第54回 理学療法士国家試験 午前 第79問
臨床心理学第54回午前
ライフステージにおける成人期後期(50〜60歳ころ)の特徴で適切なのはどれか。
1. 親しい人の死を経験し、自分の死についても受容的になる。
2. 心理社会的な猶予期間(モラトリアム)といえる時期である。
3. 仕事や家庭を持つようになり、社会人としての成長をみせる。
4. 経験の蓄積により判断力は向上を続けるが記憶力は低下を示す。
5. 社会的役割の減少や身体的不自由など多くの喪失体験がみられる。
- 1. 親しい人の死を経験し、自分の死についても受容的になる。
- 2. 心理社会的な猶予期間(モラトリアム)といえる時期である。
- 3. 仕事や家庭を持つようになり、社会人としての成長をみせる。
- 4. 経験の蓄積により判断力は向上を続けるが記憶力は低下を示す。 ✓
- 5. 社会的役割の減少や身体的不自由など多くの喪失体験がみられる。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 経験の蓄積により判断力は向上を続けるが記憶力は低下を示す。
成人期後期(50〜60歳ころ)は、長年の経験により結晶性知能(判断力・推理力)は維持・向上する一方で、流動性知能(処理速度・記憶力)は低下する時期です。この認知機能の特性変化が成人期後期の典型的な特徴として捉えられます。
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【各選択肢の解説】
1. 親しい人の死を経験し、自分の死についても受容的になる。
❌ 誤り。死への受容的態度は老年期後期(70歳以降)の特徴であり、成人期後期では社会的活動が最も活発な時期です。
2. 心理社会的な猶予期間(モラトリアム)といえる時期である。
❌ 誤り。モラトリアムは青年期(15〜25歳ころ)の特徴で、社会的役割の決定前の猶予期間を示します。
3. 仕事や家庭を持つようになり、社会人としての成長をみせる。
❌ 誤り。これは成人期前期(25〜40歳ころ)の特徴であり、成人期後期はすでに仕事・家庭の責任が確立している段階です。
4. 経験の蓄積により判断力は向上を続けるが記憶力は低下を示す。
✅ 正しい。結晶性知能の維持と流動性知能の低下は成人期後期の認知発達の特徴です。
5. 社会的役割の減少や身体的不自由など多くの喪失体験がみられる。
❌ 誤り。社会的役割や身体機能の喪失は老年期(65〜75歳以降)の特徴であり、成人期後期は職務上の責任が最大となる時期です。
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【試験対策ポイント】
• 結晶性知能(判断力・推理):加齢で維持・向上、流動性知能(処理速度・記憶):加齢で低下
• モラトリアム=青年期、喪失体験=老年期との混同を避ける
• ライフステージの各段階と認知機能変化の対応関係を整理