第55回 理学療法士国家試験 午前 第82問
神経疾患理学療法第55回午前
脳の病変部位と出現しやすい症候との組合せで正しいのはどれか。
1. 黒質 ─── 感覚障害
2. 視床 ─── 嗅覚障害
3. 赤核 ─── 摂食嚥下障害
4. 線条体 ─── 不随意運動
5. 扁桃体 ─── 筋緊張異常
- 1. 黒質 ─── 感覚障害
- 2. 視床 ─── 嗅覚障害
- 3. 赤核 ─── 摂食嚥下障害
- 4. 線条体 ─── 不随意運動 ✓
- 5. 扁桃体 ─── 筋緊張異常
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 線条体 ─── 不随意運動
線条体(尾状核と被殻)はドパミン神経系の主要な受け取り部位であり、損傷するとパーキンソン病やハンチントン病など不随意運動が出現しやすい。
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【各選択肢の解説】
1. 黒質 ─── 感覚障害
❌ 誤り。黒質はドパミン産生神経細胞の集団であり、病変すると運動障害(パーキンソン症状)が生じます。感覚障害ではなく、寡動や振戦が特徴です。
2. 視床 ─── 嗅覚障害
❌ 誤り。視床は全ての感覚情報(嗅覚除く)の中継核ですが、嗅覚情報は嗅球から直接大脳皮質へ投射されるため嗅覚障害には関連しません。視床損傷は対側の感覚障害や視床痛を引き起こします。
3. 赤核 ─── 摂食嚥下障害
❌ 誤り。赤核はルブロ脊髄路を介して運動制御に関与し、損傷すると対側の意図振戦や運動失調が生じます。摂食嚥下障害は延髄の核(迷走神経背側核など)の病変で起こります。
4. 線条体 ─── 不随意運動
✅ 正しい。線条体は基底核の入力核であり、ドパミン神経支配下で運動計画を調整します。病変するとハンチントン舞踏病、パーキンソン病、ジストニアなど様々な不随意運動が出現します。
5. 扁桃体 ─── 筋緊張異常
❌ 誤り。扁桃体は辺縁系に属し、情動記憶や恐怖反応に関与します。筋緊張異常は線条体や脳幹部の障害で生じます。
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【試験対策ポイント】
・線条体(尾状核+被殻):ドパミン作用部位。パーキンソン症状やハンチントン舞踏病の責任病変
・視床:嗅覚除く全感覚の中継。損傷で対側感覚障害
・赤核:ルブロ脊髄路経由で運動制御。損傷で意図振戦・失調