第60回 理学療法士国家試験 午後 第99問
臨床心理学第60回午後
うつ病の症状はどれか。
1. 観念奔逸
2. 誇大妄想
3. 思考奪取
4. 思考途絶
5. 無価値感
- 1. 観念奔逸
- 2. 誇大妄想
- 3. 思考奪取
- 4. 思考途絶
- 5. 無価値感 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 無価値感
うつ病(depressive disorder)の典型的な症状は、**抑うつ気分**・**興味・喜びの喪失**(anhedonia)・**無価値感・罪悪感**・**疲労感**・**集中力低下**・**睡眠障害**などです。「無価値感」は抑うつ症状の中心的な認知的症状で、患者が自分の存在価値を感じられなくなる状態です。
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【各選択肢の解説】
1. 観念奔逸
❌ 誤り。思考が加速し、次々と新しい考えが浮かぶ。躁病・躁状態の症状。うつ病では思考が遅延・停滞します。
2. 誇大妄想
❌ 誤り。自分の力・能力を過大評価する妄想。躁病・統合失調症の症状。うつ病では逆に自己評価が低下。
3. 思考奪取
❌ 誤り。自分の思考が外部から奪われていると感じる妄想型の症状。統合失調症の特徴。
4. 思考途絶
❌ 誤り。思考が突然中断されると感じる現象。統合失調症の思考障害の一つ。
5. 無価値感
✅ 正しい。自分に価値がない、存在意義がないという絶望的で否定的な認知。うつ病の典型症状で、自殺危険性を高める重要なサイン。
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【試験対策ポイント】
うつ病の主症状(DSM-5診断基準より):
- **中核症状**:抑うつ気分・興味喜悦感の喪失
- **認知症状**:
- 無価値感・罪悪感(過度な)
- 集中力・決定困難
- 死についての反復的思考・自殺念慮
- **身体症状**:
- 疲労感・倦怠感
- 睡眠障害(不眠・過眠)
- 食欲変化・体重変化
- **精神運動障害**:
- 精神運動制止(遅延)または激越
躁病との鑑別:
| 症状 | うつ病 | 躁病 |
|------|---------|------|
| 気分 | 抑抑鬱 | 過度に高揚・易刺激性 |
| 思考 | 遅延・停滞 | 奔逸(観念奔逸) |
| 自己評価 | 低下・無価値感 | 誇大妄想 |
| 活動性 | 低下・遅延 | 亢進・過活動 |
うつ病患者への接し方は、共感と傾聴を重視し、「無価値感」の訴えに対しては医療者が軽視せず、自殺危険性を常に念頭に置く必要があります。