第1章|恒常性・細胞・体液

生理学 第1章

1-1 恒常性(ホメオスタシス)

  • 体内環境(体温・pH・浸透圧・血糖など)を一定に保つしくみ=恒常性(ホメオスタシス)
  • 調節の主役は自律神経系(速い)と内分泌系(ゆっくり持続)。多くは負のフィードバックで安定させる
  • 正のフィードバックは例外的(例:分娩時のオキシトシン、血液凝固)

「体温調節は正のフィードバックによる」は誤り → 恒常性の維持は基本的に負のフィードバック

1-2 細胞膜と物質輸送

輸送エネルギー向き
単純拡散不要濃度の高→低O₂・CO₂・脂溶性物質
促通(促進)拡散不要高→低(担体を利用)グルコース(GLUT)
能動輸送必要(ATP)低→高(濃度に逆らう)Na⁺-K⁺ポンプ
浸透不要水が低張→高張へ細胞の膨潤・収縮
  • Na⁺-K⁺ポンプ:ATPを使いNa⁺を3個細胞外へ、K⁺を2個細胞内へ。膜電位と細胞内環境の維持に必須

「能動輸送はエネルギーを必要としない」は誤り → ATPが必要。濃度勾配に逆らって運ぶ。

1-3 体液と浸透圧

  • 体重の約60%が水分細胞内液2/3・細胞外液1/3(細胞外液=間質液+血漿)
  • 細胞内に多い陽イオン=K⁺、細胞外(血漿)に多い陽イオン=Na⁺
  • 血漿浸透圧は約290mOsm/L。おもにNa⁺で決まる。等張=生理食塩水(0.9%)・5%ブドウ糖

「細胞内に最も多い陽イオンはNa⁺」は誤り → 細胞内はK⁺、細胞外はNa⁺

1-4 体液のpHと酸塩基平衡

  • 動脈血pHは7.40±0.05で厳密に保たれる(7.35未満=アシドーシス、7.45超=アルカローシス)
  • 調節:緩衝系(重炭酸など・即時)→ 肺(CO₂排出・数分)→ 腎(HCO₃⁻・H⁺・数時間〜日)
  • 呼吸性(CO₂による)と代謝性(HCO₃⁻による)に分けて考える

「血液pHは中性の7.0前後」は誤り → 動脈血は弱アルカリ性の約7.4