第56回 理学療法士国家試験 午前 第65問
生理学第56回午前
心臓について正しいのはどれか。
1. 冠動脈の血流は収縮期に増加する。
2. 左心房と左心室は同時に収縮が始まる。
3. 心筋は伸張されると収縮力が低下する。
4. 心筋の収縮はH⁺の細胞内流入により生じる。
5. ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加させる。
- 1. 冠動脈の血流は収縮期に増加する。
- 2. 左心房と左心室は同時に収縮が始まる。
- 3. 心筋は伸張されると収縮力が低下する。
- 4. 心筋の収縮はH⁺の細胞内流入により生じる。
- 5. ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加させる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加させる。
ノルアドレナリンは交感神経の神経伝達物質で、α1受容体およびβ1受容体を刺激することで心筋収縮力を増加させます。これは正の変力作用(inotropic effect)として知られています。
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【各選択肢の解説】
1. 冠動脈の血流は収縮期に増加する。
❌ 誤り。冠動脈の血流は拡張期に増加します。収縮期は心筋の収縮により冠動脈が圧迫されるため血流が減少します。
2. 左心房と左心室は同時に収縮が始まる。
❌ 誤り。左心房は左心室より先に収縮します。房室結節での刺激伝導により、心房収縮後に心室が収縮する順序が保たれています。
3. 心筋は伸張されると収縮力が低下する。
❌ 誤り。心筋は伸張されると収縮力が増加します(Frank-Starling機構)。これは心筋線維が伸張されることで、アクチンとミオシン間のクロスブリッジ形成が最適化されるためです。
4. 心筋の収縮はH⁺の細胞内流入により生じる。
❌ 誤り。心筋収縮はCa²⁺(カルシウムイオン)の細胞内流入により生じます。L型カルシウムチャネルからのCa²⁺流入が心筋興奮収縮連関の鍵となります。
5. ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加させる。
✅ 正しい。交感神経刺激時に放出されるノルアドレナリンにより、心拍数・収縮力・伝導速度が全て増加します。
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【試験対策ポイント】
- 冠動脈血流は拡張期に増加(収縮期は圧迫される)
- Frank-Starling機構:前負荷増加→収縮力増加
- 心筋収縮の主役はCa²⁺(H⁺ではない)
- ノルアドレナリン=交感神経作用=心機能増加