技士の魅力
- 工学(機械・電気)と医学の両方に関わる、医療のなかでもユニークな専門職
- 生命維持に直結する装置を扱い、チーム医療のなかで機器のスペシャリストとして頼られる
- 国家資格のため安定した需要があり、透析・在宅医療の広がりでニーズは拡大傾向
- 病院だけでなく医療機器メーカーなど、資格を活かせる進路が幅広い
💡 ポイント: 臨床工学技士は「ME(Medical Engineer)」とも呼ばれ、医療機器の安全を守る中央管理の担い手として、近年ますます重要度が高まっています。工学が好きで医療に関わりたい人に向いた資格です。
⚠️ よくある誤解
- 「臨床工学技士は透析だけの仕事」→ 透析は代表的な業務のひとつだが、人工心肺・人工呼吸器・手術室機器・医療機器の安全管理まで対象は幅広い。
- 「臨床検査技師と同じ」→ 臨床検査技師は検体・生理検査が専門。臨床工学技士は生命維持管理装置の操作・保守が専門で、業務範囲が異なる。
- 「機械だけ見ていればよい」→ 患者に直接つながる装置を扱うため、臨床医学や解剖生理の知識も必須。だからこそ国試も工学と医学を横断して問われる。
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※ 本記事は公表資料をもとにMEカコモン編集部が作成しています。受験手続き・試験日程など最新の情報は、必ず厚生労働省の公式発表をご確認ください。
最終更新: 2026年7月