作業療法士のキャリアパス

この記事の執筆者: 現役の作業療法士が、臨床経験と同業者のネットワークをもとに執筆・監修しています。

OTは「身体障害か精神障害か」を最初に選ぶ印象があるが、実際には両方を経験してから専門化する道が正解に近い。OTのキャリアの多様性はリハ職の中でもトップクラスだ。

1. 入職後のファーストキャリア(1〜5年目)

最初の職場で「身体」か「精神」かを選ぶことになるケースが多いが、どちらが正解というわけではない。急性期病院で身体障害と高次脳機能障害を幅広く経験するか、精神科病院で精神リハビリを基礎から身につけるか、どちらも5〜10年後のキャリアの資産になる。

特に発達障害・小児領域への関心がある人は、最初から児童発達支援施設に就職するルートも増えており、早期から専門性を育てるアプローチが一般化してきた。

2. OTの専門領域

身体障害(上肢・ADL)

脳卒中・整形外科疾患・神経難病の上肢機能訓練・日常生活動作の自立支援が中心。

高次脳機能障害

注意・記憶・遂行機能の評価と代償手段の提案。OTが主体的に関わる領域。

精神障害

統合失調症・気分障害・依存症などの精神疾患のリハビリ。生活技能訓練(SST)・作業プログラム。

発達障害・小児

感覚統合療法・運動発達支援。学校・療育施設・放課後デイなど幅広い場で活躍。

老年期・認知症

生活機能の維持と認知症ケア。回想法・環境調整・介護者支援が重要な要素。

就労支援

障害者の職場復帰・就労移行支援。OTが福祉領域でキャリアを作れる注目分野。

3. 取得できる認定・専門資格

資格名取得条件の目安メリット
認定作業療法士(日本作業療法士協会)実務5年以上+研修受講+試験専門性の証明。職場によって資格手当あり。
専門作業療法士認定取得後さらに実績・申請が必要より高度な専門性の証明。
感覚統合認定セラピスト感覚統合学会の研修・試験小児・発達障害分野のOTに特に有用。
手外科リハビリ専門家各学会の資格制度による整形外科クリニックなど手の専門施設での評価が高い。

4. 就労支援分野の可能性

OTが就労支援(障害者の職場復帰・就職支援)に関わる機会が増えている。精神障害・発達障害・高次脳機能障害を持つ人の就労移行支援施設や、企業での産業OTとしての活動も広がっている。医療現場の外でOTの専門性を活かせる新しいフィールドとして注目されている。

5. 研究・教育職へのルート

大学院(修士・博士)への進学で、OT養成校の教員や研究者になるルートがある。社会人大学院として働きながら学ぶOTも増えており、感覚統合・高次脳機能・精神科OTの研究者として第一線で活躍する人もいる。「なぜこの訓練が効くか」を科学で証明したい人には魅力的なルートだ。

💡 キャリアを考えるヒント: OTの面白さは「作業」という視点を通して人の生活全体に関われること。「この人が何をしたいか」「何が生きがいか」を一緒に考えることがOTの核心だと思う。それを意識すると、どの分野に進んでも「OTらしさ」を失わずにいられる。

⚠️ よくある誤解

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※ 本記事は現役の作業療法士が執筆・監修しています。
最終更新: 2026年5月