切断レベルが決まれば義足の種類はほぼ決まる。まず「どの高さの切断に、どの義足か」を表で固める。
| 切断レベル | 主な義足・ソケット | 要点 |
|---|---|---|
| 足部部分切断(Lisfranc切断=足根中足関節/Chopart切断=横足根関節) | 足根中足義足・靴型装具など | 残った足部が尖足・内反変形をきたしやすい |
| Syme切断(足関節離断) | サイム義足 | 断端末荷重が可能(下の表) |
| 下腿切断 | PTB式・TSB式・KBM式など(2-1) | 膝関節が残る。PTB式は膝蓋腱を中心とした部分荷重 |
| 膝関節離断 | 膝離断義足 | 大腿骨顆部で末端荷重・自己懸垂が可能 |
| 大腿切断 | 四辺形ソケット・坐骨収納型ソケット(IRC/ICS)、吸着式など | 股関節の屈曲・外転・外旋拘縮に注意(1-3) |
| 股関節離断・片側骨盤切断 | カナダ式股義足 | 骨盤を包むソケット+股継手 |
Syme切断は足関節(距腿関節)レベルの離断で、「足根間関節の切断」ではない(横足根関節での切断はChopart切断、足根中足関節での切断はLisfranc切断)。また「断端荷重できない」「懸垂が下腿義足より難しい」はどちらも逆。足部の開放骨折後の骨髄炎などで足関節離断となったら作る義足はサイム義足で、PTB式・TSB式(下腿切断用)や足根中足義足(より遠位の切断用)ではない。
| 利点 | 欠点 |
|---|---|
| 大腿骨顆部での断端末荷重/顆部の張り出しによる自己懸垂(懸垂性良好)/回旋方向・前後方向の安定性/長いてこ | 断端が長いため膝継手を生理的な高さに置けず、義足側の膝が下がって左右非対称になりやすい=膝継手の設定は難しい |
断端末で体重を受けられる切断の代表=Syme切断・膝関節離断(ほかに足部部分切断〈Chopart・Lisfranc〉やBoyd・Pirogoff切断も末端荷重できる。股離断は坐骨で支持)。下腿切断・大腿切断の通常のソケットは断端末に荷重を集中させない。
| 切断部位 | 断端長の計測 |
|---|---|
| 上腕切断 | 肩峰〜断端末 |
| 前腕切断 | 上腕骨外側上顆〜断端末 |
| 大腿切断 | 坐骨結節〜断端末(大腿長) |
| 下腿切断 | 膝関節裂隙(膝蓋腱中央)〜断端末 |
上腕切断を「大結節から」、前腕切断を「肘頭から」、下腿切断を「膝蓋骨上縁から」とするのはひっかけ。膝関節離断の起点に大転子は使わない。
周径が安定した(=断端が円錐形に成熟した)ことが、本義足ソケット作製の目安。「1か所だけ測る」「最大膨隆部を基準にする」「月に数回」はすべて誤りの定番。
| 方法 | 内容 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| ソフトドレッシング(soft dressing) | 弾性包帯 | 安価・創部を観察しやすい・調整が容易 | 巻き直しが必要・巻く技術に左右される |
| リジッドドレッシング(rigid dressing) | ギプスで断端を覆う | 浮腫抑制・断端保護にすぐれ、早期の義足装着に有利 | 創部を観察できない |
| IPOP(術直後義肢装着法) | 術直後から仮義足を装着 | 廃用予防・早期歩行 | 適応が限られる |
弾性包帯を近位ほどきつく巻く・輪状(環状)に巻くと、駆血帯のように静脈・リンパの還流を妨げて浮腫を悪化させる。
| 切断 | 起こりやすい拘縮 | 予防 |
|---|---|---|
| 大腿切断 | 股関節屈曲・外転・外旋 | 腹臥位(股関節伸展位を保つ)、伸展・内転位の保持 |
| 下腿切断 | 膝関節屈曲 | 膝伸展位の保持 |
拘縮を招く肢位:長時間の車椅子座位・大腿下に枕を入れた背臥位・股膝屈曲位の側臥位・両大腿の間に枕を挟む。大腿切断は「内旋拘縮が起こるから外旋位に保つ」も誤り(外旋拘縮が起こりやすい)。短断端ほど屈曲・外転拘縮を生じやすい。
| 対応 | 扱い |
|---|---|
| ミラーセラピー | 鏡による視覚フィードバックで脳の再組織化を促す。有用 |
| 痛む部位をイラストで図示させる | 症状の可視化・評価に有用 |
| 経皮的電気刺激(TENS) | 禁忌ではない。選択肢の一つ |
| 義肢装着練習 | 幻肢痛を増悪させるものではなく、むしろ軽減する方向。積極的に行う |
| 薬物 | 神経障害性疼痛なのでプレガバリンなどが優先され、NSAIDsを優先するのではない |
小児は成人と「逆」になる所が狙われる:幻肢は少ない・骨は過成長する。
原則は「体重を支える役は健側(非義足側)」。そこから上りは健側から、下りは義足側からが出てくる(階段・坂道・段差に共通)。
| 動作 | 指導 | 理由 |
|---|---|---|
| 階段・坂道を上る | 健側から先に上げ、義足を引き上げる | 先に出す脚が上の段で体を持ち上げる |
| 階段・坂道を下る | 義足側から先に下ろす(歩幅は小さく、手すり使用) | 健側を後ろに残して体重を支え、膝折れを防ぐ |
| 椅子から立ち上がる | 義足を前に出し、健側を後ろに引いて健側で床を押す | 義足側の膝では立ち上がる力が出せない |
| 床の物を拾う | 健側を前に出し、義足側を後ろに引いて拾う | 義足の膝を曲げて荷重を支えられない |
| ズボンを履く | 義足側から履く(着患脱健) | 更衣の原則 |
「椅子から立ち上がるときは健側を前に出す」は誤り。またぎ動作(溝・障害物)は過去問での扱いが一定しないので、まず階段・坂道・立ち上がりを上の原則で確かめ、確実に判断できる選択肢から決める。