脳血管疾患 PT国試対策ガイド

理学療法のリハビリ
この記事の執筆者: 現役の理学療法士が、臨床経験と国家試験の出題傾向をもとに執筆・監修しています。

脳血管疾患はPT国試で毎回多数出題される最重要科目。特に片麻痺の評価(Brunnstrom Stage)・FIM・歩行補助具の選択・各期のリハビリアプローチを整理することが合格への近道だ。

1. 脳卒中の基礎知識

脳卒中は脳梗塞・脳出血・くも膜下出血に分類される。PTが関わる最も多い後遺症は片麻痺だが、感覚障害・失語・高次脳機能障害・嚥下障害を合併することも多い。リハビリの目標と内容は「発症からの時期」と「麻痺の重症度」によって大きく変わる。

時期目標PTのアプローチ
急性期(発症〜2週間)廃用症候群予防・早期離床ベッドサイドでの関節可動域訓練・座位保持訓練・早期立位
回復期(〜6か月)機能回復の最大化歩行訓練・ADL訓練・装具療法・強度の高い反復訓練
生活期(6か月以降)生活機能の維持・QOL向上在宅での訓練・転倒予防・社会参加支援

2. Brunnstrom Recovery Stage(BRS)

脳卒中後の運動機能回復を6段階で評価するスケール。上肢・手指・下肢の3部位それぞれについてStage I〜VIで評価する。国試では「このStageでできること」と「次のStageへの移行条件」が問われる。

Stage状態特徴
I弛緩性麻痺随意運動なし。筋緊張もない。
II痙縮出現・連合反応随意運動はまだ不可。共同運動パターンの萌芽。
III共同運動(随意的)随意的に共同運動が可能。痙縮最大。
IV共同運動からの逸脱(一部)共同運動から部分的に離れた運動が可能になり始める。
V共同運動からの独立共同運動パターンを超えた動きが可能。分離運動の発現。
VI正常に近い運動ほぼ正常。スピードと協調性に問題が残る場合あり。
国試頻出ポイント BRS Stage IIIで「肩関節は屈曲・外転が困難」「膝関節は股関節と連動してのみ屈曲可能」という共同運動の特徴が問われる。StageごとのADL能力と装具の選択もセットで覚えよう。

3. 主な評価ツール

評価名特徴
FIM(機能的自立度評価法)ADLを18項目7段階で評価。運動13項目+認知5項目。126点満点。リハビリの効果測定・退院先の判断に広く使用。
Barthel Index(BI)ADLを10項目100点満点で評価。FIMより項目が少なくシンプル。
SIAS(脳卒中機能評価法)国内で開発。運動・感覚・関節可動域・疼痛・体幹・バランスなど多面的評価。
10m歩行テスト歩行速度を測定。6〜14m/分:施設内歩行、54m/分以上:地域内歩行が目安。
TUG(Timed Up and Go test)椅子から立ち上がり3m歩き戻るまでの時間。12秒超で転倒リスク高。

4. 歩行補助具と装具の選択

「どのStageで何を使うか」は事例問題の定番テーマ。

補助具・装具適応の目安
短下肢装具(AFO)下垂足・痙縮のある尖足の矯正。回復期から生活期まで広く使用。
プラスチックAFO(固定型)踵接地が困難な重度片麻痺。足関節を固定して安定した歩行を確保。
ゲートソリューションデザイン(GSD)等の動的AFO軽度〜中等度の片麻痺。底屈方向の制御のみで背屈は許容。より自然な歩行が可能。
四点杖・T字杖BRS Stage IV〜Vで安定した立位が取れる場合。T字杖は健側に持つ。
歩行器両手での支持が必要な段階。

5. 主な治療アプローチ

💡 臨床メモ: 「Brunnstrom Stage Ⅲの患者さんへの介入で何が一番効くか」という問いに、教科書的な答え以外の側面があると思っている。患者本人が「また歩きたい」という意欲を持っているかどうかが、回復速度に大きく関わる。評価と同時にモチベーションの確認と維持も大切なPTの仕事だ。

⚠️ よくある誤解

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※ 本記事は現役の理学療法士が執筆・監修しています。
最終更新: 2026年5月