感覚検査は閉眼で行い、健側(正常部)と比べる。刺激は不規則な間隔・順序で与え、予測で答えさせない。
| 感覚 | 道具・方法 | 誤りやすい点 |
|---|---|---|
| 触覚 | 筆・ティッシュで軽く触れる。毛筆は四肢の長軸に沿って動かす | 長軸に直角になでる/一定のリズムで刺激する |
| 痛覚 | 安全ピン・ピンで軽く突く | ピンで「こする」 |
| 温度覚 | 温水(40〜45℃)と冷水(5〜10℃)の試験管を1〜2秒当てる | 氷・0℃を使う/10秒など長く当てる(痛覚として感じてしまう) |
| 振動覚 | 128Hz音叉を骨突出部に当て、振動が止まったら答えさせる | 軟部組織に当てる |
| 位置覚(関節覚) | 他動的に関節を動かし方向を答えさせる。手指は側面を持つ | 指の背側・掌側を持つ(圧の手がかりで分かってしまう) |
| 立体覚 | 手の中の物を触って当てさせる(鍵・硬貨など) | 鈴など音の出る物(聴覚で分かる) |
| 2点識別覚 | ノギス(ディスクリミネーター)で同時に2点を当てる | — |
| 触圧覚の閾値 | Semmes-Weinstein monofilament | — |
温度覚は「熱すぎ・冷たすぎは痛覚刺激になる」が出題の芯。痛覚で答えていないか注意して観察する。
開眼で立てるが閉眼で動揺が大きくなる=陽性。脊髄後索(深部感覚)障害で陽性。小脳性失調は開眼でも動揺し、閉眼での増悪が目立たない=陰性。
| 部位 | 神経根 | 末梢神経 |
|---|---|---|
| 母指・示指 | C6 | 正中神経(掌側)・橈骨神経(背側) |
| 中指 | C7 | 正中神経 |
| 小指 | C8 | 尺骨神経 |
| 前腕尺側 | C8 | 内側前腕皮神経 |
| 上腕内側 | T1 | 内側上腕皮神経 |
| 乳頭 | T4 | — |
| 臍 | T10 | — |
頸椎症性神経根症の上肢のしびれはその神経根のデルマトームに一致して帯状に出る。図の領域を見たら、母指側か小指側かで神経根を絞る。
| 障害 | 同側 | 反対側 |
|---|---|---|
| 脊髄半側切断(Brown-Séquard症候群) | 障害レベル以下の運動麻痺・深部感覚障害 | 障害レベル以下の温痛覚障害 |
理由:深部感覚(後索)は同側を上行して延髄で交叉、温痛覚(脊髄視床路)は脊髄に入ってすぐ交叉して反対側を上行する。身体図で「片側は運動と深部感覚、反対側は温痛覚」と分かれていたら半側障害。
| 舌の部位 | 味覚を伝える神経 |
|---|---|
| 前2/3 | 顔面神経(鼓索神経) |
| 後1/3 | 舌咽神経 |
末梢性顔面神経麻痺では麻痺側(同側)の舌前2/3の味覚が障害されうる。
| 検査 | 主に見る症状 |
|---|---|
| 指鼻試験・鼻指鼻試験 | 測定障害(測定異常)・企図振戦 |
| 踵膝試験(踵脛試験) | 下肢の測定障害・運動分解 |
| 前腕回内外試験・膝打ち試験 | 反復拮抗運動障害 |
| foot pat(足のタッピング) | 反復運動の拙劣さ(リズム・速さ) |
| 跳ね返り現象(rebound) | 急に抵抗を外すと止まれない=時間測定異常(運動の開始・停止の遅れ) |
| 継ぎ足歩行・継ぎ足立位 | 体幹失調(平衡障害) |
| Romberg試験 | 後索性(感覚性)失調の鑑別。小脳性では陰性 |
「鼻指鼻試験で反復拮抗運動障害を見る」のように検査と症状をずらした組合せが誤りの定番。反復拮抗=回内外・膝打ち、時間測定異常=跳ね返り、と対で覚える。
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| Ⅰ 刺激しなくても覚醒 | — |
| Ⅰ-1 | だいたい清明だが、今ひとつはっきりしない |
| Ⅰ-2 | 見当識障害がある |
| Ⅰ-3 | 自分の名前・生年月日が言えない |
| Ⅱ 刺激すると覚醒 | — |
| Ⅱ-10 | 普通の呼びかけで容易に開眼 |
| Ⅱ-20 | 大きな声または体を揺さぶることで開眼 |
| Ⅱ-30 | 痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼 |
| Ⅲ 刺激しても覚醒しない | — |
| Ⅲ-100 | 痛み刺激に払いのける動作 |
| Ⅲ-200 | 痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる |
| Ⅲ-300 | 痛み刺激に反応しない |
| 点 | E 開眼 | V 言語 | M 運動 |
|---|---|---|---|
| 6 | — | — | 命令に従う |
| 5 | — | 見当識あり | 疼痛部位を認識する(払いのける) |
| 4 | 自発的に開眼 | 混乱した会話 | 逃避(痛みから手足を引っ込める) |
| 3 | 呼びかけで開眼 | 不適当な言葉 | 異常屈曲(除皮質硬直) |
| 2 | 痛み刺激で開眼 | 理解不能の発声 | 伸展(除脳硬直) |
| 1 | 開眼しない | 発語なし | 動かさない |
JCSは数字が大きいほど重い、GCSは合計が小さいほど重い(最良15・最低3)。向きが逆なので取り違えない。軽度の意識障害の客観的な評価には脳波が使われる。
痰のある肺区域を上にして重力で流す。後上葉区(S2)=前傾側臥位が頻出。肺尖区(S1)=座位、前上葉区(S3)=背臥位。
| 検査 | 分かること・判定 |
|---|---|
| 反復唾液嚥下テスト(RSST) | 30秒間の空嚥下の回数。3回未満で陽性(嚥下障害の疑い) |
| 改訂水飲みテスト | 少量の冷水を飲ませ、むせ・呼吸の変化を見る |
| 嚥下造影検査(VF) | 造影剤を含む食物でX線透視。口腔〜食道の動きと誤嚥の有無が見える |
| 嚥下内視鏡検査(VE) | 鼻から内視鏡。声帯の動き・咽頭の残留を直接観察できる。被曝なし・ベッドサイドで可 |