老年期作業療法 国試対策ガイド
この記事の執筆者: 現役の作業療法士が、臨床経験と国家試験の出題傾向をもとに執筆・監修しています。
老年期作業療法では認知症の病態・評価・介入が中心です。各型の鑑別ポイントと作業療法アプローチを整理しましょう。
1. 主要な認知症の種類と特徴
| 型 | 頻度 | 主な特徴 | 経過 |
|---|
| アルツハイマー型(AD) | 最多(約60%) | 近時記憶障害から始まる・緩徐進行・海馬委縮 | 緩徐進行性 |
| 血管性認知症(VaD) | 約20% | 段階的悪化・病識保持・感情失禁・巣症状あり | 階段状悪化 |
| レビー小体型(DLB) | 約15% | 認知動揺・幻視(人・動物)・パーキンソン症状・REM睡眠行動障害 | 変動する認知 |
| 前頭側頭型(FTD) | 若年発症多い | 人格変化・脱抑制・常同行動・失語(進行性) | 緩徐進行性 |
DLBの診断基準のポイント 中心的特徴:認知機能の動揺(注意・覚醒の変化)。主要特徴:詳細な幻視・パーキンソン症状・REM睡眠行動障害。DLBではドパミン作動薬が有効だが、抗精神病薬(特に定型)への過敏性が高く危険。
2. 認知症の評価ツール
| 評価ツール | 特徴・カットオフ |
|---|
| MMSE | 30点満点・24点以下で認知症疑い。見当識・記銘・計算・言語・視空間など11項目。 |
| HDS-R(長谷川式) | 30点満点・20点以下で認知症疑い。日本で最も普及。 |
| MoCA | 30点満点・26点以下でMCI(軽度認知障害)疑い。MMSEより感度高い。 |
| CDR(臨床認知症評価尺度) | 記憶・見当識・判断・社会適応・家庭・介護の6領域を0〜3で評価。 |
3. 認知症への作業療法介入
- 回想法:過去の記憶・写真・音楽を用いて語り合う。ADの保たれた遠隔記憶を活用。QOL向上・抑うつ軽減。
- 現実見当識訓練(RO):日付・場所・人物の現実情報を繰り返し提示。見当識障害への介入。
- バリデーション療法:感情に共感・傾聴する。修正や現実への引き戻しはしない。
- 作業を通じた意味のある活動:本人の生活歴・習慣・好みに合った作業で生活の質を維持。
💡 臨床メモ: レビー小体型認知症の幻視は「自分には見えている」もの。否定や「幻視ですよ」という指摘は本人の不安を増す。「今は大丈夫ですよ」と安心させる関わりが有効です。
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※ 本記事は現役の作業療法士が執筆・監修しています。
最終更新: 2026年5月