| 装具 | 適応の目安 |
|---|---|
| 靴型装具・足底挿板 | 足部変形の補正のみ。下垂足は制御できない |
| 足関節軟性装具 | 支持性・背屈保持力が弱く、明らかな下垂足の遊脚期クリアランス確保には不十分 |
| プラスチックAFO(シューホーン型・継手なし) | 軽量で背屈を保持。弛緩性の下垂足・痙縮が軽い例。膝伸展が保たれていれば(MMT3以上)これで足りる |
| プラスチック支柱・継手付きAFO | 中等度以下の痙縮 |
| 金属支柱付きAFO(足継手付き) | 強い内反尖足・MAS2以上の痙縮・反張膝・高体重・立脚中期の膝折れ。剛性と内外側支持が要る例 |
| PTB式短下肢装具 | 膝蓋腱で体重を受け下腿〜足部を免荷する装具。下垂足の歩行改善が目的の例には使わない |
膝折れ=即KAFOではない。足継手で背屈を制限すると立脚中期の下腿の前方への倒れ込みが抑えられ、膝折れを防げる(底屈制限は下腿前傾を促す側=反張膝の制動)。まずAFOで対応する。
| 異常 | 足継手の設定 |
|---|---|
| 下垂足・尖足(前脛骨筋の弛緩性麻痺、下腿三頭筋の痙縮) | 底屈制動(制限)+背屈補助。遊動では尖足を許してしまう |
| 立脚時の膝折れ | 前方(背屈方向)制動。下腿の前方への倒れ込みを止める |
| 反張膝(膝過伸展) | 底屈制動(軽い背屈位に設定)で下腿の後傾を抑える。遊動では制御できない |
| 踵足(背屈位変形) | 背屈を制動し底屈を補助する方向 |
| 足関節捻挫/外反扁平足 | 捻挫は内外反の制動、外反扁平足は足底挿板で内側縦アーチ支持。いずれも背屈補助の対象ではない |
片麻痺の立脚相で反張膝+尖足があるとき、踵部の補高・AFO・膝軽度屈曲位での立位保持練習・前脛骨筋への治療的電気刺激はすべて適切。下腿三頭筋へのタッピングだけは不適切(底屈・尖足を促通して悪化させる)。
装具の高さは「どの関節が支持できないか」で決める。過剰な装具は歩行を阻害する。
| 部位 | 正しい基準 |
|---|---|
| 骨盤帯 | 腸骨稜と大転子の中間(腸骨稜頂点ではない) |
| 股継手 | 股関節軸=大転子のやや前上方(大転子上端ではない) |
| 外側支柱の上端 | 大転子より約2.5cm下。大転子と同じ高さも6cm下も誤り |
| 膝継手 | 解剖学的膝軸=内転筋結節〜大腿骨内側顆上縁の高さ。膝関節裂隙中央でも顆部の2〜3cm下でもない |
| 半月の配置 | 膝継手から大腿下位半月までと、膝継手から下腿半月までの距離を等しくする(支持力が均等に分散する) |
| 下腿半月 | 腓骨頭(総腓骨神経)を圧迫しない位置に下げる。目安は膝裂隙から約4cm下=腓骨頭の2〜3cm下。腓骨頭上端や膝裂隙2cm下では高すぎる |
| 足継手 | 足関節運動軸=内果下端の高さ(内果下端は外果下端より高い) |
| 装具 | 目的・適応 |
|---|---|
| Milwaukee装具 | 頸部リング+骨盤帯+支柱のCTLSO。側弯症で頂椎がT6/T7より高位の胸椎カーブ |
| Boston装具 | 腋窩を超えないアンダーアーム型の硬性TLSO。頂椎がT7以下の胸腰椎カーブ |
| Jewett装具 | 胸腰椎の3点固定・屈曲制限(過伸展保持)。椎体圧迫骨折 |
| Taylor型装具 | 後方支柱で胸腰椎の屈曲を制限 |
| SOMI装具 | 胸骨・後頭・下顎で支持する頸椎装具 |
| Halo装具 | 頭蓋にピンで固定。頸椎不安定症の強固な固定 |
側弯症の装具療法はCobb角25〜40度・骨成熟未完成(Risser低値)・進行例が適応。10〜20度台は経過観察、45〜50度以上は手術。軟性の胸腰仙椎装具は矯正力不足で不適(3点支持の効く硬性装具が必要)。
| 補正 | 効果 |
|---|---|
| メタタルザルバー(中足骨バー) | 骨頭のすぐ後方に支えを置き中足骨骨頭を免荷 |
| ロッカーバー(船底型ソール) | 踏み返しの改善 |
| トーマスヒール | 内側縦アーチの支持・回内防止 |
| SACHヒール・クッションヒール | 接踵時の衝撃吸収 |
| 中足骨パッド | 横アーチの支持 |
| 膝継手 | 特徴 |
|---|---|
| 遊動式 | 屈伸自由。側方動揺だけ止める |
| リングロック(輪止め) | 支柱に沿ってスライドする輪を下ろし、伸展位で固定 |
| ファンロック(ダイヤルロック) | 扇形の孔と留めねじで屈曲角度を段階的に設定して固定 |
| スイスロック(レバーロック) | 後方のレバー操作で施錠・解錠。着座時に操作しやすい |
| オフセット | 継手の軸を後方にずらし、立脚時の膝折れを防ぐ |
| 脊髄損傷(完全麻痺)の残存レベル | 装具と歩行 |
|---|---|
| Th1〜Th6 | 体幹保持が困難。骨盤帯付きKAFO(HKAFO)でも治療的歩行にとどまる |
| Th10 | 体幹はある程度安定するが下肢の随意性なし。実用的な屋外歩行は困難 |
| Th12〜L2 | 腹筋・背筋・腰方形筋が働き骨盤が安定。骨盤帯なしの両側KAFOで平行棒内・松葉杖歩行(大振り・小振り)が可能 |
| L3〜L4 | 大腿四頭筋が働き膝が安定。両側AFO+杖で実用的な屋外歩行が可能。AFOで歩ける最も上位=L4 |
| L5・S1以下 | 装具は最小限〜不要 |
この表は「脊髄損傷(後天性・完全麻痺)」の枠組みで読む表。二分脊椎は下のSharrard分類で読む。同じ「L1〜L2」でも、この表は骨盤帯なしKAFO、Sharrard Ⅱ群は骨盤帯付きKAFOと装具が逆に見えるので、まず設問がどちらの疾患かを確認してから表を当てる(逆になる理由はSharrard表の下)。
分岐点は膝伸展を担う大腿四頭筋(L3・L4)が働くかどうか。働けばAFO、働かなければKAFO。図で両側KAFO+平行棒ならTh12前後と読む。二分脊椎は下のSharrard分類で読み、最初の分岐は骨盤帯の有無。
| Sharrard分類(二分脊椎) | 残存髄節 | 働く筋・装具と歩行 |
|---|---|---|
| Ⅰ群 | 胸髄(Th12以上) | 下肢は完全麻痺で腸腰筋も働かず、自分で下肢を振り出せない。装具を着けても立位保持・治療的歩行にとどまり、移動の主体は車椅子 |
| Ⅱ群 | L1〜L2 | 腸腰筋・縫工筋・大腿内転筋が働き股関節を自分で振り出せる。膝伸展は不可。骨盤帯付き両側KAFO+歩行器(PCW)で屋内歩行 |
| Ⅲ群 | L3〜L4 | 大腿四頭筋が働いて膝が安定するので骨盤帯が要らなくなる。両側KAFO+ロフストランド杖で実用歩行。L4まで残ると前脛骨筋も働き、AFOのみ/AFO+杖で自立歩行できる(AFOで自立歩行できる上限=L4) |
| Ⅳ群 | L5 | 中殿筋・長趾伸筋などが働き実用歩行。靴型装具〜AFO程度でよく、杖の併用は必須でない |
| Ⅴ群 | S1以下 | 下腿三頭筋が一部働く。装具はほぼ不要でほぼ正常歩行 |
この表は「二分脊椎」の枠組みで読む表で、上の脊髄損傷の表とは別物。同じ髄節表記なのに装具が逆に見えるのは、①脊髄損傷は後天性の完全麻痺で、Th12〜L2なら腹筋・背筋・腰方形筋が残って体幹と骨盤が安定する=骨盤帯が要らない/②二分脊椎は先天性で不全麻痺のため髄節表記どおりに筋が残るとは限らず、L1〜L2群では体幹・股関節周囲の支持性が不十分で骨盤帯(+股継手)による支持が要る、③さらに乳幼児期から骨格が成長途上のまま立位・歩行を練習するため、脊柱・骨盤の変形を抑える意味でも骨盤帯が付く、という違いによる。どちらの数値も、その枠組みの中では正しい。
図から群を決める手順は「骨盤帯があるか」→「自分で振り出せているか」の2段。①腰に巻いた骨盤帯(+股継手)が付いていればⅠ群かⅡ群/付いていなければⅢ群以下。②その骨盤帯付きKAFOで歩行器(PCW)を使って歩けている=腸腰筋が働いて下肢を振り出せている=Ⅱ群。Ⅰ群は腸腰筋も麻痺していて振り出しができないので、歩行器を持たせても交互歩行の図にはならない(立位保持装置か車椅子で描かれる)。③骨盤帯なしのKAFO+ロフストランド杖ならⅢ群、AFOなど軽い装具+杖ならⅣ群、装具なしならⅤ群。
足部変形は働く筋と麻痺する筋のアンバランスで決まる。L4残存では前脛骨筋(背屈・L4)が働き下腿三頭筋(底屈・S1〜2)が麻痺するので背屈優位=踵足変形。底屈優位なら尖足変形。
「第3腰髄=尖足変形」は誤り(L3では背屈筋も底屈筋も働かない)。「第12胸髄=KAFOで杖なし歩行」「第1腰髄=AFOで杖なし歩行」「第2腰髄=装具なしで松葉杖歩行」もすべて能力を過大評価した誤り。残存レベルが下位(仙髄寄り)ほど装具は軽くなる。
| 障害 | 装具の例 |
|---|---|
| 橈骨神経麻痺(下垂手) | コックアップスプリント(手関節背屈位保持) |
| 正中神経麻痺(猿手) | 短対立装具 |
| 尺骨神経麻痺(鷲手) | ナックルベンダー(MP屈曲補助) |
| 頸髄損傷C6 | 手関節駆動式把持装具(RIC型など)・万能カフ |
| 腱板断裂の術後 | 肩外転装具 |
| 上腕骨骨幹部骨折 | 機能的装具(ファンクショナルブレース) |