基準は日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会「関節可動域表示ならびに測定法」(1995年)。角度計は基本軸と移動軸に当てて測り、5°刻みで記録する。原則は他動運動での測定。
| 項目 | 原則 | よくある誤り |
|---|---|---|
| 記録の単位 | 5°刻み | 1°刻みで記載する |
| 運動の種類 | 他動運動で測るのが原則(自動で測ったときはその旨を明記) | 自動運動が原則 |
| 股関節伸展 | 腹臥位で測る(膝伸展位) | 背臥位(仰臥位)で測る |
| 股関節屈曲 | 背臥位・膝屈曲位 | 膝伸展位で測る(ハムストリングスで制限される) |
| 足関節背屈・底屈 | 膝屈曲位で測る(腓腹筋の影響を除く) | 膝伸展位だけで測る |
| 肩内旋・外旋 | 上腕を体幹に接し肘90°屈曲・前腕中間位。肩外転90°位で測ることもある | 肘伸展位で測る |
| 記録の書き方 | 測定肢位が基準と違うときは肢位を併記。疼痛があれば記録する | — |
「〜は〇〇位で測る」型の選択肢は、二関節筋の影響を除く肢位かどうかで判断する。股屈曲は膝を曲げて(ハムストリングスを緩める)、足関節は膝を曲げて(腓腹筋を緩める)測る。
出題は基本軸・移動軸の組合せと参考可動域の数値の2本立て。手・母指・手指はどの中手骨を軸にするかで迷わせる。
| 部位・運動 | 基本軸 | 移動軸 | 参考可動域 |
|---|---|---|---|
| 肩甲帯 屈曲・伸展 | 両側の肩峰を結ぶ線 | 頭頂と肩峰を結ぶ線 | 20・20 |
| 肩甲帯 挙上・引き下げ(下制) | 両側の肩峰を結ぶ線 | 肩峰と胸骨上縁を結ぶ線 | 20・10 |
| 肩 屈曲・伸展 | 肩峰を通る床への垂直線 | 上腕骨 | 180・50 |
| 肩 外転・内転 | 肩峰を通る床への垂直線 | 上腕骨 | 180・0 |
| 肩 外旋・内旋 | 肘を通る前額面への垂直線 | 尺骨 | 60・80 |
| 肩 水平屈曲・水平伸展 | 肩峰を通る矢状面への垂直線 | 上腕骨 | 135・30 |
| 肘 屈曲・伸展 | 上腕骨 | 橈骨 | 145・5 |
| 前腕 回内・回外 | 床への垂直線 | 手指を伸展した手掌面 | 90・90 |
| 手 屈曲(掌屈)・伸展(背屈) | 橈骨 | 第2中手骨 | 90・70 |
| 手 橈屈・尺屈 | 前腕の中央線 | 第3中手骨 | 25・55 |
| 頸部 屈曲・伸展 | 肩峰を通る床への垂直線 | 外耳孔と頭頂を結ぶ線 | 60・50 |
| 頸部 回旋 | 両側の肩峰を結ぶ線への垂直線 | 鼻梁と後頭結節を結ぶ線 | 60・60 |
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | メモ |
|---|---|---|---|
| 母指 橈側外転・尺側内転 | 示指(橈骨の延長上) | 母指 | 手掌面上の運動 |
| 母指 掌側外転・掌側内転 | 示指(橈骨の延長上) | 母指 | 手掌面に垂直な面の運動(「手掌面上」は橈側外転) |
| 母指 MP屈曲・伸展 | 第1中手骨 | 第1基節骨 | — |
| 母指 IP屈曲・伸展 | 第1基節骨 | 第1末節骨 | — |
| 手指 MP屈曲・伸展 | 第2〜5中手骨 | 第2〜5基節骨 | — |
| 手指 外転・内転 | 第3中手骨延長線 | 第2・4・5指軸 | 中指が基準。中指自体は橈側・尺側外転で表す |
| 部位・運動 | 基本軸 | 移動軸 | 参考可動域 |
|---|---|---|---|
| 股 屈曲・伸展 | 体幹と平行な線 | 大腿骨(大転子と大腿骨外顆の中心を結ぶ線) | 125・15 |
| 股 外転・内転 | 両側の上前腸骨棘を結ぶ線への垂直線 | 大腿中央線(上前腸骨棘より膝蓋骨中心を結ぶ線) | 45・20 |
| 股 外旋・内旋 | 膝蓋骨より下ろした垂直線 | 下腿中央線 | 45・45 |
| 膝 屈曲・伸展 | 大腿骨 | 腓骨 | 130・0 |
| 足 背屈・底屈 | 腓骨への垂直線 | 第5中足骨 | 20・45 |
手関節の軸の覚え方:屈伸=橈骨と第2中手骨(橈側の骨同士)、橈尺屈=前腕中央線と第3中手骨(真ん中同士)。股の回旋と足関節は「垂直線」が基本軸になるのが共通点。
基準はDanielsらの徒手筋力テスト。段階は5〜0の6段階で、順序尺度(段階の間隔は等しくない)。
| 段階 | 判定 | 検査の条件 |
|---|---|---|
| 5(Normal) | 最大抵抗に抗して全可動域 | 抗重力肢位で、運動する体節の遠位端に、運動と反対方向の抵抗 |
| 4(Good) | 強い〜中等度の抵抗に抗して全可動域 | 同上 |
| 3(Fair) | 重力に抗して全可動域(抵抗なし) | 抗重力肢位 |
| 2(Poor) | 重力の影響を除いた肢位で全可動域 | 重力除去肢位(運動面を床と平行にする) |
| 1(Trace) | 筋収縮は触知できるが関節運動なし | 触診で判定。腱や筋腹を触れる |
| 0(Zero) | 収縮も触知できない | 触診 |
抵抗は原則として運動する体節の遠位端。ただし代償を防ぐため、関節を2つまたがない位置にかける(例:肩外転は肘を越えず上腕遠位部、母指内転は基節骨)。抵抗の方向は常に運動の逆。
段階3を背臥位・腹臥位・側臥位のどれで行うかは「その運動が重力に逆らう向きになる体位」で決まる。段階2はその運動面を水平にした体位。迷ったら運動方向と重力の向きを図に描いて確かめる。
| 運動・筋 | 体位 | 抵抗・ポイント |
|---|---|---|
| 肩外旋(棘下筋・小円筋) | 腹臥位、肩外転90°・肘90°屈曲で前腕をベッド端から下垂 | 前腕遠位部に内旋方向の抵抗 |
| 肩外転(三角筋中部・棘上筋) | 座位 | 上腕遠位部(肘の直上)に内転方向 |
| 肩甲骨内転・下方回旋(菱形筋) | 腹臥位(段階3もこの体位) | 肩甲骨を外転・上方回旋方向へ押し戻す |
| 肘屈曲(上腕筋を主に見る) | 座位 | 前腕回内位で行う(上腕二頭筋は回外位、腕橈骨筋は中間位) |
| 母指内転(母指内転筋) | 座位 | 基節骨に外転方向 |
| 股屈曲・外転・外旋+膝屈曲(縫工筋) | 座位 | 膝外側と下腿遠位部(足関節の上)に逆方向の抵抗 |
| 運動 | 段階3 | 段階2 |
|---|---|---|
| 体幹屈曲 | 背臥位(上肢の位置で段階を分ける) | 背臥位で頭部・肩甲骨の持ち上がりを見る |
| 肩甲骨挙上 | 座位 | 腹臥位 |
| 肩屈曲 | 座位 | 側臥位(座位ではない) |
| 股外転 | 側臥位 | 背臥位 |
表に無い運動も、段階3=重力に逆らう体位/段階2=運動面を水平にした体位の原則で選べる。
| 筋 | 触診する場所 |
|---|---|
| 前鋸筋 | 中腋窩線付近の肋骨上(肩甲骨下角の前方)の筋腹 |
| 長橈側手根伸筋 | 第2中手骨底の背側の腱、または前腕近位橈側の筋腹 |
| 尺側手根屈筋 | 豆状骨の近位の腱 |
| 前脛骨筋 | 足関節前内側の腱・下腿前面の筋腹 |
段階1・0の問題は「その筋の腱がどこを通るか」で解く。屈筋は手掌側、伸筋は手背側、橈側・尺側は名前のとおり。
| テスト | 方法の要点 | 陽性で疑う筋 |
|---|---|---|
| Thomasテスト | 背臥位で一側の股・膝を胸に引き寄せる | 反対側の大腿が浮く=腸腰筋(大腰筋)の短縮 |
| Oberテスト | 側臥位で上側の股を伸展・外転し、内転させる | 大腿筋膜張筋(腸脛靱帯) |
| Elyテスト(尻上がり現象) | 腹臥位で膝を屈曲すると殿部が上がる | 大腿直筋 |
机上のコップへ手を伸ばす(肩屈曲で持ち上げる)=三角筋前部の求心性収縮。重力に逆らって持ち上げる局面は主動作筋の求心性、重力にまかせてゆっくり下ろす局面は同じ筋の遠心性収縮、と読む。
| 項目 | 測定部位 |
|---|---|
| 上肢長 | 肩峰〜中指先端(または橈骨茎状突起) |
| 上腕長 | 肩峰〜上腕骨外側上顆 |
| 前腕長 | 上腕骨外側上顆(橈骨頭)〜橈骨茎状突起 |
| 手長 | 橈骨茎状突起と尺骨茎状突起を結ぶ線の中点〜中指先端 |
| 手幅 | 第2〜第5中手骨頭の間 |
| 下肢長(棘果長) | 上前腸骨棘〜内果 |
| 転子果長 | 大転子〜外果 |
| 大腿長 | 大転子〜大腿骨外側上顆(または膝関節外側裂隙) |
| 下腿長 | 大腿骨外側上顆(膝関節外側裂隙)〜外果 |
| 上腕周径 | 上腕二頭筋の最大膨隆部(肘屈曲位・伸展位で測る) |
| 大腿周径 | 膝蓋骨上縁から一定の距離(5cm・10cmなど) |
周径は筋萎縮・浮腫の推移を見る指標。必ず同じ部位・同じ肢位で左右を比べる。
簡易上肢機能検査(STEF)は上肢の動作の速さを見る標準化された検査。大きさ・形の違う物品を移動させる10種類のサブテストからなる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 採点 | 各サブテストの所要時間を得点(0〜10点)に換算。左右それぞれ100点満点 |
| 判定 | 年齢階級別の正常域と比べる |
| 物品の例 | 大球・中球・大直方・中立方・木円盤・小立方・布・金円板・小球・ピン |
| 実施の注意 | 物品の置き方・移動の方向は検査手引きの規定どおりに設定する(左右の手で向きが変わる) |
「8種類」「50点満点」は誤りの定番。10種類・左右各100点・所要時間で採点の3点で覚える。