PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第59回 理学療法士国家試験 午後 第78問

神経内科学第59回午後

第59回 理学療法士国家試験 午後 第78問(神経内科学)の正答は 1 です。Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)は幼児期(3〜5歳頃)に発症し、進行性の筋力低下を呈する遺伝性疾患です。

問題
Duchenne型筋ジストロフィーで正しいのはどれか。
  1. 1. 学童期に発症する。
  2. 2. 心筋障害はまれである。
  3. 3. 下肢に伸展拘縮をきたす。
  4. 4. 常染色体劣性遺伝である。
  5. 5. 筋形質膜にジストロフィン蛋白がみられる。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 幼少期に発症する。

Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)は幼児期(3〜5歳頃)に発症し、進行性の筋力低下を呈する遺伝性疾患です。X連鎖劣性遺伝であり、主に男児が罹患します。動揺性歩行や登攀性起立(Gowers徴候)が特徴的な初発症状です。


【各選択肢の解説】

1. 幼少期に発症する。
✅ 正しい。DMDは通常3〜5歳の幼少期に発症し、転びやすい、階段昇降困難、走れないなどの下肢筋力低下で気づかれます。10歳前後で歩行不能となり、20歳前後で呼吸不全・心不全をきたします。
2. 心筋障害はまれである。
❌ 誤り。DMDでは心筋症が高頻度に合併し、進行とともに心不全・不整脈の原因となります。呼吸筋麻痺と並び重要な予後規定因子です。
3. 下肢に伸展拘縮をきたす。
❌ 誤り。DMDでは下肢に尖足・股関節屈曲拘縮・膝関節屈曲拘縮などが生じます。伸展拘縮ではなく屈曲拘縮が特徴です。
4. 常染色体劣性遺伝である。
❌ 誤り。DMDはX連鎖劣性遺伝です。ジストロフィン遺伝子はX染色体短腕(Xp21)上に位置し、保因者は母親、発症するのは主に男児です。
5. 筋形質膜にジストロフィン蛋白がみられる。
❌ 誤り。DMDではジストロフィン遺伝子の欠失・変異により、筋形質膜のジストロフィン蛋白が著減または欠落しています。免疫組織化学染色で陰性となることが診断の根拠となります。なお、軽症型のBecker型筋ジストロフィーでは部分的に発現が保たれます。

【試験対策ポイント】

  • DMDはX連鎖劣性遺伝(男児に発症)、発症年齢3〜5歳
  • 初発症状:Gowers徴候(登攀性起立)、動揺性歩行、腓腹筋の仮性肥大
  • 血清CK高値(数千〜数万 IU/L)
  • ジストロフィン蛋白欠落(DMD)/部分的発現(Becker型)
  • 予後規定因子:心筋症と呼吸筋麻痺
  • 下肢は屈曲拘縮・尖足(伸展拘縮ではない)
✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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