第61回 理学療法士国家試験 午後 第29問
生理学第61回午後
運動時のエネルギー供給で正しいのはどれか。\n1. クレアチンリン酸系では乳酸が蓄積する。\n2. 運動開始後最初に使われるのは解糖系である。\n3. 長時間の運動では無酸素性エネルギーに依存する。\n4. 有酸素性エネルギー供給は大量のATPを生産できる。\n5. 嫌気性代謝閾値〈AT〉とは血中乳酸濃度が低下する点である。
- 1. クレアチンリン酸系では乳酸が蓄積する。
- 2. 運動開始後最初に使われるのは解糖系である。
- 3. 長時間の運動では無酸素性エネルギーに依存する。
- 4. 有酸素性エネルギー供給は大量のATPを生産できる。 ✓
- 5. 嫌気性代謝閾値〈AT〉とは血中乳酸濃度が低下する点である。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 有酸素性エネルギー供給は大量のATPを生産できる。
有酸素性代謝は糖質や脂肪をクエン酸回路と電子伝達系を通じて完全に酸化するため、無酸素系と比べて圧倒的に多くのATPを生産できます。1分子のグルコースから有酸素条件では約30~32ATP、無酸素条件では2ATPしか生産されません。
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【各選択肢の解説】
1. クレアチンリン酸系では乳酸が蓄積する。
❌ 誤り。クレアチンリン酸系はADPにリン酸を供与してATPを再生するシステムで、乳酸を産生しません。乳酸は解糖系の嫌気的代謝で生じます。
2. 運動開始後最初に使われるのは解糖系である。
❌ 誤り。運動開始直後はリン酸クレアチン系が最初に作動します。その後解糖系、さらに有酸素系へと順次作動します。
3. 長時間の運動では無酸素性エネルギーに依存する。
❌ 誤り。長時間運動は持続的なエネルギー供給が必要なため、有酸素性代謝に依存します。無酸素系は短時間の高強度運動に使われます。
4. 有酸素性エネルギー供給は大量のATPを生産できる。
✅ 正しい。有酸素代謝は酸素を利用して完全酸化するため、最も効率的にATPを大量生産できます。
5. 嫌気性代謝閾値〈AT〉とは血中乳酸濃度が低下する点である。
❌ 誤り。ATは血中乳酸濃度が上昇に転じる点(通常4mmol/L)です。乳酸が低下する点ではなく増加する点が閾値です。
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【試験対策ポイント】
• 運動開始順序:クレアチンリン酸系 → 解糖系 → 有酸素系
• 有酸素代謝:グルコース1分子あたり約30~32ATP生産
• AT(嫌気性代謝閾値):血中乳酸≧4mmol/Lで定義される