第2章|人体の構造と機能

医学概論 第2章
収録 115問(第31〜39回)細胞・神経・循環・呼吸・腎・消化・内分泌・筋

解剖学・生理学の中核で本科目最多の115問。細胞小器官から神経・循環・呼吸・腎・消化・内分泌・筋まで全域から出る。「どの構造が・どの物質を・どこで」の対応表と、膜電位・血圧・換気・再吸収の数値を押さえれば一気に取れる。

細胞小器官・膜輸送・エネルギー代謝

細胞小器官おもな機能
ミトコンドリアATP産生(TCA回路・電子伝達系)
粗面/滑面小胞体タンパク質合成/脂質合成・Ca貯蔵
ゴルジ体/リソソーム修飾・分泌/加水分解(消化)
リボソーム/核翻訳(タンパク合成)/DNA・転写

能動輸送=ATPを使い濃度勾配に逆らう(Na-Kポンプ・尿細管でのグルコース再吸収)/受動輸送=拡散でエネルギー不要。TCA回路は1周でNADH3・FADH2 1・GTP1・CO2 2を産生(マトリックス)、酸素を使うのは電子伝達系。酵素は活性化エネルギーを下げ、ミカエリス・メンテン式に従う(Km=反応速度がVmaxの半分になる基質濃度)

神経系 — 活動電位・自律神経・中枢

活動電位の数値

静止膜電位 −70mV・閾値 −55mV・オーバーシュート +30mV脱分極=Na⁺流入/再分極=K⁺流出、持続約1msec。有髄線維は跳躍伝導で速い。静止時は細胞外にNa⁺・細胞内にK⁺が多い。

作用部位交感神経/副交感神経
瞳孔・心拍散瞳・心拍増/縮瞳・心拍減
消化・唾液抑制・減少/促進・増加
排尿蓄尿=交感/排尿=副交感(骨盤神経)

中枢=大脳皮質は灰白質・深部が白質(脊髄は逆)。運動野=中心前回/体性感覚野=中心後回脊髄神経は31対(頸8・胸12・腰5・仙5・尾1)。脳幹=中脳・橋・延髄、間脳=視床+視床下部、大脳基底核=尾状核・被殻・淡蒼球。サーカディアンリズムの中枢=視交叉上核(体温・血圧・コルチゾール・メラトニンが日内変動)。

循環器・血液

心臓の弁=僧帽弁は二尖・三尖弁は三尖(房室弁は腱索+乳頭筋で支持)、半月弁は3尖で腱索なし。左室壁が厚い。冠循環は拡張期優位で心拍出量の約5%。血圧=心拍出量×末梢血管抵抗脈圧=収縮期−拡張期、平均血圧≒拡張期+脈圧/3。

血液の指標値・要点
ヘマトクリット(Ht)赤血球容積比=男約45%・女約40%
赤血球径7〜8μm・寿命120日・脾臓で破壊・骨髄で産生(葉酸・B12)
血漿タンパク最多はアルブミン(膠質浸透圧を担う)。A/G比>1
凝固外因系=VII因子(PT)/内因系=VIII・IX・XI・XII(APTT)。線溶=プラスミン(FDP・Dダイマー)

ABO血液型の抗体=A型は抗B・B型は抗A・O型は抗A+抗B・AB型は抗体なし。血漿=血液−細胞成分/血清=血漿−フィブリノゲン。生理食塩水0.9%、血漿浸透圧275〜290mOsm/L。

呼吸 — 換気とガス運搬

換気の計算と数値

分時肺胞換気量=(1回換気量TV − 死腔150mL)× 呼吸数肺活量=予備吸気量+1回換気量+予備呼気量残気量・機能的残気量(FRC)・全肺気量(TLC)はスパイロメータで直接測れない

CO2の運搬=重炭酸イオン(HCO3⁻)約70%・カルバミノHb約23%・溶解7%。過換気でPaCO2は低下する。肺胞気酸素分圧 PIO2=(PB−PH2O)×FIO2=海面で(760−47)×0.21≒150mmHg。肺の拡散能=ガス取り込み量÷分圧差。

腎・泌尿・体液

ネフロンの経路=糸球体→ボーマン嚢→近位尿細管→ヘンレ係蹄→遠位尿細管→集合管。Na⁺再吸収は近位尿細管が最多(約65%)>ヘンレ(約25%)>遠位・集合管(約10%)。近位尿細管でグルコース・アミノ酸を再吸収(SGLT)。

集合管に働くホルモン

アルドステロン=Na⁺再吸収・K⁺排泄(副腎皮質球状帯)/ADH(バソプレシン)=水の再吸収(アクアポリン)。排尿は内尿道括約筋=平滑筋・不随意/外尿道括約筋=横紋筋・随意(陰部神経)。糸球体濾過量(GFR)×血漿中濃度=濾過量。

消化・栄養吸収

部位消化酵素・分泌
唾液アミラーゼ(デンプン)
主細胞=ペプシノゲン/壁細胞=塩酸・内因子/G細胞=ガストリン
膵臓トリプシン・アミラーゼ・リパーゼ
胆汁/小腸酵素なし・脂肪を乳化/刷子縁のマルターゼ・スクラーゼ・ラクターゼ

グルコースは小腸粘膜でSGLT1により能動的に吸収される。

内分泌 — ホルモン産生と調節

産生部位ホルモン
下垂体前葉/後葉GH・PRL・ACTH・TSH・LH/FSH/ADH・オキシトシン
甲状腺/副甲状腺T3・T4・カルシトニン(C細胞)/PTH
副腎皮質/髄質アルドステロン・コルチゾール・アンドロゲン/アドレナリン
腎臓/膵β細胞EPO・レニン・活性型ビタミンD/インスリン

甲状腺のフィードバック=視床下部TRH→下垂体前葉TSH→甲状腺T3/T4(負のフィードバック)。月経周期の軸=視床下部GnRH→下垂体前葉FSH/LH→卵巣、LHサージで排卵インスリン=膵β細胞・GLUT4を介した糖取り込み・同化ホルモン(1型=分泌低下/2型=抵抗性)。

筋・生殖・皮膚・加齢

筋の種類横紋/随意性/支配神経
骨格筋横紋あり/随意/体性神経
心筋横紋あり/不随意/介在板・不応期が長い
平滑筋横紋なし/不随意/自律神経

生殖=受精は卵管膨大部・着床は子宮内膜・母児のガス交換は胎盤、妊娠期間は約40週。皮膚=表皮は無血管で角質がバリア(水溶性物質を通しにくい)、メラニンで紫外線防御・ビタミンD合成。加齢変化は「低下・減少」が基本(GFR低下・高音域難聴・起立性低血圧・胃酸低下・テロメア短縮=「亢進・増加」の選択肢は誤りが多い)。創傷治癒=止血→炎症→増殖(肉芽形成・上皮化)→成熟(瘢痕・リモデリング)で、瘢痕形成期が最も遅い。