理学療法は評価に始まり評価に終わる。流れは情報収集→検査・測定→統合と解釈→問題点抽出→目標設定→治療プログラム立案→再評価。ICF(心身機能・身体構造/活動/参加)の枠組みで整理する。
| 記号 | 意味 | 書く内容 |
|---|---|---|
| S | Subjective(主観的情報) | 患者の訴え・自覚症状 |
| O | Objective(客観的情報) | 検査・測定値・観察所見 |
| A | Assessment(評価) | 結果の解釈・統合 |
| P | Plan(計画) | 治療プログラム・目標・方針 |
ある運動方向の角度が0度に届かず手前で止まれば、その方向にマイナス。同じ状態でも屈曲側から書くか伸展側から書くかで符号が反転する。
| 状態 | 屈曲側の表記 | 伸展側の表記 |
|---|---|---|
| 肘が伸びきらない=屈曲拘縮 | 屈曲10° | 伸展−10° |
| 0°を越えて反る=過伸展(反張肘) | 屈曲−10° | 伸展10° |
| 完全に伸びきる=正常 | 屈曲0° | 伸展0° |
| 部位 | 運動方向と参考可動域角度 |
|---|---|
| 肩甲帯 | 屈曲20°/伸展20°/挙上20°/引き下げ(下制)10° |
| 肩 | 屈曲180°/伸展50°/外転180°/内転0°/外旋60°/内旋80°/水平屈曲135°/水平伸展30° |
| 肘 | 屈曲145°/伸展5° |
| 前腕 | 回内90°/回外90° |
| 手 | 屈曲(掌屈)90°/伸展(背屈)70°/橈屈25°/尺屈55° |
| 母指 | 橈側外転60°/尺側内転0°/掌側外転90°/掌側内転0°/MCP屈曲60°・伸展10°/IP屈曲80°・伸展10° |
| 指 | MCP屈曲90°・伸展45°/PIP屈曲100°・伸展0°/DIP屈曲80°・伸展0° |
| 頸部 | 屈曲(前屈)60°/伸展(後屈)50°/回旋 左右各60°/側屈 左右各50° |
| 胸腰部 | 屈曲(前屈)45°/伸展(後屈)30°/回旋 左右各40°/側屈 左右各50° |
| 股 | 屈曲125°/伸展15°/外転45°/内転20°/外旋45°/内旋45° |
| 膝 | 屈曲130°/伸展0° |
| 足関節 | 背屈(伸展)20°/底屈(屈曲)45° |
| 足部 | 内がえし30°/外がえし20°/外転10°/内転20° |
| 母趾・足趾 | 母趾MTP屈曲35°・伸展60°/母趾IP屈曲60°/足趾MTP屈曲35°・伸展40°/PIP屈曲35°/DIP屈曲50° |
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 肢位・注意 |
|---|---|---|---|
| 肩甲帯 屈曲・伸展 | 両側の肩峰を結ぶ線 | 頭頂と肩峰を結ぶ線 | 背臥位。頭頂から見る |
| 肩甲帯 挙上・引き下げ | 両側の肩峰を結ぶ線 | 肩峰と胸骨上縁を結ぶ線 | 背面から測定 |
| 肩 屈曲・伸展 | 肩峰を通る床への垂直線 | 上腕骨 | 前腕は中間位。体幹が動かないよう固定 |
| 肩 外転・内転 | 肩峰を通る床への垂直線 | 上腕骨 | 体幹側屈を防ぐ。90°以上は前腕を回外 |
| 肩 外旋・内旋 | 肘を通る前額面への垂直線 | 尺骨 | 上腕を体側につけ肘90°屈曲、前腕中間位 |
| 肩 水平屈曲・水平伸展 | 肩峰を通る矢状面への垂直線 | 上腕骨 | 座位・肩90°外転位 |
| 肘 屈曲・伸展 | 上腕骨 | 橈骨 | 前腕回外位 |
| 前腕 回内・回外 | 上腕骨 | 手指を伸展した手掌面 | 肘90°屈曲・前腕中間位から。肩の回旋を入れない |
基本軸または移動軸に橈骨を使うのは、肘屈曲・伸展(移動軸=橈骨)と手屈曲・伸展(橈骨と第2中手骨の組合せ)の2つ。肩の運動は体幹・肩峰と上腕骨の組合せなので橈骨は出てこない。
肩外転測定の要点。基本軸は肩峰を通る床への垂直線で、「体幹」そのものではない/90°以上では大結節と肩峰の衝突を避けるため前腕を回外させる/肩甲上腕リズムに伴う肩甲骨の動きは許容し肩甲骨は固定しない/亜脱臼があっても牽引は加えない/肘は伸展位が基本。
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 肢位・注意 |
|---|---|---|---|
| 手 屈曲(掌屈)・伸展(背屈) | 橈骨 | 第2中手骨 | 前腕回内位 |
| 手 橈屈・尺屈 | 前腕の中央線 | 第3中手骨 | 前腕回内位 |
| 母指 橈側外転・尺側内転 | 示指(橈骨の延長上) | 母指 | 手掌面と同一平面で母指を開く |
| 母指 掌側外転・掌側内転 | 示指(橈骨の延長上) | 母指 | 手掌面に直角な面で母指を立てる |
| 母指 MCP/IP | 第1中手骨/第1基節骨 | 第1基節骨/第1末節骨 | — |
| 指 MCP・PIP・DIP 屈曲伸展 | 第2〜5中手骨/基節骨/中節骨 | 第2〜5基節骨/中節骨/末節骨 | 側面から測定 |
| 指 外転・内転 | 第3中手骨延長線 | 第2・4・5指軸 | 手背側から測定 |
| 母指 対立 | 角度では表さず、母指先端と小指基部(またはMP関節橈側)との距離(cm)で表示 | ||
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 肢位・可動域 |
|---|---|---|---|
| 頸部 屈曲・伸展 | 肩峰を通る床への垂直線 | 外耳孔と頭頂を結ぶ線 | 座位・頭部体幹の側面/60°・50° |
| 頸部 回旋 | 両側の肩峰を結ぶ線への垂直線 | 鼻梁と後頭結節を結ぶ線 | 腰かけ座位/左右各60° |
| 頸部 側屈 | 第7頸椎棘突起と第1仙椎棘突起を結ぶ線 | 頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線 | 体幹の背面から/左右各50° |
| 胸腰部 屈曲・伸展 | 仙骨後面 | 第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線 | 立位・座位・側臥位。股関節の運動を入れない/45°・30° |
| 胸腰部 回旋 | 両側の上後腸骨棘(PSIS)を結ぶ線 | 両側の肩峰を結ぶ線 | 座位で骨盤を固定/左右各40° |
| 胸腰部 側屈 | ヤコビー線の中点に立てた垂直線 | 第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線 | 座位または立位・体幹背面/左右各50° |
| 運動 | 基本軸 | 移動軸 | 肢位・注意 |
|---|---|---|---|
| 股 屈曲・伸展 | 体幹と平行な線 | 大腿骨(大転子と大腿骨外顆の中心を結ぶ線) | 屈曲=背臥位・膝屈曲位/伸展=腹臥位・膝伸展位。骨盤を固定 |
| 股 外転・内転 | 両側の上前腸骨棘(ASIS)を結ぶ線への垂直線 | 大腿中央線(上前腸骨棘と膝蓋骨中心を結ぶ線) | 背臥位・股関節伸展位(中間位)。下肢を外旋させない。内転は反対側下肢を挙上しその下を通す |
| 股 外旋・内旋 | 膝蓋骨より下ろした垂直線 | 下腿中央線(膝蓋骨中心と足関節内外果中央を結ぶ線) | 股・膝とも90°屈曲位 |
| 膝 屈曲・伸展 | 大腿骨 | 腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線) | 屈曲は股関節屈曲位で行う |
| 足関節 背屈・底屈 | 腓骨への垂直線 | 第5中足骨 | 膝屈曲位 |
| 足部 内がえし・外がえし | 下腿軸への垂直線 | 足底面 | 膝屈曲位・足関節0度 |
| 足部 外転・内転 | 第1中足骨と第2中足骨の間の中央線(基本軸・移動軸とも) | 足底から見る・足関節0度 | |
【設問の欠陥/膝屈曲の移動軸】「運動方向と移動軸の組合せで正しいのはどれか(1つ選べ)」の型は、正答が一意にならないことがある。58回の出題では「股屈曲・伸展 ── 大腿骨」(公式正答)と「膝屈曲・伸展 ── 腓骨」の2肢が同時に成立している。上の表のとおり膝屈曲・伸展の移動軸は腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)で、これは日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の基準そのままの記載であり誤りではない。57回でも同じ形(公式正答「股外転 ── 大腿中央線」に対し「膝屈曲 ── 腓骨」が併存)が出ている。試験では公式正答(58回=股屈曲・伸展 ── 大腿骨)を採る。
本番での手順:
① まず軸の名前が別の運動のものにすり替わっている肢を全部消す(大腿骨↔大腿中央線↔下腿中央線、第1中足骨↔第5中足骨、第2・第3中足骨間↔第1・第2中足骨間)。ここまでで大半は1つに絞れる。
② それでも2肢残ったら股関節の肢を採る。この型の主題は股関節の3方向(屈曲伸展/外転内転/外旋内旋)の軸の区別で、膝の肢は消去用に置かれているだけで正答にはされない。
③ 膝の肢は「基本軸か移動軸か」を読み直す。基本軸を問う問題なら「膝屈曲 ── 大腿骨」が正答(50回で実際に正答)、移動軸なら腓骨。どちらも事実として正しいので、設問がどちらを聞いているかだけが分かれ目。
④ 2つ成立すると気づいても悩まない。これは出題側の不備で知識不足ではない。想定解にマークして次へ進む。
股関節は運動方向ごとに基本軸が3通りに分かれる。屈曲・伸展=体幹と平行な線/外転・内転=両ASISを結ぶ線への垂直線/外旋・内旋=膝蓋骨より下ろした垂直線。図で運動方向を示す設問では先に運動方向を確定してから軸を選ぶ。背臥位で股・膝を90°屈曲させ下腿を左右に振っていれば外旋・内旋で、このとき「基本軸は体幹との平行線」は誤り → それは屈曲・伸展の基本軸。「移動軸は腓骨」も誤り → 腓骨は膝屈曲・伸展の移動軸で、股外旋・内旋の移動軸は下腿中央線。参考可動域は外旋・内旋とも45°なので「60度」も誤り。
足の3つの軸は取り違えが最頻出。「第5中足骨」が出たら背屈・底屈/「足底面」が出たら内がえし・外がえし/「第1・第2中足骨間の中央線」が出たら足部外転・内転。第2中足骨単独・第2と第3の間・第1中足骨単独はいずれも誤り。
| 運動 | 測定肢位 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 肩 屈曲 | 前腕中間位 | 前腕回外位は誤り |
| 肩 外転・内転 | 座位または立位(体幹を垂直に保つ) | 「背臥位で測定する」は誤り → 背臥位を用いるのは肩の屈曲や内旋・外旋など。体幹側屈の代償を見るには体幹を起こす必要がある。外転=側方挙上/屈曲=前方挙上で運動面が違う |
| 肩 外旋・内旋 | 上腕を体側・肘90°屈曲 | 前腕は中間位 |
| 股 外転・内転 | 股関節伸展位(中間位)・背臥位 | 骨盤を固定する |
| 股 屈曲 | 背臥位・膝屈曲位 | 骨盤が動き出す手前を終点にする |
| 股 伸展 | 腹臥位・膝伸展位 | 背臥位で下肢を挙げるのは屈曲の肢位 |
| 股 外旋・内旋 | 背臥位で股・膝とも90°屈曲位(下腿を左右に振る) | 膝伸展位では測らない。固定するのは骨盤で、「固定部位は脊柱」は誤り → 脊柱を押さえても骨盤が代償して回ってしまう |
| 膝 屈曲 | 股関節屈曲位 | 二関節筋の大腿直筋を緩めるため |
| 足 背屈・底屈 | 膝屈曲位 | 二関節筋の腓腹筋を緩めるため |
| 手 屈曲・伸展/橈屈・尺屈 | 前腕回内位 | — |
| 運動方向 | 典型的な代償運動 |
|---|---|
| 肩 屈曲 | 体幹伸展(後方へ反る) |
| 肩 外転 | 体幹側屈(対側へ傾く) |
| 肩 水平屈曲 | 肩甲骨の前方突出(外転) |
| 股 屈曲 | 骨盤後傾(対側下肢の浮き上がり) |
| 股 伸展 | 骨盤前傾(腰椎前弯の増強) |
背臥位で非検査側の股・膝を最大屈曲させて腰椎前弯を消す。検査側の大腿が床から浮けば陽性=その側の股関節屈曲拘縮(腸腰筋の短縮)。一側の股関節を屈曲したときに対側下肢が浮いた場合は、浮いた側の腸腰筋短縮を疑う。
| テスト | 対象 |
|---|---|
| Thomas | 股関節屈曲拘縮(腸腰筋短縮) |
| Adson | 胸郭出口症候群 |
| Jackson | 頸椎神経根の圧迫 |
| Lachman | 膝前十字靱帯(ACL)損傷 |
| Neer | 肩インピンジメント症候群 |
| 名称 | 目的 |
|---|---|
| Codman体操(振り子・アイロン体操) | 肩関節のROM改善・疼痛軽減 |
| McKenzie体操 | 腰椎伸展主体。椎間板性腰痛の軽減とROM改善 |
| Böhler体操 | 体幹筋(腹筋・背筋)の筋力強化 |
| Buerger-Allen体操 | 末梢循環の改善(閉塞性動脈疾患) |
| Frenkel体操 | 協調性の改善(運動失調) |
手背の熱傷後瘢痕拘縮は伸展拘縮となるため、慢性期は手指屈曲方向のROM練習+圧迫療法(ガーメント)で対応する。手関節背屈位に保持するコックアップ・スプリントは拘縮を助長するため不適。拘縮と逆方向へ伸張するのが原則。
運動機能項目は0〜5の6段階で採点し、1点だけが1A・1B・1Cに細分される。何をもって1A/1B/1Cとするかはテストごとに中身が違うので、テスト名とセットで覚える。
| 段階 | 膝・口テスト(上肢近位) | 手指テスト(上肢遠位) |
|---|---|---|
| 0 | 全く動かない | |
| 1A | 肩のわずかな動きはあるが手が乳頭部に届かない | わずかな動き、または集団屈曲が可能 |
| 1B | 手が乳頭部に届く | 集団伸展が可能 |
| 1C | 手が下顎に届く(課題は完遂できない) | 分離運動が可能だが不十分(全指ではできない) |
| 2 | 課題は遂行できるが著しくぎこちない | |
| 3 | 中等度のぎこちなさ | |
| 4 | 軽度のぎこちなさ | |
| 5 | 健側と同等 | |
| 条件 | パラメトリック(正規分布する連続変数) | ノンパラメトリック |
|---|---|---|
| 対応のない2群 | Studentのt検定 | Mann-WhitneyのU検定 |
| 対応のある2群 | 対応のあるt検定 | Wilcoxonの符号付順位検定 |
| 3群以上 | 一元配置分散分析(ANOVA) | Kruskal-Wallis検定 |
「3群に分けたグループ間で平均値に差があるか」と来たら分散分析(ANOVA)一択。誤答肢はこう切る → t検定・Welch検定=2群の平均差(3群以上に繰り返し当てると第一種の過誤が増えるので不適)/相関分析=2変数の関連の強さを見るもので差の検定ではない/重回帰分析=複数の説明変数から従属変数を予測・説明するもので、群間の平均差の検定ではない。
照射強度の計算(物理療法と共通)。強度は距離の2乗に反比例(逆2乗の法則)し、入射角の余弦(cos)に比例する。距離が半分なら4倍、2倍なら1/4。cos45°≒0.7、皮膚面に対し30°の斜入射=法線から60°でcos60°=0.5。例:距離20cm垂直→距離10cm・45°なら 4×0.7≒2.8倍/距離10cm垂直→距離20cm・皮膚面に30°なら 1/4×1/2=1/8。