4語はすべて別物。国試では言い換えて出るので定義で切る。
| 用語 | 意味 | 代表例 |
|---|---|---|
| 発達 development | 受精から死までの心身の変化の全過程。量的変化と質的変化の両方を含む | 寝返り→歩行、老年期の機能低下も含む |
| 成長 growth | 形態の量的な増大。測れる | 身長・体重・頭囲の増加 |
| 成熟 maturation | 遺伝的プログラムに沿った質的変化。経験・練習によらない | 髄鞘化、二次性徴 |
| 学習 learning | 経験・練習による行動の比較的永続的な変容 | 箸の操作、歩行の巧緻化 |
現在の発達心理学は生涯発達(life-span development)の立場。発達=上昇変化だけではなく、老年期の下降変化も発達に含める。「発達は青年期で終わる」は誤り。
臨界期の存在(1-5)を加えて6原則とすることもある。「発達は個人差があるので順序も入れ替わる」は誤り——入れ替わるのは時期であって順序ではない。
| 向き | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 頭尾方向 | 頭側→尾側へ | 定頸(3〜4か月)→座位→歩行。首が据わる前に立つことはない |
| 近位遠位方向 | 体幹・中枢→末梢へ | 肩・肘の制御→手関節→手指のつまみ。体幹が安定して初めて手先が使える |
| 粗大→微細 | 大きな動き→細かい動き | 腕全体でつかむ→母指と示指でつまむ |
| 全体→特殊(分化) | 未分化な全身反応→部分的・目的的な運動 | 新生児の全身のばたつき→リーチング |
理学療法の治療展開もこの向きに従う。近位(体幹)の安定なしに遠位(手指)の巧緻性は出ない——姿勢制御を先に整えるのはこの原理による。
| 説 | 主張 | キーワード |
|---|---|---|
| 成熟優位説 | 発達は主に内的な成熟で決まる。成熟前の訓練は無効 | レディネス、双生児の階段のぼり実験 |
| 環境優位説 | 経験・学習がすべてを決める(行動主義) | 条件づけ |
| 輻輳説 | 遺伝と環境が加算的に働く | 足し算モデル |
| 環境閾値説 | 特性ごとに、発現に必要な環境の水準(閾値)が異なる | 身長・発語=閾値が低く劣悪な環境でも現れる/絶対音感・外国語の発音=閾値が高く恵まれた環境が要る |
| 相互作用説 | 遺伝と環境が互いに影響しあう。現在の主流 | 掛け算モデル |
言語獲得の臨界期は「3歳ころ」ではない。一般に思春期(青年期)ころまでとされる。3歳・6歳といった数字を臨界期として選ばせる誤答肢が頻出。
| 段階 | 年齢 | 備考 |
|---|---|---|
| 胎芽期 | 受精〜8週 | 器官形成期。催奇形性が最大 |
| 胎児期 | 8週〜出生 | 器官の成長・機能成熟 |
| 新生児期 | 生後28日(4週)未満 | うち生後7日未満=早期新生児期 |
| 乳児期 | 28日〜1歳未満 | 母子保健法では「1歳に満たない者」=乳児 |
| 幼児期 | 1歳〜就学前(約6歳) | 母子保健法では「小学校就学の始期に達するまで」 |
| 学童期 | 6〜12歳 | — |
| 青年期 | 12歳〜20代前半 | 思春期を含む |
| 成人期 | 20代〜65歳 | — |
| 老年期 | 65歳以上 | 65〜74=前期高齢者、75〜=後期高齢者 |
低出生体重児=2,500g未満/極低出生体重児=1,500g未満/超低出生体重児=1,000g未満。早産児は修正月齢(出産予定日から数えた月齢)で発達を評価するのが原則。
| 指標 | 出生時 | その後の目安 |
|---|---|---|
| 体重 | 約3.0kg | 3〜4か月で2倍、1歳で3倍、3〜4歳で4倍 |
| 身長 | 約50cm | 1歳で1.5倍(75cm)、4〜5歳で2倍(100cm) |
| 頭囲・胸囲 | 頭囲33cm>胸囲32cm | 1歳ころに等しくなり、以後は胸囲>頭囲 |
| 大泉門 | 開いている | 1歳〜1歳半(〜2歳)で閉鎖。膨隆=頭蓋内圧亢進、陥没=脱水 |
| 小泉門 | ごく小さい | 生後まもなく〜6週で閉鎖 |
| 乳歯 | なし | 6〜8か月に下顎乳中切歯から萌出、2〜3歳で20本そろう。永久歯は6歳ころから計32本 |
| 頭身 | 4頭身 | 2歳5頭身、6歳6頭身、成人7〜8頭身 |
| 型 | 器官 | パターン |
|---|---|---|
| 神経型 | 脳・脊髄・頭囲・感覚器 | 最も早い。4〜6歳で成人の80〜90%、12歳でほぼ100% |
| リンパ型 | 胸腺・扁桃・リンパ節 | 12歳ころに成人の約2倍(190%前後)まで達し、その後低下する |
| 一般型 | 身長・体重・骨格・筋・呼吸器・消化器 | S字型。乳児期と思春期の2回急伸 |
| 生殖型 | 精巣・卵巣・子宮 | 思春期以降に急増 |
体格指数は年齢で使い分ける。乳幼児=カウプ指数〔体重(g)÷身長(cm)の2乗×10、正常15〜18〕/学童=ローレル指数〔体重(kg)÷身長(cm)の3乗×10の7乗、標準115〜145、160以上で肥満〕/成人=BMI。
| 月齢・年齢 | 粗大運動 | 微細運動 | 言語 | 社会性 |
|---|---|---|---|---|
| 0〜2か月 | 腹臥位で頭を少し挙上 | 把握反射 | 叫喚・クーイング | 生理的微笑 |
| 3〜4か月 | 定頸(首すわり) | 180度追視、正中位で手を合わせる | クーイング盛ん | 社会的微笑 |
| 5〜6か月 | 寝返り | 手掌全体でつかむ(尺側把握) | 喃語(6か月ころ) | 親の顔を見分ける |
| 7〜8か月 | 支えなし座位 | 熊手状把握、持ち替え | 反復喃語(ばばば) | 人見知り |
| 9〜10か月 | 四つ這い、つかまり立ち | 母指と示指の指腹つまみ | 言語的意味理解(10か月ころ) | 指さし・共同注意、分離不安 |
| 12か月 | 伝い歩き〜独歩 | ピンセットつまみ、なぐり書き | 初語(有意味語)=1歳前後 | 後追い |
| 2歳 | 走る、階段を2足1段 | 積木6個、円をまねる | 二語文=2歳前後 | 平行遊び |
| 3歳 | 片足立ち、三輪車 | 円を模写 | 多語文、氏名が言える | 連合遊び |
| 4〜5歳 | 片足跳び(4歳)、スキップ(5歳) | 四角(4歳)・三角(5歳)の模写 | 会話が成立 | 協同遊び、ルール遊び |
言語発達の骨格はクーイング2〜3か月→喃語6か月→言葉の理解10か月→初語1歳→二語文2歳→多語文3歳。理解(受容)が表出(発語)に先行するのが大原則。
数字を1段ずらした誤答肢が定番。「有意味語は8か月」は誤り→1歳前後(8か月はまだ喃語の段階)。「二語文は1歳」は誤り→2歳前後(1歳は一語文)。「言語獲得の臨界期は3歳」は誤り→思春期ころまで。
| 領域 | 理論 | 段階・要点 |
|---|---|---|
| 認知 | ピアジェ | 感覚運動期(0〜2歳)→前操作期(2〜7歳)→具体的操作期(7〜11歳)→形式的操作期(11歳〜) |
| 心理社会 | エリクソン(8段階) | 乳児期=基本的信頼/幼児前期=自律性/幼児後期=自主性/学童期=勤勉性/青年期=同一性(アイデンティティ)/成人前期=親密性/成人期=生殖性/老年期=統合性 |
| 心理性的 | フロイト | 口唇期→肛門期→男根期→潜伏期→性器期 |
| 発達課題 | ハヴィガースト | 各期に達成すべき課題を設定。達成が次の段階の土台になる |
| 愛着 | ボウルビィ | アタッチメント(愛着)の形成。分離不安・人見知りは愛着成立の指標 |
詳細は認知=第4章、青年期以降=第5・6章で扱う。ここでは「誰が・何の発達を・いくつの段階で説明したか」の対応だけ固める。
基礎で押さえるのは「順序が崩れる」「時期が大きく遅れる」「筋緊張が定型と違う」の3点。とくに乳児期の姿勢は筋緊張を映す鏡で、姿勢を見ただけで低緊張か亢進かを判断させる出題がある。
| 姿勢 | 筋緊張 | 代表的な背景 |
|---|---|---|
| 蛙肢位(frog-leg position)…仰臥位で股関節が外転・外旋し、膝が屈曲して両下肢が床につく | 低緊張 | Down症候群の乳児期前半、その他の筋緊張低下症候群 |
| はさみ肢位(scissoring)…股関節内転・内旋、尖足で下肢が交叉 | 亢進(痙直) | 痙直型脳性麻痺(両麻痺) |
| 後弓反張…体幹・頸部が強く伸展して反り返る | 亢進(伸展優位) | アテトーゼ型脳性麻痺、重度の中枢障害 |
| 非対称な姿勢…左右で肢位・動きが違う | 左右差 | 片麻痺、分娩麻痺 |
この章の最頻出は①発達の方向(頭尾・近位遠位)②臨界期の期間③マイルストーンの月齢④スキャモン4型の対応。数字は「1段ずらし」で誤答肢が作られるので、隣の段階の値もセットで覚える。