医学概論の土台の章。範囲は広いが、聞かれ方は決まっている。臨床工学技士法(できる業務・医師の指示の要否)、医療機器のクラス分類と感染症法の類型、消毒と滅菌、感度・特異度、糖・脂質の代謝、細胞の適応と炎症が繰り返し出る。否定設問(「誤っているのはどれか」)が多いので、各節の「切る肢」を表で押さえる。
| 宣言・誓い | 中身 |
|---|---|
| ヘルシンキ宣言 | 人間を対象とする医学研究の倫理的原則(被験者の保護・インフォームドコンセント・倫理審査) |
| リスボン宣言 | 患者の権利(良質の医療・選択の自由・自己決定・情報・守秘など) |
| ジュネーブ宣言 | 医師の職業倫理(ヒポクラテスの誓いの現代版) |
| ヒポクラテスの誓い | 古代ギリシャの医師の倫理。研究倫理の宣言ではない |
医療職は職能団体ごとに倫理綱領(職業倫理指針)をもち、患者の利益の優先・守秘・生涯学習・他職種との協力をうたう。生と死にかかわる倫理の問題の代表例は、脳死と臓器移植・終末期医療(延命治療の差し控えと中止)・生殖医療・遺伝子診断・再生医療。
「人間を対象とする医学研究」と来たらヘルシンキ宣言、「患者の権利」と来たらリスボン宣言。サンフランシスコ宣言・ウイーン宣言は医の倫理の答えにならない。
患者の権利の柱は自己決定権。説明を受けて同意するインフォームドコンセント(IC)、主治医以外の意見を聞くセカンドオピニオン、診療情報の開示、プライバシーの保護(個人情報の保護)がある。患者は医師が必要と判断した治療(急性心筋梗塞の急性期治療など)でも拒否できる。担当医や病院は自由に選べる。保険料を払っていない人でも適切な医療を受けられる。
一方、安楽死の希望を尊重することは、患者の権利として法制化されていない。プライバシーの遵守・情報開示の要求・医療行為の拒絶・セカンドオピニオンの取得は権利として認められている側。診療情報は患者本人の情報なので、患者の死後でも遺族(配偶者)が自由に閲覧できるわけではない(開示には手続きがある)。
リビング・ウィルは、終末期に受ける医療について本人が前もって示す意思。本人の意思が最も優先される。医療チームの説明を受けて選ぶことが勧められる。拒むのは死の瞬間を引き延ばすだけの延命措置であって、一時的に生命維持が難しくなったときの回復目的の救命まで拒むものではない(ここが誤り肢)。
関係のモデルは、医師が一方的に決める型から、患者中心医療・相互参加型(患者・家族も医療に参加する)へ移っている。多職種が専門を持ち寄るのがチーム医療。
信頼関係の土台は共感。共感とは、相手の気持ちを自分の気持ちのように実感すること。「過剰に入り込む」「完全に理解する」「自分の気持ちに巻き込む」「自分の気持ちを理解させる」は共感ではない。
診療録は医師が診療のたびに書く記録で、医師法で5年間の保存が義務づけられている。電子カルテでも保存できるが、真正性・見読性・保存性の3条件を満たす必要がある。問題志向型の記録がPOMR(問題志向型診療記録)で、経過はSOAPで書く。
| SOAP | 中身 |
|---|---|
| S(Subjective) | 主観的情報=患者の訴え |
| O(Objective) | 客観的情報=診察所見・検査値 |
| A(Assessment) | 評価・判断 |
| P(Plan) | 計画(検査・治療・教育) |
診療情報の開示は原則として患者本人の求めに応じて行う。記録は個人情報なので、職員でも業務に関係のない閲覧はしない。
| 正しい(適切) | 誤り・不適切として出る肢 |
|---|---|
| 新薬の承認申請を目的に行う | — |
| GCP(Good Clinical Practice)に従う | — |
| IRB(治験審査委員会)の審査が必要 | — |
| 被験者の同意は文書で得る | 同意を口頭で得る |
| 途中で同意を撤回できる | — |
| 参加を拒否しても不利益はない | 拒否すると不利益がありうると説明する |
| 市販後の第4相試験(市販後調査)も行われる | 第4相試験は免除されている |
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は体細胞に遺伝子を入れて作る、多能性をもつ幹細胞。患者自身の細胞から作れるので拒絶反応の点で有利。腫瘍化の危険は研究上の課題だが、「移植後に高率にがん化する」は誤り。
安楽死の希望は法制化された権利 ✕/死後は配偶者が自由に閲覧 ✕/リビング・ウィルは回復目的の救命も拒む ✕/治験の同意は口頭 ✕/治験を拒むと不利益 ✕/第4相は免除 ✕/iPS細胞は高率にがん化 ✕。
医療事故は医療にかかわる場所で起こった人身事故の全体(過失の有無を問わない)。そのうち医療者の過失によるものが医療過誤。事故や障害につながったかもしれないが至らなかった事例をインシデント(ヒヤリ・ハット)と呼ぶ。実際に患者に害が及んだものがアクシデント。インシデントはインシデントレポート(インシデント報告書)、患者に害が及んだ事故は医療事故報告書で報告する。
1件の重大事故の背景には多数の軽微な事故と、さらに多数のインシデントがある(ハインリッヒの法則の考え方)。向きを逆にした「インシデントの背景に多数のアクシデント」は誤り。
| 正しい考え方 | 誤り肢 |
|---|---|
| 医療事故調査の目的は原因究明と再発防止 | 目的は責任の追及 |
| 事故を減らすには個人の注意より組織(仕組み)の対応が重要 | 個人の責任が最も問われる/個人の注意が重要 |
| インシデントレポート(インシデント報告書)は速やかに提出する | 原因を究明したのちに提出 |
| けががなくても転倒などは報告する | けががなかったので報告しない |
| 医療機関は全職員を対象とした安全研修が義務 | — |
| 医療事故に該当する事例は日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)に報告する | — |
医療事故調査制度では、医療に起因する予期しない死亡・死産が起きたとき、医療機関は第三者機関に報告し、院内で調査を行う。目的は再発防止で、個人の処罰ではない。
エラーの発生要因の代表例は疲労・ストレス、作業の中断(診療行為の中断)、担当者の交替、作業の複雑さ。多職種間の情報共有は発生要因ではなく、防止策の側。
防止策は患者確認と薬剤確認。与薬前に薬品名と患者名を同僚とダブルチェックするのは正しい。患者確認は忙しくても姓だけで済ませず、フルネームなど複数の識別子で行う。電子カルテを入れても患者誤認のリスクはなくならない。
改善の回し方はPDCAサイクル=Plan(計画)→Do(実施)→Check(点検・評価)→Act(処置・改善)。「依頼」は含まれない。
医療機関に義務付けられている安全管理は医療安全管理体制の整備・院内感染対策・医薬品の安全管理体制・医療機器の安全管理(安全確保)の4つ。救急医療体制の整備は、この医療事故防止の義務には含まれない。医療機器の安全管理のために医療機器安全管理責任者を置く(1-7)。
| 項目 | 押さえる点 |
|---|---|
| 警告 | 赤枠で記載し、警告がある薬は添付文書の右肩に赤い帯がつく |
| 禁忌 | 赤枠で記載する |
| 副作用・効能又は効果・重要な基本的注意 | 赤枠ではない |
| 記載の順序 | 記載項目の順序は全医薬品で共通 |
| 入手 | インターネットで閲覧できる(PMDAのサイトなど) |
添付文書は医薬品を適正に使うための公的な文書で、販売のための広告文書ではない。医薬品の副作用や医療機器の不具合による健康被害(有害事象)は、医療機関にも国(PMDA)への報告が求められる(医薬品医療機器等法)。副作用への対応は報告・治療・補償の3つで押さえる。
補償の仕組みが医薬品副作用被害救済制度。医薬品を適正に使ったのに起きた副作用による健康被害は、この制度で医療費や年金などが給付される。対象は医薬品と再生医療等製品で、医療機器はこの救済制度の対象に入らない。「報告」は医薬品・医療機器の両方、「救済」は医薬品(と再生医療等製品)だけ、と分けて覚える。
赤枠=警告と禁忌。右肩の赤帯=警告あり。添付文書は広告ではない。
感染予防の基本は標準予防策(スタンダードプリコーション)で、医療安全(院内感染対策)に重要。すべての患者の血液・体液などを感染の可能性があるものとして扱う(詳しくは1-3)。
病院は院内感染対策委員会を置き、実働する感染対策チーム(ICT)がサーベイランス(発生の監視)や感染対策マニュアルの整備を行う。入院前から感染していて入院後に発症したものは、院内感染とはみなさない(入院後に新たに感染したものが院内感染)。
すべての患者の血液・体液・分泌物・排泄物・損傷した皮膚・粘膜を感染性があるものとして扱うのが標準予防策。唾液も含む。標準予防策は手袋・マスク・ガウンなどを着ける基準を定めている。感染リスクの分類に基づいて医療器材を消毒・滅菌することも標準予防策の範囲。
| 正しい | 誤り肢 |
|---|---|
| 目に見える汚れがなければ速乾式の擦式アルコール製剤で手指衛生してよい | — |
| 損傷した皮膚に触れるときは手袋を着ける | — |
| 手袋を外した後も手指衛生を行う | 手袋を着けていれば外した後の手指衛生は不要 |
| 使用済みの注射針はリキャップしない(針刺し事故防止) | 両手で扱えばリキャップしてよい |
| 分泌物が飛散する患者は個室に収容する | — |
| 患者の持ち物に触れた後は手指衛生を行う | — |
標準予防策に上乗せするのが感染経路別予防策(接触・飛沫・空気)。空気感染する麻疹・結核・水痘の患者の部屋に入るときはN95マスクを着ける。患者の常在菌保有率の検査・説明会の開催・カルテでの一元化・感染した職員の記録を全職員に開示、は標準予防策ではない。
針刺し・切創が起きたら、すぐに傷口を流水と石けんでよく洗い、上司・感染対策の担当へ報告する。患者側の感染症(B型肝炎・C型肝炎・HIV)を確かめ、必要に応じて受傷者に検査と予防の処置を行う。B型肝炎は職員へのワクチン接種で予防する。防ぐ手段がリキャップの禁止と、使ったその場で耐貫通性の専用容器に捨てること。
| 語 | 意味 |
|---|---|
| 洗浄 | 物から有機物や汚れを物理的に取り除く |
| 消毒 | 病原微生物を害のない程度まで減らす(芽胞が残りうる) |
| 滅菌 | 芽胞を含むすべての微生物を殺滅・除去する |
誤り肢は定義の入れ替え(「滅菌とは汚染の危険性を低減させること」「消毒とは汚れを物理的に除去すること」「洗浄とは芽胞を含む全微生物を除去すること」)。
| 分類 | 器材の例 | 処理 |
|---|---|---|
| クリティカル(無菌組織・血管に入る) | 手術器具・鋼製小物・カテーテル | 滅菌(鋼製小物は高圧蒸気滅菌) |
| セミクリティカル(粘膜に触れる) | 消化器内視鏡・膀胱鏡・呼吸器回路 | 高水準消毒(グルタルアルデヒドなど) |
| ノンクリティカル(健常な皮膚に触れる) | 血圧計のカフ・聴診器・ベッド柵 | 低水準消毒・清拭 |
使用後の消化器内視鏡と呼吸器回路はセミクリティカルなので高水準消毒(「呼吸器回路は低水準消毒」は誤り)。膀胱鏡はグルタルアルデヒドで正しい組合せ。腹腔鏡を乾熱滅菌するのは誤り(熱に弱い精密器具)。消化器内視鏡に次亜塩素酸ナトリウムを使う組合せは誤り。手術室の壁をホルムアルデヒドで消毒する組合せも誤り(環境は清掃が基本)。
| 部位 | 使える代表例 | 不適として出る肢 |
|---|---|---|
| 粘膜 | ポビドンヨード・ベンザルコニウム塩化物・ベンゼトニウム塩化物 | エタノール(粘膜に刺激)・フェノール |
| 皮膚・創傷部位 | クロルヘキシジングルコン酸塩・ポビドンヨード | — |
| 手指 | 擦式アルコール製剤・クロルヘキシジン | 次亜塩素酸ナトリウム水溶液(手指には使わない) |
運搬容器に付けるバイオハザードマークは三日月状の輪が3つ重なった形で、感染性廃棄物の処理を示す。三つ葉状は放射能、三角形に稲妻は高電圧、三角形に「!」は注意。色で中身を分ける。
| マークの色 | 中身 |
|---|---|
| 赤 | 液状・泥状のもの(血液など) |
| 橙 | 固形状のもの(血液の付いたガーゼなど) |
| 黄 | 鋭利なもの(注射針・メスなど) |
医療廃棄物の処理を定めるのは廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)。感染症法は廃棄物の処理・清掃を定めていない(1-7)。
リキャップしてよい ✕/手袋を外した後は手指衛生不要 ✕/呼吸器回路は低水準消毒 ✕/粘膜にエタノール ✕/手指に次亜塩素酸 ✕/腹腔鏡に乾熱滅菌 ✕/入院前の感染で入院後発症は院内感染 ✕。
過酢酸・グルタラール(グルタルアルデヒド)・フタラールは内視鏡などの器具に使う高水準消毒薬で、刺激性・毒性が強く人体(皮膚・粘膜)には使わない。次亜塩素酸ナトリウムも主に器具・環境(リネン・床・血液汚染の処理)用で、粘膜には使わない。粘膜に使える代表はポビドンヨード。
WHOの健康の定義は身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態で、単に病気がないことではない。体の内部環境を一定に保つ働きがホメオスタシス(恒常性)。永続・耐久・反復・連続ではない。
健康は、人(宿主)の側の要因と、環境の側の要因の釣り合いで決まる。病気の成り立ちは病因・宿主・環境の3つで考える(疫学の三要因)。環境には、温度・気圧・放射線などの物理的環境、大気や水の汚染物質などの化学的環境、病原微生物などの生物学的環境、職業・経済・生活習慣などの社会的環境がある。外部の環境が変わっても、体はホメオスタシスによって内部環境を一定に保とうとする。その適応の範囲を超えた負荷がかかると健康障害が起こる(暑熱による熱中症、高気圧作業による減圧症など)。公害・食品・廃棄物など具体的な生活環境の問題は1-5と1-3で扱う。
疾病は、体の構造や機能に異常が起き、健康が損なわれた状態。障害は、病気やけがの結果として生活に支障が残った状態。障害のとらえ方は、WHOのICIDH(国際障害分類)からICF(国際生活機能分類)へ移った。
| ICIDH(国際障害分類) | ICF(国際生活機能分類) | |
|---|---|---|
| 見方 | 病気から障害へ一方向に進むととらえる | 生活機能と背景因子が互いに影響し合うととらえる |
| 3つの水準 | 機能障害・能力障害・社会的不利 | 心身機能・身体構造・活動・参加 |
| 背景 | — | 環境因子・個人因子 |
ICFはマイナス面(障害)だけでなく、できること(生活機能)も含めて中立の言葉で表す。病気の経過は、かかる前(感受性期)→症状が出る前(前臨床期)→発症(臨床期)→回復・障害・死、と進む(疾病の自然史)。この段階ごとに一次・二次・三次予防が対応する(1-5)。
手順:①表の「疾患あり」「疾患なし」の列(行)を確かめる。②疾患ありの人のうち検査陽性の割合が感度、疾患なしの人のうち検査陰性の割合が特異度。③分母は必ず「疾患あり(なし)の人の合計」。
| 疾患あり | 疾患なし | |
|---|---|---|
| 検査陽性 | 真陽性 TP | 偽陽性 FP |
| 検査陰性 | 偽陰性 FN | 真陰性 TN |
感度=TP÷(TP+FN)。特異度=TN÷(TN+FP)。陽性的中率=TP÷(TP+FP)(陽性と出た人のうち本当に疾患がある割合)。感度が高い検査は見逃し(偽陰性)が少ない。特異度が高い検査は誤って陽性とする(偽陽性)が少ない。
例題1:疾患あり100人のうち陽性80人・陰性20人、疾患なし100人のうち陽性10人・陰性90人。感度=80÷100=0.80、特異度=90÷100=0.90。0.20や0.10は「1−感度」「1−特異度」を取り違えた値。
例題2:表が文字で与えられ、疾患なしの行が「陰性a・陽性b」、疾患ありの行が「陰性c・陽性d」なら、特異度=a÷(a+b)、感度=d÷(c+d)。表の並びは問題ごとに違うので、毎回「疾患なしの人の中の陰性」を探す。
| 方法 | 進め方 | 出せる指標 |
|---|---|---|
| 横断研究 | ある一時点で要因と疾病を同時に調べる | 有病率 |
| 症例対照研究 | 病気の人と病気でない人を集め、過去の要因をさかのぼって比べる | オッズ比 |
| コホート研究 | 要因のある集団とない集団を将来に向けて追跡し、発生を比べる | 罹患率・相対危険 |
| 介入研究(ランダム化比較試験) | 無作為に群を分けて介入の効果を比べる | 効果の大きさ |
有病率はある時点で病気をもつ人の割合、罹患率は一定期間に新たに発生した人の割合。
基準範囲は健常人の測定値の平均±2SD、つまり中央の95%。健常人でも5%は基準範囲から外れる(上下に2.5%ずつ)。
従属人口指数=100×(年少人口+老年人口)÷生産年齢人口。年少は0〜14歳、生産年齢は15〜64歳、老年は65歳以上。日本は少子高齢化で従属人口指数は約70(グラフ問題でも近い値は70)。
主要死因別の粗死亡率の順位(近年):悪性新生物 > 心疾患 > 老衰 > 脳血管疾患 > 肺炎。死亡率の年次推移のグラフで、悪性新生物に次いで高く右肩上がりの線は心疾患。老衰は近年急に増えて3位。脳血管疾患は昔の1位から下がった。
年齢構成の違う集団を比べるときは、高齢者が多いほど高くなる粗死亡率ではなく年齢調整死亡率を使う。平均寿命は0歳の平均余命のこと。
がんの部位別死亡数(男女計)の1位は肺癌、2位は大腸癌。胃癌はかつての1位で、今は1位ではない。3位以下は年によって入れ替わる。
感度は「疾患ありの中の陽性」、特異度は「疾患なしの中の陰性」。分母を先に決めると取り違えない。基準範囲から外れる健常人は5%、従属人口指数は約70。
| 段階 | ねらい | 代表例 |
|---|---|---|
| 一次予防 | 病気にならない(発生予防・健康増進) | 予防接種・生活指導・減塩指導・労働環境の改善 |
| 二次予防 | 早期発見・早期治療 | 健康診断・がん検診(胃がん検診など) |
| 三次予防 | 悪化防止・社会復帰 | リハビリテーション・デイサービス |
生活習慣病の対策として40〜74歳を対象に特定健康診査(メタボ健診)と特定保健指導が行われる。
| 疾病 | 原因作業 |
|---|---|
| 難聴 | 騒音下での作業 |
| 眼精疲労 | VDT作業(ディスプレイ作業) |
| 減圧症 | 潜水や潜函などの高気圧作業(「高圧線保守作業」は誤り) |
| じん肺 | 鉱山掘削など粉じん作業 |
| 振動障害 | 削岩機・チェーンソーなどの振動工具 |
感染症の予防は感染源・感染経路・感受性宿主の3つに手を打つ。感染源には隔離と治療、感染経路には手指衛生や消毒、宿主には予防接種。
保健の分野の代表例:母子保健(母子健康手帳・乳幼児健診)、学校保健(学校での健康診断・感染症での出席停止)、精神保健(精神保健福祉センター・措置入院などの入院形態)、労働衛生(作業環境管理・作業管理・健康管理の3管理)。地域の保健の拠点は保健所(地域保健法で設置)と市町村保健センター。
社会保険は医療保険・年金保険・雇用保険・労働者災害補償保険(労災)・介護保険。老齢・障害(廃疾)・死亡など労働能力の長期的な喪失に給付するのは年金保険。失業は雇用保険、仕事上のけがは労災、介護は介護保険(原則40歳以上が加入)。
日本の医療保険は国民皆保険で、会社員などの被用者保険、自営業などの国民健康保険、75歳以上の後期高齢者医療制度に分かれる。国民医療費は年間40兆円を超え、65歳以上の人の分が約6割を占める。社会保障には保険のほか、生活保護などの公的扶助、障害者・児童・高齢者への社会福祉、公衆衛生がある。
入院から在宅へ移すことで平均在院日数は減る。在宅でも人工呼吸器を装着してよい(在宅人工呼吸療法)。在宅医療の準備は入院中から始める。24時間の救急体制を作るのは難しい点が多い。在宅での看取りは可能で、原則として病院へ搬送してから看取るわけではない(ここが誤り肢)。高齢者の保健・介護の施設には介護老人保健施設(リハビリと在宅復帰)や特別養護老人ホームなどがある。
食中毒の統計は、何で数えるかで1位が変わる。
| 物差し | 最も多い病因物質(近年) |
|---|---|
| 患者数 | ノロウイルス(1件で大勢が発症する) |
| 事件数(件数) | アニサキス(寄生虫) |
| 細菌に限った事件数 | カンピロバクター |
患者数が最も多い病因はノロウイルス。事件数は、近年は寄生虫のアニサキスが最多で、細菌ではカンピロバクターが最多。患者数と事件数を取り違えない。ボツリヌス菌は件数は少ないが神経毒で重症になる。
出題基準の環境は大気・水・放射線・騒音・振動など。事業活動などで環境が広く汚され、健康や生活に被害が出たものが公害。環境基本法の典型7公害は、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭。
| 四大公害病 | 原因物質 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 水俣病(熊本) | 有機水銀(メチル水銀) | 感覚障害・運動失調・視野狭窄などの神経障害 |
| 新潟水俣病 | 有機水銀(メチル水銀) | 水俣病と同じ |
| イタイイタイ病(富山) | カドミウム | 腎障害と骨軟化症(骨がもろくなり痛む) |
| 四日市ぜんそく(三重) | 硫黄酸化物(亜硫酸ガス) | ぜんそくなどの呼吸器疾患 |
水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病は水(工場排水)、四日市ぜんそくは大気の汚染による。騒音は難聴や睡眠障害、振動は振動障害(上の労働衛生)の原因になる。
放射線の健康影響は2つに分ける。確定的影響(組織反応)は一定の線量(しきい値)を超えると起こり、線量が増えるほど重くなる(脱毛・皮膚障害・白内障・不妊など)。確率的影響はしきい値がないと考え、線量が増えるほど起こる確率が上がる(がん・遺伝的影響)。人は宇宙・大地・食物などからの自然放射線を常に受けている。一般の人の線量限度は年1 mSv(自然放射線と医療被ばくを除く)。医療被ばくには線量限度を設けず、正当化と最適化で管理する。
健康診断・がん検診が二次予防。予防接種・生活指導は一次、リハビリ・デイサービスは三次。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 免許を与える者 | 厚生労働大臣(「内閣総理大臣」は誤り) |
| 独占の種類 | 名称独占(臨床工学技士でない者は名称を使えない)。法に記載がある |
| 業務 | 医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作(身体への接続・除去を含む)と保守点検を行う |
| 義務 | 守秘義務がある。他の医療関係者との連携に努める(チーム医療の理念と役割が条文にある) |
| 具体的な範囲 | 生命維持管理装置の先端部の身体への接続などは施行令・施行規則で具体的に定めている |
原則は操作は医師の指示の下、保守点検は指示不要。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 医師の指示が要らない | 人工心肺装置などの保守点検・装置内の消毒・点検項目の変更 |
| 医師の指示の下で行う | 生命維持管理装置の操作全般(例:人工呼吸中の喀痰吸引、穿刺針の抜去後の止血処置、ペースメーカへのプログラミングヘッドの設置) |
| 医師の具体的な指示(書面等)が必要 | ①施行規則32条の3つ:身体への血液・気体・薬剤の注入(回路を介した薬剤の注入など)、身体からの血液・気体の抜き取り(採血を含む)(血液浄化装置の回路を介した採血、動脈留置カテーテルからの採血など)、身体への電気的刺激の負荷(電気的刺激の負荷装置の操作) ②運転条件の設定・変更(人工呼吸器の酸素濃度の変更、血液浄化装置の運転条件の変更、人工心肺の血液流量の変更、高気圧酸素治療の加圧時間の設定) |
臨床工学技士法38条は、厚生労働省令で定める生命維持管理装置の操作を医師の具体的な指示なしに行ってはならないと定め、その中身が施行規則32条の注入・抜き取り(採血)・電気的刺激の負荷の3つ。回路を介した採血も、動脈留置カテーテルからの採血も、同じ「抜き取り」なので具体的な指示が要る。一方、人工呼吸中の喀痰吸引、穿刺針の抜去後の止血処置、ペースメーカのプログラミングヘッドの設置は「書面等による具体的な指示」の枠に入らない(医師の指示の下で行う)。医師の指示なしに人工心肺の操作や人工呼吸器の設定変更はできない。「指示が要らないのはどれか」と聞かれたら保守点検を選ぶ。
| できる(業務に含まれる) | できない(業務に含まれない) |
|---|---|
| 動脈留置カテーテルからの採血 | 血管へ直接穿刺しての採血・輸血 |
| 人工呼吸器の運転条件の設定 | 気管挿管(人工呼吸器装着を目的としたものでも不可) |
| 人工呼吸中の気管吸引による喀痰除去 | ECMO用カニューレの挿入 |
| 血液浄化装置の先端部(穿刺針)の内シャントへの穿刺 | ペースメーカ植込み時のジェネレータと電極リードの接続 |
| 医師の指示による身体への電気的刺激の負荷 | 診断のための検査を目的とした補助行為(業務として挙がらない) |
内シャントへの穿刺は「先端部の身体への接続」なのでできる。血管への直接穿刺(採血・輸血)とは別物として覚える。
法でいう生命維持管理装置は、人の呼吸・循環・代謝の機能の一部を代替し、または補助する装置。代表例は人工呼吸器・人工心肺装置・血液浄化装置・高気圧酸素治療装置・除細動器・心臓ペースメーカ・補助循環装置。臨床工学技士はこれらの操作(先端部の身体への接続・除去を含む)と保守点検を担う。接続・除去として認められているのは、施行令・施行規則が具体的に挙げた範囲(内シャントへの穿刺針の接続・抜去、留置カテーテルとの接続など)に限られる。
治療としての喀痰吸引は、臨床工学技士(人工呼吸中の気管吸引)・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士に認められている。国試で「喀痰吸引が業務として認められていない」側に出るのは臨床検査技師と薬剤師。ただし臨床検査技師は、2021年の法改正で検査(検体採取)のための喀痰の採取が業務に加わったので、「喀痰に一切かかわれない」とまでは言い切らない。治療のための吸引と、検査のための採取は別物として区別する。
保守点検=指示不要/操作(喀痰吸引など)=医師の指示/運転条件の設定・変更と、注入・抜き取り(採血)・電気的刺激の負荷=医師の具体的な指示。気管挿管・カニューレ挿入・直接穿刺・リードの接続はできない。
| 法律 | 定めていること(代表例) |
|---|---|
| 医療法 | 病院・診療所の開設、施設、管理の基準・特定機能病院の要件・医療安全の体制・医療機器安全管理責任者の配置 |
| 医師法 | 医師の免許・業務・応召義務 |
| 保健師助産師看護師法 | 看護職の免許と業務 |
| 医薬品医療機器等法(薬機法) | 医薬品・医療機器・再生医療等製品の品質・有効性・安全性、医療機器のクラス分類 |
| 健康増進法 | 国民に健康増進の努力義務を課す(受動喫煙対策など) |
| 感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律) | 感染症の類型と対応(保健所の開設は地域保健法、廃棄物は廃棄物処理法) |
| 廃棄物処理法 | 医療廃棄物を含む廃棄物の処理・清掃 |
| 毒劇物取締法 | 健康被害のおそれの高い物質を毒物・劇物に指定する |
| 臓器移植法 | 脳死下・心停止下の臓器提供の手続き |
医療法では、病院は入院用のベッド(病床)が20床以上、診療所は19床以下(無床を含む)。高度な医療を提供する特定機能病院と、地域の医療を支える地域医療支援病院は医療法で要件が定められている。臓器移植法は、本人の書面による意思表示または家族の承諾で脳死下の臓器提供ができる手続きを定める。
医療法に規定されているのは病院の管理・診療所の開設・特定機能病院の要件。保健所の開設と感染症の類型は医療法ではない。医療機器安全管理責任者の配置を義務づけるのも医療法(臨床工学技士法や薬機法ではない)。
目的は医薬品・医療機器・再生医療等製品などの品質・有効性・安全性の確保と、使用による保健衛生上の危害の発生・拡大の防止、指定薬物の規制、研究開発の促進。産業廃棄物の処理(廃棄物処理法)と毒物・劇物の規制(毒劇物取締法)は目的に含まれない。
不具合が起きたときの人体への危険度で4つに分ける。
| クラス | 区分(国試の語形) | 代表例 |
|---|---|---|
| クラスⅠ | 一般医療機器 | ネブライザ・聴診器・X線フィルム・メスなどの鋼製小物 |
| クラスⅡ | 管理医療機器 | 電子体温計・補聴器・電子内視鏡・造影剤注入装置 |
| クラスⅢ | 高度管理医療機器 | 人工呼吸器・汎用輸液ポンプ・透析器・粒子線治療装置 |
| クラスⅣ | 高度管理医療機器 | ペースメーカ・冠動脈ステント・人工心臓弁 |
高度管理医療機器はクラスⅢとⅣ。血液ガス分析装置は体に触れない体外計測機器で、高度管理医療機器に当たらない。中心静脈カテーテルは血管内に入れるので高度管理医療機器に当たる。電子体温計はクラスⅠではなくクラスⅡ(管理医療機器)、汎用輸液ポンプはクラスⅡではなくクラスⅢ(高度管理医療機器)。
| 類型 | 代表例 |
|---|---|
| 一類 | エボラ出血熱・マールブルグ病・痘そう(天然痘)・ペスト・ラッサ熱 |
| 二類 | 結核・急性灰白髄炎(ポリオ)・ジフテリア・SARS・MERS・鳥インフルエンザ(H5N1) |
| 三類 | コレラ・細菌性赤痢・腸管出血性大腸菌感染症・腸チフス |
| 四類 | 狂犬病・マラリア・デング熱・A型肝炎 |
| 五類 | インフルエンザ(鳥・新型を除く)・麻しん・梅毒 |
| 新型インフルエンザ等感染症 | 新型インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症(五類へ移行する前) |
鳥インフルエンザ(H5N1)は一類ではなく二類。狂犬病は四類。新型コロナウイルス感染症はかつて「新型インフルエンザ等感染症」に分類され、その後五類に移った。問題が「新型インフルエンザ等感染症に分類されるのは」と聞いたら新型コロナを選ぶ。
医療機器安全管理責任者=医療法/廃棄物の処理=廃棄物処理法(感染症法ではない)/応召義務=医師法。H5N1と結核とポリオは二類。
| 栄養素 | 1 gあたりの熱量 |
|---|---|
| 糖質(炭水化物) | 4 kcal |
| タンパク質 | 4 kcal |
| 脂質 | 9 kcal(最大) |
| アルコール | 7 kcal |
日本人の摂取エネルギーの構成比はタンパク質がいちばん少なく、脂質、炭水化物の順に多い(蛋白質<脂質<炭水化物)。体のエネルギー源になるのはブドウ糖・脂肪酸・アミノ酸・ケトン体など。コレステロールはエネルギー源にならない(細胞膜・ステロイドホルモン・胆汁酸の材料)。
単糖はグルコース(ブドウ糖)・フルクトース(果糖)・ガラクトース。二糖のマルトース(麦芽糖)・スクロース(ショ糖)・ラクトース(乳糖)と区別する。糖質は主に小腸で吸収される(胃ではない)。
グルコースは肝臓でグリコーゲンとして貯蔵される。糖新生は主に肝臓で行われる。ペントースリン酸経路ではリボース(核酸の材料)を作る。
血糖を下げるホルモンはインスリンだけ。アドレナリンは血糖値を上げる(グルカゴン・コルチゾール・成長ホルモンも上げる側)。インスリンの過剰投与で低血糖が起こる。
| 過程 | 場所 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 解糖系 | 細胞質 | グルコース1分子からピルビン酸2分子ができる。ATPの消費と生成の両方が行われる。酸素がなくてもATPを作れる |
| 嫌気代謝 | 細胞質 | 乳酸はピルビン酸から作られる(アセチルCoAからではない) |
| クエン酸回路(TCAサイクル) | ミトコンドリアのマトリックス | アセチルCoAを分解してCO2とNADHなどを作る |
| 電子伝達系 | ミトコンドリア内膜 | 酸素を使って大量のATPを作り、ここでH2Oができる |
誤り肢は「低酸素では解糖系からATPを作れない」「グルコース1分子からピルビン酸1分子」「TCAサイクルでH2Oができる」「電子伝達系はマトリックスにある」。
ATPの数の目安:グルコース1分子を酸素を使って完全に分解すると約30〜38分子のATPができ、解糖系だけ(嫌気)では正味2分子。酸素の多い条件で大量のATPを作るのはミトコンドリア、という対比で覚える。
中性脂肪を分解すると脂肪酸とグリセロールができる。脂肪酸はβ酸化でアセチルCoAになり、TCAサイクルに入る。β酸化はミトコンドリアのマトリックスで行われる。β酸化が1回転すると脂肪酸の炭素鎖は2つ短くなる(「1つ」は誤り)。反対に、脂肪酸の合成は細胞質でアセチルCoAから行われる(分解のβ酸化はミトコンドリア、合成は細胞質と場所が違う)。脂質は小腸で胆汁酸の助けを借りて吸収される。
水に溶けない脂質(中性脂肪・コレステロール)は、タンパク質と結合したリポタンパクの形で血液中を運ばれる。
| リポタンパク | 運ぶもの・向き |
|---|---|
| キロミクロン | 食事の中性脂肪を小腸から運ぶ |
| VLDL(超低比重リポタンパク) | 肝臓で作った中性脂肪を末梢へ運ぶ |
| LDL(低比重リポタンパク) | コレステロールを肝臓から末梢へ運ぶ(多すぎると動脈硬化を進める=いわゆる悪玉) |
| HDL(高比重リポタンパク) | 末梢の余ったコレステロールを肝臓へ戻す(いわゆる善玉) |
LDLとHDLは向きが逆。「HDLがコレステロールを末梢へ運ぶ」と入れ替えた肢に注意。
タンパク質の構造:一次構造=ペプチド結合したアミノ酸の配列、二次構造=αヘリックス・βシート、三次構造=1本の鎖が折りたたまれた立体構造、四次構造=複数のサブユニットの集まり。ヘモグロビンは4つのサブユニットからなる(「3つ」は誤り)。強酸・強塩基でpHを変えると構造が変わる(変性)。
酵素はタンパク質でできた触媒。作用する物質が基質。酵素ごとに至適pHがある。体内の酵素の至適温度は体温付近の約37℃(「25℃付近」は誤り)。
| DNA | RNA | |
|---|---|---|
| 塩基 | アデニン・グアニン・シトシン・チミン | アデニン・グアニン・シトシン・ウラシル |
| 糖 | デオキシリボース | リボース |
ウラシルはRNAの塩基でDNAには含まれない。イノシンもDNAの構成塩基ではない。遺伝情報はDNA→mRNA(転写)→タンパク質(翻訳)と流れ、アミノ酸をリボソームへ運ぶのはtRNA。mRNAは設計図の写し、rRNAはリボソームの成分。
核酸の分解:塩基のうちプリン塩基(アデニン・グアニン)は分解されて最終的に尿酸になり、尿中に捨てられる。尿酸が体にたまると高尿酸血症になり、痛風の原因になる。ピリミジン塩基(シトシン・チミン・ウラシル)は尿酸にならない。核酸の材料のリボースはペントースリン酸経路で作られる(上の糖質の項)。
タンパク質はアミノ酸がペプチド結合でつながったもの。体内で合成できず食事から取る必要があるものが必須アミノ酸。余ったアミノ酸の窒素は肝臓で尿素に変えられ(尿素回路)、腎臓から捨てられる。補酵素の多くはビタミンB群からできる。
| ビタミン | 押さえる点 |
|---|---|
| A | カロテンから体内でビタミンAが作られる(逆向きの「ビタミンAがカロテンの材料」は誤り)。欠乏で夜盲症 |
| B1 | 欠乏で脚気になる(「B2の欠乏で脚気」は誤り) |
| B12 | 吸収に胃から分泌される内因子が必要。欠乏で悪性貧血 |
| C | 抗酸化作用をもつ。欠乏で壊血病 |
| D | 皮膚での生成に紫外線が必要(「赤外線」は誤り)。カルシウム吸収を助ける |
| E | 抗酸化作用をもつ |
脂質は9 kcal/g/ピルビン酸は2分子/β酸化は炭素2個ずつ/ヘモグロビンは4サブユニット/酵素の至適温度は約37℃。
最高血中濃度に達するのが速い順の目安は静脈内注射 > 筋肉内注射 > 皮下注射 > 経口投与。静脈内注射は効き始めが最も速いが、持続は短い。筋肉内注射は静脈内注射より効き始めが遅く、持続は長い。
初回通過効果は、消化管から吸収された薬が全身の血液に入る前に肝臓で代謝されること。受けるのは経口投与。舌下・吸入・静脈注射は肝臓を通らずに全身へ入る(直腸内も大部分は避けられる)。
投与した量のうち全身の血液に届く割合が生物学的利用率(バイオアベイラビリティ)。静脈内注射は全量が血中に入るので100%で、経口投与は吸収の不足と初回通過効果のぶん低くなる。ニトログリセリンを舌下で使うのは、肝臓を通さず速く効かせるため。
薬物動態の過程は吸収(Absorption)・分布(Distribution)・代謝(Metabolism)・排泄(Excretion)。「合成」は薬物動態の過程に含まれない。
生物学的半減期は血中濃度が半分になる時間。1半減期で1/2、2で1/4、3で1/8、4半減期で1/16になる。
例題:半減期6時間の薬で、24時間後の血中濃度は最初の何分の1か。→ 24÷6=4半減期。(1/2)を4回かけて1/16。
ED50(50%有効量)=対象の50%に効果が出る用量。LD50(50%致死量)=動物実験で50%の動物が死亡する用量。ED50・LD50はどちらも主に動物実験で求める指標で、「臨床研究で50%の被験者に効果が出る用量」という肢は誤り。LD50とED50の比(治療係数)が大きいほど安全域が広い。
薬の多くは受容体に結合して働く。受容体を刺激して作用を出すのが作動薬(アゴニスト)、受容体に結合して本来の物質の作用を妨げるのが拮抗薬(遮断薬・アンタゴニスト)。名前の「作動」「遮断(拮抗)」で作用が逆になる。
主作用は治療に使う作用、それ以外の望まない作用が副作用。薬を使って起きた好ましくないこと全体(因果関係を問わない)が有害事象。薬の分布は血漿タンパク(アルブミン)との結合の程度に影響され、結合していない遊離型の薬だけが作用する。代謝は主に肝臓、排泄は主に腎臓で、肝・腎の機能が落ちると血中濃度が上がりやすい。
TDM(治療薬物モニタリング)は、血中の薬の濃度を測って投与量を調節すること。TDMが必要なのは、有効血中濃度の範囲が狭い薬、個人差が大きい薬、薬効・副作用が血中濃度と強く相関する薬、腎障害の患者に使う場合。治療域と中毒域が大きく離れている(安全域が広い)薬はTDMの必要性が低い。
薬の効き方を左右する因子の代表例は投与経路・体重・年齢・併用薬・肝腎機能。ABO式血液型は薬物治療に影響する因子として考えにくい。
繰り返し使って効きにくくなる耐性では、薬を代謝する酵素の誘導合成が増え、排泄も増える(どちらも「増加」)。
| 薬 | 分類 |
|---|---|
| ドブタミン | 強心薬(β1刺激) |
| ニフェジピン | 降圧薬(カルシウム拮抗薬) |
| ミダゾラム | ベンゾジアゼピン系の鎮静薬(オピオイド鎮痛薬ではない) |
| アトロピン | 抗コリン薬 |
| デキサメタゾン | 副腎皮質ホルモン(ステロイド) |
降圧薬の代表例はACE阻害薬(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)・ARB(アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬)・カルシウム拮抗薬・サイアザイド系利尿薬・β遮断薬。β受容体作動薬は降圧薬ではない(遮断薬と作動薬を取り違えない)。
筋注のほうが静注より速い ✕/ED50は臨床研究で求める ✕/4半減期で1/8 ✕/安全域が広い薬ほどTDMが要る ✕/耐性で代謝酵素が低下 ✕/ミダゾラムはオピオイド ✕/β作動薬は降圧薬 ✕。
| 現象 | 意味 |
|---|---|
| 萎縮 | いったん正常に育った細胞・臓器が小さくなる |
| 肥大 | 細胞が大きくなる |
| 過形成(増生) | 細胞の数が増える |
| 化生 | 分化した細胞が別の系統の分化した細胞に変わる |
傷害に対する適応現象は萎縮・肥大・過形成(増生)・化生。低形成は発生の段階で十分に育たなかった状態で、適応現象ではない。壊死とアポトーシスは細胞死で、適応現象ではない。
アポトーシスは遺伝子にプログラムされた能動的な細胞死で炎症を起こさない。壊死(ネクローシス)は傷害による受動的な細胞死で炎症を伴う。凝固壊死は壊死の一型で、アポトーシスの一種ではない。「プログラムされた細胞死をネクローシス(壊死)という」は誤り。
変性は、傷害を受けた細胞の中や間に、ふだんは見られない物質やふだんより多い物質がたまる状態(脂肪変性・硝子変性・アミロイド変性など)。原因が取り除かれれば元に戻りうる点で壊死と違う。再生は失われた細胞・組織を同じ種類の細胞が補うこと。表皮や腸の上皮・肝細胞はよく再生するが、心筋細胞や神経細胞はほとんど再生しない(瘢痕で置き換わる)。
炎症の4徴は発赤・熱感(発熱)・腫脹・疼痛、5徴はこれに機能障害を加える。掻痒感や出血は炎症の徴候に含まれない。
| 急性炎症 | 慢性炎症 |
|---|---|
| 血管透過性の亢進・液性成分の滲出・好中球の遊走・組織圧の上昇 | 線維芽細胞の増殖(線維化)・リンパ球や形質細胞・マクロファージの浸潤 |
急性炎症が慢性期に移ったことを示す所見は線維芽細胞の増殖。化膿性炎=多数の好中球が滲出する炎症、肉芽腫=類上皮細胞と巨細胞が集まった病変(結核など)。創傷治癒の過程では肉芽組織が形成され、この肉芽組織の形成を創傷治癒過程の第1相として扱う(そのあと肉芽組織は瘢痕組織に置き換わる)。
| 語 | 意味 |
|---|---|
| 血栓 | 血管内で血液が固まったもの。動脈硬化の粥腫(プラーク)が破れてできた血栓で閉塞するのは血栓症 |
| 塞栓 | よそでできた血栓などが流れてきて詰まる(深部静脈血栓→肺塞栓) |
| 梗塞 | 虚血で組織が壊死する。急性心筋梗塞は冠動脈の閉塞で起こる |
| 側副血行 | 動脈が詰まったとき壊死の範囲を小さくする |
| 充血 | 動脈側から流れ込む血液が増えて起こる(「血流量低下で充血」は誤り) |
| 浮腫 | 血漿膠質浸透圧が低下すると起こる(「上昇で浮腫」は誤り)。腫瘍や炎症でリンパ流が妨げられるとリンパ浮腫 |
動脈血栓は抗血小板薬で予防する(静脈血栓は抗凝固薬が中心)。粥状硬化は動脈狭窄の原因の一つ。
悪性腫瘍の特徴は多段階の遺伝子異常・細胞異型・浸潤性増殖・リンパ行性転移・血行性転移。非浸潤性(膨張性)の増殖は良性腫瘍の特徴。
| 良性腫瘍 | 悪性腫瘍 | |
|---|---|---|
| 増え方 | 膨張性(周りを押しのける)・被膜あり | 浸潤性(周りに入り込む) |
| 速さ | 遅い | 速い |
| 細胞 | 異型が弱い・分化がよい | 異型が強い・分化が悪い |
| 転移 | しない | リンパ行性・血行性・播種性に転移する |
上皮性の悪性腫瘍が癌腫、非上皮性(骨・筋・結合組織など)の悪性腫瘍が肉腫。癌は遺伝子の異常が何段階も積み重なって起こる(多段階発がん)。
| 正しい | 誤り肢 |
|---|---|
| 自然免疫の主体は好中球・マクロファージなどの食細胞 | 自然免疫の主体はリンパ球 |
| 抗原を取り込んで提示するのは樹状細胞・マクロファージ | 好中球が抗原情報を提示する |
| T細胞はT細胞レセプタで抗原を認識する | — |
| B細胞は免疫グロブリン(抗体)を作り、液性免疫を担う | — |
| 一次免疫応答で最初に作られる抗体はIgM | 一次応答の主体はIgA |
病理検査は、細胞をはがして見る細胞診と、組織を切り取って見る組織診(生検)。尿検査の項目の代表例はブドウ糖(尿糖)・pH・ケトン体・比重・蛋白・潜血。グリコヘモグロビン(HbA1c)は血液検査の項目で、尿検査ではない。
低形成は適応 ✕/壊死はプログラムされた死 ✕/凝固壊死はアポトーシス ✕/掻痒・出血は炎症の徴候 ✕/粥腫破綻の閉塞を塞栓症 ✕/膠質浸透圧上昇で浮腫 ✕/悪性腫瘍は非浸潤性 ✕/HbA1cは尿検査 ✕。