本ジャンルは101問中96問を占める本科目の主戦場。電気メス・除細動器・ペースメーカ・レーザ・結石破砕・温熱療法・超音波手術・輸液ポンプ・カテーテル治療・内視鏡外科が、毎年ほぼ全テーマから出る。各機器の周波数・エネルギー・温度・対極板の要否とひっかけの数値を対で覚えれば一気に取れる。
対極板が必要=モノポーラ電気メス・高周波カテーテルアブレーション・RFA(いずれも高周波電流を体に流し帰路が要る)。
対極板が不要=バイポーラ電気メス・マイクロ波手術・超音波凝固切開/超音波吸引・レーザ・除細動器(放電)。電流を体内の一方向に流さない機器は対極板が要らない、と原理で判断する。
周波数は約300kHz〜数MHz。この帯域では神経・筋を刺激せずジュール熱だけを得られる(500MHzや10kHzは誤り)。出力は数十〜数百W(数十kWは桁違いのひっかけ)、出力校正は数百Ω(300〜500Ω)の負荷抵抗、高周波漏れ電流の許容は約150mAで測定は200Ω無誘導抵抗。出力回路は低周波を阻止し高周波を通すためコンデンサを直列に入れる(抵抗ではない)。
| モード | 波形と作用 |
|---|---|
| 切開 | 連続正弦波。アーク放電で組織を気化・切離 |
| 凝固 | 断続(バースト)波。スプレー放電で凝固・止血 |
| 混合(ブレンド) | 切開+凝固。切開しつつ止血 |
モノポーラ=対極板が必須。対極板は面積を広く(成人100〜150cm²)・全面密着させ電流密度を下げて熱傷を防ぐ。分割(スプリット)型対極板=2電極間の接触インピーダンスを監視(CQM)して剥がれを検知する。バイポーラはピンセット両先端間だけに通電=対極板不要で微細凝固向き。
熱傷の原因=対極板の接触不良(面積減→電流密度上昇)・身体各部の接触による分流・消毒用アルコールの貯留への引火。フローティング(高周波非接地)形やディスポ対極板の使用はむしろ熱傷を減らす側でひっかけ。高周波電流はペースメーカの誤作動も起こす。
コンデンサに蓄えた電荷を数ms(ミリ秒)で放電する。現在は低エネルギーで有効な二相性(半導体スイッチで極性を反転)が主流で、単相性は旧式。出力端子はフローティング(非接地)、通電テストは人体を模した50Ω無誘導抵抗。
コンデンサ蓄積エネルギー E=½CV² → V=√(2E/C)。例:C=150μF・E=300J なら V=√(2×300÷150×10⁻⁶)=2,000V。容量はμFで扱うのが肝(nFのままだと桁が跳ねる定番ひっかけ)。
成人の体外通電=二相性120〜200J(単相性は最大360J)、体内(開胸)直接通電は20〜60Jと大幅に低い。心室細動・無脈性心室頻拍=非同期(同期オフ)、心房細動・心房粗動・脈のある心室頻拍=R波同期(カルディオバージョン)でT波(受攻期)通電を避ける。安全=ゼリー/パッドで接触抵抗を下げ、パドルは両手同時押し・周囲は離れる。オートショック型AEDは解析後自動通電(ショックボタンなし)。
1文字目=ペーシング部位/2文字目=センシング部位/3文字目=応答(I抑制・T同期・D両方・O なし)/4文字目R=心拍応答(レートレスポンス)。A=心房・V=心室・D=両方。デマンド(VVI等)=自己心拍を感知したら刺激を抑制し、T波上への刺激(spike on T→心室細動)を防ぐ。VOO=固定レート(非同期)。
| モード | 電極リード |
|---|---|
| VVI/AAI | 1本(心室のみ/心房のみ) |
| VDD | 1本(シングルリードで心房センス+心室ペース) |
| DDD | 2本(心房・心室)。AVディレイ120〜250ms |
| CRT(両室ペーシング) | 3本(右房・右室+冠静脈洞経由の左室) |
電源=リチウム・ヨウ素電池(充電式リチウムイオンではない)、本体ケースはチタン合金。電極は右心系(右房・右室)に留置し心内波高値の大きい所へ置く。刺激パルス幅は0.4〜0.5ms、留置後刺激閾値は経時的に上昇する。適応=洞不全症候群・完全房室ブロック・モービッツⅡ型など症候性徐脈、慢性心房細動+徐脈=VVI(DDDは不適)。ICD=致死性不整脈を検知し除細動+ペーシング(電極は右室・出力は体内なので数十J・Brugada症候群はむしろ適応)、CRT=左脚ブロックを伴う重症心不全の再同期。リードレス型は右室内に留置しX線透視下で行う(超音波誘導ではない)。
| レーザ(波長) | 吸収・主用途 |
|---|---|
| CO₂(10.6μm・遠赤外) | 水に強く吸収→表層の切開・蒸散 |
| Nd:YAG(1064nm・近赤外) | 深達性→深部凝固・内視鏡下のがん治療 |
| Ar(488/514nm) | ヘモグロビン吸収→網膜光凝固 |
| ArFエキシマ(193nm) | 角膜切除(LASIK・近視矯正) |
| Ho:YAG | 尿路結石破砕 |
| 色素(Dye)・半導体 | 血管病変・あざ/PDT(光線力学療法)・低出力疼痛治療 |
CO₂レーザ(10.6μm)は石英ファイバに吸収され導光不可→反射鏡の多関節マニピュレータで導く。Nd:YAG・半導体・Ar(近赤外〜可視)は石英ファイバで導光可能(内視鏡下で使える)。波長で導光法が決まる、が狙われどころ。
レーザ安全の三本柱=眼保護(波長対応の保護メガネ・区域管理)/反射対策(器具はつや消し・被覆、可燃物排除)/煙対策(サージカルスモーク吸引)。保護メガネ着用や発生ガス除去は安全行為であって有害事象の原因ではない(否定問題のひっかけ)。
電磁板(電磁誘導)方式=平面波を音響レンズで焦点に集束/電極放電(水中放電)方式=回転楕円体の第1焦点で放電→第2焦点(結石)に集束/圧電(圧電素子)方式=球面配置で自己集束。レーザ方式・圧縮空気方式は体外衝撃波の発生方式ではない。
衝撃波は生体と音響インピーダンスの近い水(水袋)を媒質に伝播させる。照準はX線(尿管結石)/超音波(腎結石)、不整脈誘発を避けるため心電図R波同期で照射する。適応=腎結石・上部〜中部尿管結石。禁忌=妊婦・出血傾向・腹部大動脈瘤、下部(骨盤内)尿管結石・膀胱結石・尿道結石は不適(骨で遮蔽→経尿道的治療)。損傷リスクが高いのは含気の肺・腸管(音響インピーダンス差が大きい)。
腫瘍を42〜45℃に加温し、血流に乏しく熱がこもりやすい腫瘍と正常組織の温度感受性の差を利用する。RF容量結合型(8〜13.56MHz・電極で挟む)=深部加温・脂肪の発熱が大きい→電極を水バッグ(ボーラス)で表面冷却。マイクロ波(2450MHz・アンテナ照射)=表在加温向き。深部かマイクロ波かの取り違えが頻出。
放射線・化学療法と併用して増感効果を得る。加温を繰り返すと熱耐性(サーモトレランス)が数日持続するため治療間隔をあける(連日24時間毎は誤り)。全身加温は体外循環で血液を加温する。超音波加温は含気・骨で反射・減衰するため肺には不適。
| 装置 | 原理・特徴 |
|---|---|
| 超音波凝固切開装置 (ハーモニック等) | ブレードを約55kHz(23〜55kHz)・振幅数十μmで振動。摩擦熱で100℃前後の低温で凝固・切離。対極板不要・煙(ミスト)少・止血良。電気メスより低温 |
| 超音波吸引装置 (CUSA) | 20〜30kHzで含水率の高い組織を乳化・破砕し生理食塩液で灌流・吸引。血管・神経は温存(止血は弱い)。肝切除・脳外科・白内障の乳化吸引(PEA) |
超音波振動子の応用=肝実質・水晶体・尿路結石の破砕、HIFUによる温熱療法。歯科では歯石除去(スケーリング)に使うが「歯牙そのものの破砕」には用いない(ひっかけ)。5MHz・50MHzは診断用の帯域で、手術用の数十kHzと混同しない。
| 方式 | セット・精度 |
|---|---|
| 滴数(滴下)制御型 | 点滴筒の液滴を赤外線センサで計数。汎用セット可だが高濃度糖液など液性で誤差 |
| 流量(容積)制御型 | しごき量で送液。専用セット必須・高精度(JIS±10%)・成分の影響が小さい |
| シリンジポンプ | 注射器を機械的に押す。微量・高精度(循環作動薬)。閉塞・サイフォニングに注意 |
気泡混入=超音波センサ/閉塞=圧力センサ/滴下異常=光学(赤外)センサ/ドア=機械スイッチで検出。輸液ポンプとシリンジポンプに共通するアラーム=閉塞・バッテリー(気泡・流量異常は輸液ポンプ、押し子はシリンジ固有)。危険現象=フリーフロー(クレンメ開放での自然滴下)、サイフォニング(シリンジが患者より高いと落差で急速注入)。
PCI=X線透視下でガイドワイヤを冠動脈へ進め、バルーンを数〜十数気圧(約1MPa以上)で拡張し、再狭窄予防にステントを留置する。拡張中は冠血流が一時的に減少(虚血)。ステント留置後は抗血小板療法2剤(DAPT)が必須(抗凝固・抗血小板を禁忌とするのは誤り)。薬剤溶出ステント(DES)は金属ステント(BMS)より再狭窄が少なく、コーティングに免疫抑制薬(シロリムス等)を用いる。
周辺デバイス=ロータブレータ(ダイヤモンド粒子付きバーの高速回転で石灰化を研削・スローフローに注意)、IVUS/OCT(血管内で病変・ステント圧着を評価)、DCA(切除片を先端に回収)。IVR全体ではTAVI(経カテーテル大動脈弁植込み・合併症=完全房室ブロック)、ステントグラフト内挿術(合併症=脊髄虚血)、脳・腹部動脈瘤の塞栓も扱う。高リスク例はIABP/PCPSを待機する。
高周波電流でカテーテル先端を50〜60℃に加熱し不整脈の起源・伝導路を焼灼する。適応=頻脈性不整脈(発作性上室頻拍・WPW症候群・心房粗動・心房細動・特発性心室頻拍)。洞不全症候群・房室ブロックなど徐脈性はペースメーカ適応で非適応。単極通電のため対極板が必要。イリゲーション(先端を生食で灌流冷却)で過加熱・血栓・スチームポップを抑え、コンタクトフォースで接触圧を管理する。先端に血栓が付くと電気インピーダンスは上昇する(低下ではない)。90〜100℃は突沸・穿孔を招くため避ける。冷凍(クライオ)アブレーションもある。
気腹ガスは不燃性で血中に溶けやすい二酸化炭素(CO₂)、気腹圧は8〜12mmHg(約10mmHg)。腹圧上昇で下大静脈が圧迫され静脈還流が減少(血圧低下)、横隔膜挙上で胸腔内圧・気道内圧が上昇、CO₂吸収で高炭酸ガス血症、静脈うっ滞で深部静脈血栓・肺血栓塞栓症のリスク(対策必須)。器具はトロッカから挿入し硬性鏡を用いる。CO₂は不燃性なので電気メスは使用可能。手術支援ロボット(da Vinci等)はマスタースレーブ方式=術者が操作する(自律・無人ではない)で、全身麻酔下・コンソールは別室設置も可・緊急開腹への備えは必須。