OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第50回 作業療法士国家試験 午前 第78問

臨床医学第50回午前

第50回 作業療法士国家試験 午前 第78問(臨床医学)の正答は 5 です。ボツリヌス毒素はコリン作動性神経終末部でのシナプス小胞とシナプス前膜の融合(SNARE複合体)を阻害し、アセチルコリン(ACh)の開口分泌(exocytosis)を抑制することで神経筋接合部での筋収縮を阻害する。

問題
ボツリヌス菌毒素製剤の作用機序について正しいのはどれか。
  1. 1. 末梢神経の破壊
  2. 2. ミトコンドリアのATP産生停止
  3. 3. アクチンとミオシン頭部の結合抑制
  4. 4. 抗アセチルコリン受容体抗体の産生
  5. 5. 神経終末部でのアセチルコリン分泌抑制

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 神経終末部でのアセチルコリン分泌抑制

ボツリヌス毒素はコリン作動性神経終末部でのシナプス小胞とシナプス前膜の融合(SNARE複合体)を阻害し、アセチルコリン(ACh)の開口分泌(exocytosis)を抑制することで神経筋接合部での筋収縮を阻害する。


【各選択肢の解説】

1. 末梢神経の破壊
❌ 誤り。ボツリヌス毒素は末梢神経を物理的に破壊しない。SNARE蛋白の切断によるACh放出阻害が機序。
2. ミトコンドリアのATP産生停止
❌ 誤り。これはシアン化物(青酸)などの機序。ボツリヌス毒素の作用機序とは異なる。
3. アクチンとミオシン頭部の結合抑制
❌ 誤り。筋弛緩薬(非脱分極性筋弛緩薬等)の作用機序に近いが、ボツリヌス毒素の機序ではない。
4. 抗アセチルコリン受容体抗体の産生
❌ 誤り。これは重症筋無力症(MG)の病態(自己免疫疾患)。ボツリヌス毒素の作用機序とは全く異なる。
5. 神経終末部でのアセチルコリン分泌抑制
✅ 正しい。ボツリヌス毒素A型はSNARE蛋白(SNAP-25)を切断→シナプス小胞のシナプス前膜への融合阻害→ACh開口分泌の抑制→神経筋接合部でのACh放出が起こらない→筋収縮不能(弛緩性麻痺)。

【試験対策ポイント】

ボツリヌス毒素の臨床応用:痙縮(上肢・下肢の局所筋痙縮)・斜視・眼瞼痙攣・頸部ジストニアへの局所注射として使用。作用機序:「神経終末からのACh分泌を阻害→神経筋接合部での信号伝達が途絶→弛緩性麻痺」。重症筋無力症(自己免疫・ACh受容体抗体)との混同に注意。


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ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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