理学療法士国試の難しい科目と対策
この記事の執筆者: 現役の理学療法士が、臨床経験と国家試験の出題傾向をもとに執筆・監修しています。
PT国試の合格率は80〜90%と高い。それでも毎年多くの受験生が「あの科目だけが怖い」と感じている。苦手科目を把握して集中対策することが、確実な合格への近道だ。
1. 受験生が苦手とする科目
| 順位 | 科目 | 苦手な理由 |
|---|
| 1位 | 運動学・バイオメカニクス | 計算・ベクトル・トルクなど理系的思考が必要 |
| 2位 | 内部障害(心肺・代謝) | 医学的知識が複雑で暗記量が多い |
| 3位 | 実地問題 | 臨床推論が問われ、暗記だけでは対応できない |
| 4位 | 神経解剖 | 脊髄路・脳幹核の3D的理解が難しい |
| 5位 | 関連法規・制度 | 似たような制度名や数字が多く混乱しやすい |
2. 運動学・バイオメカニクスの対策
毎年15〜20問出題される運動学は、PT国試の核心科目。関節のKinematicsとKineticsを混同しないことが第一歩だ。
攻略の核心 トルクの計算(力×モーメントアーム)は毎年必ず出る。数式を暗記するより「支点・力点・作用点」の図を自分で描いて理解するほうが応用が効く。第60回でも筋のモーメントアームに関する計算問題が出題された。
- 関節の自由度・運動軸(1軸・2軸・3軸)を各関節ごとに整理
- 歩行周期(初期接地〜遊脚終期)の各相で活動する筋を覚える
- 重心・支持基底面・安定性の関係を図式化して理解
- 過去問で反復演習が最も効果的
3. 内部障害の対策
心疾患・呼吸器・代謝疾患は医師国試レベルの知識を求める問題も出る。ここを得点源にできれば大きなアドバンテージになる。
- 心疾患:CPX(心肺運動負荷試験)の指標(AT・VO₂peak)の意味と正常値を覚える
- COPD:口すぼめ呼吸・体位ドレナージの理由を理解する
- 糖尿病:運動療法の禁忌(空腹時血糖250mg/dL以上など)は毎回出る
- 腎疾患:透析患者のリハビリ適応基準を整理しておく
4. 実地問題の攻略法
実地問題(午前・午後各20問、計40問)は症例提示をもとに評価・治療・管理を問う。単純暗記では太刀打ちできない。
実地問題の注意点 実地問題は1問3点配点(一般問題は1点)。40問×3点=120点が実地問題だけで占める。合格基準に実地問題の別基準もあり、ここを落としすぎると一般問題でいくら取っても不合格になる。
- 症例文を読む順番を決める(バイタル→診断→現在の状態→問いへ)
- 「この患者で最も適切な評価は?」→ 目的を先に特定する
- 過去問の実地問題を繰り返し解いて「典型パターン」を体に染み込ませる
5. 神経解剖の対策
- 脊髄路(皮質脊髄路・脊髄視床路・後索路)の交叉レベルを絶対に覚える
- Brown-Séquard症候群など脊髄半切症候群の感覚解離パターンを整理
- 脳神経12対の機能を頭文字で暗記するツールを活用
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※ 本記事は現役の理学療法士が執筆・監修しています。
最終更新: 2026年5月