理学療法士の年収・給与
この記事の執筆者: 現役の理学療法士が、臨床経験と実際の給与水準をもとに執筆・監修しています。
PTの年収は医療職の中では中程度。ただし「どこで」「どう働くか」で年収が100〜200万円変わることも珍しくない。仕事内容と給与のバランスを理解した上で職場を選ぶことが大切だ。
1. PT全体の年収水準
厚生労働省の統計や業界調査をもとにすると、PTの平均年収は約380〜450万円程度とされている。新卒と中堅では大きな差があり、施設の種類によっても異なる。看護師と比較すると基本給は低めだが、夜勤のないポジションも多く、ライフスタイルに合わせた働き方が選びやすい職業でもある。
| 経験年数 | 月収の目安(税込) | 年収の目安 |
| 新卒1〜2年目 | 22〜26万円 | 290〜350万円 |
| 3〜5年目 | 25〜32万円 | 340〜430万円 |
| 6〜10年目 | 28〜38万円 | 380〜500万円 |
| 管理職・主任クラス | 36〜50万円 | 470〜650万円 |
2. 施設別の給与傾向
| 施設種別 | 年収目安 | 特徴 |
| 急性期病院(公立・大学病院) | 400〜550万円 | 残業・on-call対応あり。昇給は年功序列型が多い。 |
| 回復期リハビリ病院 | 380〜500万円 | PT需要が高く安定。残業は比較的少ない。 |
| 老人保健施設・デイケア | 320〜420万円 | ゆとりあるペースで働ける施設も多い。介護保険下での給付制限あり。 |
| 訪問リハビリ | 350〜500万円 | 件数によるインセンティブ制があれば高収入も。体力・運転スキル必要。 |
| スポーツ分野(チームトレーナー等) | 250〜450万円(大きく幅あり) | やりがいは高いが求人が少なく競争激しい。複数の仕事を掛け持ちするケースも。 |
| クリニック・整形外科 | 300〜420万円 | 残業少ない場合が多い。外来中心で生活リズムが整えやすい。 |
PTは供給過多の時代に突入している
2000年代以降、養成校が急増しPTの数は急激に増えた。2030年代には需要と供給が逆転するとも言われており、専門性・個人のスキルが以前より問われる時代になっている。資格を取るだけでなく、何ができるPTかを積み上げることが重要。
3. 地域差の影響
東京・大阪など都市部は求人数が多く給与も高めだが、生活コストも高い。地方の病院は給与は下がる傾向があるが、宿舎・住宅手当で補填されている職場も多く、実質的な生活水準は大差ないことも。地方の公立病院は給与安定・福利厚生が手厚いケースがある。
4. 収入を上げる現実的な方法
- 専門分野を深める — 「認定理学療法士」や「専門理学療法士」(日本理学療法士協会認定)は、専門性の証明になり職場によっては手当が付く。
- 転職市場を活用する — 3〜5年の経験を積んだ後、転職で年収アップを狙うPTは多い。転職エージェントへの登録で非公開求人や給与交渉サポートが受けられる。
- 訪問リハビリでインセンティブを稼ぐ — 件数が増えるほど収入が上がる仕組みの職場では、積極的に件数を増やすことで年収500万円台も視野に入る。
- 副業・セミナー講師・YouTube — 専門知識を活かしたセミナー講師や動画発信で収入を補うPTが増えている。ただし本業の職場のルール確認は必須。
💡 現場の本音: 「PTは給与が低い」という声をよく聞く。確かに供給過多の影響で上昇しにくい面はある。一方、「ヒザが痛くて歩けなかった人が退院時に自力歩行できるようになった」という瞬間のやりがいは、この仕事を続ける根拠になっている。長く続けるほど「何でも診られるPT」になれる職種だと思う。
⚠️ よくある誤解
- 「PTは供給過多だからもう需要がない」→ 高齢化による嚥下・転倒予防・在宅リハへの需要は伸び続けている。専門性がある人材への需要はむしろ高い。
- 「大病院が一番いい」→ 大規模病院は件数が多く経験は積めるが、給与は必ずしも高くない。自分が何を学びたいかで選ぶ方が長期的には正解。
- 「最初の職場でキャリアが決まる」→ 転職は普通のことになっている。最初の3〜5年は「経験の質」を優先する方がキャリア全体でプラスになる。
まずは国試合格から
PTとしてのキャリアはすべて国家試験合格から始まる。PTカコモンで過去問演習を始めよう。
無料で演習する
※ 本記事は現役の理学療法士が執筆・監修しています。給与データは公的統計・業界調査をもとにした目安です。
最終更新: 2026年5月