呼吸器・循環器疾患 PT国試対策ガイド

理学療法のリハビリ
この記事の執筆者: 現役の理学療法士が、臨床経験と国家試験の出題傾向をもとに執筆・監修しています。

内部障害(呼吸器・循環器)はPT国試で近年出題が増加しているテーマ。運動中止基準・心臓リハビリの適応・呼吸理学療法の手技は確実に押さえたい。リスク管理の問題は特に実地問題で問われやすい。

1. 心臓リハビリテーション

心疾患(心筋梗塞・心不全・狭心症等)に対するリハビリ。運動耐容能の改善・再発予防・QOL向上を目標とする。PTが処方するのは「有酸素運動+筋力強化訓練」の組み合わせが基本だ。

評価・指標内容
6分間歩行テスト(6MWT)6分間で歩ける最大距離を測定。心肺機能・運動耐容能の簡便な評価。400m以下は予後不良の目安。
AT(嫌気性代謝閾値)運動強度の設定に使用。ATレベルの運動が安全で効果的な有酸素運動の目安。
Borg スケール自覚的運動強度(11〜13が快適な運動強度の目安)。心臓リハでの運動強度モニタリングに使用。
NYHA心機能分類I〜IVの4段階。日常生活動作での症状の程度を分類。リハビリの適応・強度の目安になる。

2. 運動中止基準(心臓リハビリ)

リスク管理はPT国試の実地問題で必ず問われる。以下の基準を確実に覚えること。

絶対的中止基準(即座に運動を止める)
指標中止基準の目安
心拍数安静時から30拍/分以上の増加、または120拍/分超(条件による)
血圧(収縮期)200mmHg以上、または10mmHg以上の低下
SpO₂90%以下への低下(または安静時から3〜4%以上の低下)
Borgスケール15以上(きつい)への訴え

3. COPDと呼吸理学療法

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は肺気腫・慢性気管支炎が主体の閉塞性換気障害。タバコが最大のリスク要因で、「1秒率(FEV1/FVC)70%未満」が診断基準。PTが行う呼吸理学療法を整理する。

手技目的と方法
口すぼめ呼吸気道内圧を高め、呼気時の気道虚脱を防ぐ。COPDの代表的な自己管理手技。
腹式呼吸訓練横隔膜の動きを増大させ、換気効率を改善する。
排痰法(体位ドレナージ・スクイージング)体位を変換しながら重力と胸郭への圧迫で痰を排出しやすくする。
呼吸筋強化訓練吸気筋トレーナー(threshold IMT)を使用して吸気筋力を強化する。
有酸素運動(歩行・自転車エルゴメーター)運動耐容能の向上・息切れの改善。COPD管理の中核。
GOLD分類(COPDの重症度) 1秒量(FEV1)の予測値に対する割合でI〜IVに分類。 Grade I(軽症):80%以上、Grade II(中等症):50〜80%、Grade III(重症):30〜50%、Grade IV(最重症):30%未満。

4. 術後呼吸管理(周術期リハビリ)

外科手術後の肺合併症(無気肺・肺炎)予防はPTの重要な役割。特に開腹・開胸手術後や高齢者では術後肺合併症のリスクが高い。

💡 臨床メモ: 心臓リハビリで「Borgスケール13(ちょっとつらい)」と「15(つらい)」の違いを患者さんに実感してもらうのは、思ったより難しい。「会話が普通にできる程度」という言い方が、現場では一番伝わりやすいと感じている。

⚠️ よくある誤解

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※ 本記事は現役の理学療法士が執筆・監修しています。
最終更新: 2026年5月