第53回 作業療法士国家試験 午前 第47問
臨床心理学第53回午前
他罰的であり「病状がよくならないのは、親の接し方が悪いため」と攻撃的になる境界性パーソナリティ障害の患者への作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
1. 単独で患者と関わる。
2. 患者の親への心理的支援を行う。
3. 治療契約の重要さを患者と確認する。
4. 攻撃を向けられた後も同じ態度をとる。
5. 患者自身の困難に共感的な態度で接する。
- 1. 単独で患者と関わる。 ✓
- 2. 患者の親への心理的支援を行う。
- 3. 治療契約の重要さを患者と確認する。
- 4. 攻撃を向けられた後も同じ態度をとる。
- 5. 患者自身の困難に共感的な態度で接する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 単独で患者と関わる。
境界性パーソナリティ障害患者は分裂的思考と対人関係の不安定性が特徴であり、単独対応は治療者への過度な依存や転移を強化し、攻撃性の増加につながるため避けるべき対応です。複数スタッフによるチームアプローチが原則です。
---
【各選択肢の解説】
1. 単独で患者と関わる。
❌ 誤り。単独対応は患者の分裂的思考(良い者/悪い者への二者択一的認知)と対人関係の不安定性を助長し、治療者への過度な依存や攻撃性の増加を招きます。複数スタッフによるチームアプローチが原則です。
2. 患者の親への心理的支援を行う。
✅ 正しい。親も患者の攻撃的な言動により心理的負担を受けており、親への支援は家族全体の機能改善につながる適切な対応です。
3. 治療契約の重要さを患者と確認する。
✅ 正しい。明確な契約・ルールの設定は、患者の不安軽減と治療への参加意欲向上に有効な対応です。
4. 攻撃を向けられた後も同じ態度をとる。
✅ 正しい。一貫性のある対応により、患者の「自分は見捨てられない」という確認が得られ、安定した治療関係構築に必要です。
5. 患者自身の困難に共感的な態度で接する。
✅ 正しい。患者の内的苦悩への共感は信頼関係形成の基盤であり、攻撃性の根底にある対人恐怖や見捨てられ不安への対応として重要です。
---
【試験対策ポイント】
• 境界性パーソナリティ障害は「分裂的思考」と「対人関係の不安定性」が核
• チームアプローチ(複数スタッフ対応)が基本原則
• 一貫性・信頼構築・明確なルール設定が治療効果を高める