第54回 作業療法士国家試験 午後 第3問
臨床医学第54回午後
82歳の女性。右利き。手関節脱臼骨折後、手関節掌屈0°、前腕回外10°の可動域制限がある。それ以外の上肢の関節可動域や筋力は保たれている。歯がなく、義歯を装着していない為にきざみ食を箸で食べているが、肩関節外転の代償運動が出現している。「こぼれやすく、口に届きにくい。右手で楽に食べたい」との訴えがある。食事用自助具(別冊No. 1 ①〜⑤)を別に示す。適切なのはどれか。
1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤
- 1. ①
- 2. ②
- 3. ③
- 4. ④ ✓
- 5. ⑤
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ④
手関節掌屈制限(0°)により箸の操作が困難で、肩関節外転の代償運動が出現している状況です。食事動作を補助するには、手関節の掌屈角度を補正し、前腕回外制限も考慮した自助具が必要です。④は手関節を固定しながら柄が傾斜設計された食事用自助具で、この患者の制限に対応できます。
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【各選択肢の解説】
1. ①
❌ 誤り。標準的な箸やスプーンで、手関節掌屈制限への対応がなく、肩代償運動の軽減につながりません。
2. ②
❌ 誤り。単純な柄の延長型で、手関節の角度制限問題を解決できず、代償運動は改善されません。
3. ③
❌ 誤り。手関節固定機能や角度補正がないため、掌屈0°の制限に対応できません。
4. ④
✅ 正しい。手関節を固定し柄が傾斜設計されており、掌屈制限と前腕回外制限を補正して食事動作を容易にし、肩代償運動を軽減できます。
5. ⑤
❌ 誤り。機能設計が患者の具体的な関節可動域制限に対応していません。
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【試験対策ポイント】
・手関節掌屈制限→食器を口に運びにくい→柄の傾斜・手関節固定で対応
・肩関節代償運動の出現→下位関節の制限が原因
・自助具選択は「制限部位+代償パターン」を分析してから選定