理学療法評価学 国試対策ガイド
この記事の執筆者: 現役の理学療法士が、臨床経験と国家試験の出題傾向をもとに執筆・監修しています。
評価学は理学療法の出発点。ROM・MMT・バランス・歩行評価の手技と数値基準を正確に覚えることが、臨床でも国試でも必須です。
1. 関節可動域(ROM)測定
日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の基準による。基本軸・移動軸・参考可動域(ROMの正常値)を覚えること。
| 関節 | 運動方向 | 基本軸 | 参考値 |
|---|
| 肩関節 | 屈曲 | 体幹 | 180° |
| 肘関節 | 屈曲 | 上腕骨 | 145° |
| 股関節 | 屈曲(膝屈曲位) | 体幹 | 125° |
| 膝関節 | 屈曲(腹臥位) | 大腿骨 | 130° |
| 足関節 | 背屈 | 腓骨 | 20° |
ROM測定の注意点 ①代償運動を防ぐための固定②エンドフィールの記録(弾性・硬性・空虚性)③疼痛を避けた測定④左右比較。肩関節屈曲は「前腕中間位」・股関節外旋は「腹臥位で膝屈曲位」が測定肢位として頻出。
2. 徒手筋力検査(MMT)
| 段階 | 基準 |
|---|
| 5(Normal) | 重力・最大抵抗に抗して全可動域 |
| 4(Good) | 重力・中等度の抵抗に抗して全可動域 |
| 3(Fair) | 重力に抗して全可動域(抵抗なし) |
| 2(Poor) | 重力除去位で全可動域 |
| 1(Trace) | わずかな収縮のみ |
| 0(Zero) | 収縮なし |
3. バランス評価
- Berge Balance Scale(BBS):14項目56点満点。45点以下で転倒リスク高。立ち上がり・立位保持・一脚立位などを評価。
- Functional Reach Test(FRT):立位で上肢を前方に最大リーチした距離。15cm以下で転倒リスク増加。
- Timed Up and Go Test(TUG):椅子から立ち上がり3m歩行して戻る時間。13.5秒以上で転倒リスクの目安(カットオフ値は研究で異なる)。
4. 歩行評価
| 評価指標 | 定義・基準値 |
|---|
| 歩行速度 | 快適歩行速度:健常成人1.2〜1.4m/s。0.8m/s未満で地域活動制限。 |
| 10m歩行テスト | 10mの歩行時間・歩数・歩行速度を計測 |
| 6分間歩行テスト | 6分間で歩行できる最大距離。心肺機能・運動耐容能の指標 |
| 2ステップテスト | 2歩で進む距離/身長。ロコモ判定に使用 |
⚠️ よくある誤解
- 「MMT3は歩行に支障がない」→ MMT3は重力に抗せるが抵抗には負ける。歩行には最低3以上が必要だが、速度・安全性は低下している。
- 「BBS満点なら転倒しない」→ BBSは静的・動的バランスを評価するが、環境要因・認知機能・薬剤の影響は反映されない。
- 「ROM正常値は全例同じ」→ 年齢・性別・利き手によって個人差がある。左右差を含めた臨床的解釈が重要。
評価学の過去問を解いてみよう
ROM・MMT・バランス・歩行評価の問題をPTカコモンで実際に解いてみましょう。
無料で演習する
※ 本記事は現役の理学療法士が執筆・監修しています。
最終更新: 2026年5月