MEカコモン臨床工学技士国家試験 過去問・解説

第31回 臨床工学技士国家試験 午後 第85問

生体物性第31回午後

第31回 臨床工学技士国家試験 午後 第85問(生体物性)の正答は 3 です。生体組織の導電率は周波数の増加とともに上昇する(β分散などの誘電分散)。

問題
生体の電気特性について誤っているのはどれか。
  1. 1. 骨格筋は大きな電気的異方性を示す。
  2. 2. 血液の導電率は肝臓の導電率よりも高い。
  3. 3. 周波数の増加とともに導電率は低下する。
  4. 4. 細胞膜の電気容量は1 cm2 あたり1 nF 程度である。
  5. 5. 周波数が高い電流ほど電気的感受性が低下する。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 周波数の増加とともに導電率は低下する。(これが誤り)

生体組織の導電率は周波数の増加とともに上昇する(β分散などの誘電分散)。よって「低下する」は誤り。骨格筋の異方性、血液>肝臓の導電率、細胞膜の静電容量約1 μF/cm²、高周波での感受性低下はいずれも正しい。誤りを問う問題なので3番。


【各選択肢の解説】

1. 骨格筋は大きな電気的異方性を示す。
✅ 正しい。筋線維の走行方向で導電率が異なる(異方性)。
2. 血液の導電率は肝臓の導電率よりも高い。
✅ 正しい。血液は電解質に富み良導体で、実質臓器より導電率が高い。
3. 周波数の増加とともに導電率は低下する。
❌ 誤り(これが正答)。周波数が上がると細胞膜のインピーダンスが下がり電流が細胞内も通るため、導電率は上昇する。
4. 細胞膜の電気容量は1 cm²あたり1 nF程度である。
✅ 正しい。※OCRの「1 nF」は「約1 μF/cm²」の誤記で、原文は正しい記述(細胞膜の静電容量は約1 μF/cm²)。
5. 周波数が高い電流ほど電気的感受性が低下する。
✅ 正しい。高周波は興奮を起こしにくい(電気メスが数百kHz以上を使う理由)。

【試験対策ポイント】

  • 生体の導電率は周波数とともに上昇(α・β・γ分散)。誘電率は逆に周波数増加で低下
  • 細胞膜の静電容量≒1 μF/cm²
  • 高周波ほど刺激作用が小さい→電気メス(300 kHz〜数MHz)で感電せず切開・凝固できる。
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