第5章|器質的背景

対応過去問 5問 / 難易度 ★★★☆☆

口蓋瘻孔と構音

切歯孔前方の口蓋瘻孔の影響

切歯孔より前方の瘻孔(前方口蓋):

  • 前方での口腔内圧が確保できない
  • 両唇音([p][b][m])の産生が困難になりやすい

両唇音は唇で閉鎖を作るが、前方口蓋の瘻孔により口腔内の圧力が逃げてしまう。

各種検査と優先順位

「ラッパが吹けない」「言葉が鼻に抜ける」4歳児の検査優先順位

優先度が低い

  • 発声機能検査(鼻咽腔閉鎖不全の主訴では声帯機能より口腔・鼻咽腔の評価が優先)

優先度が高い

  • 構音検査・口腔内視診・ブローイング検査・言語発達検査

構音検査の際の優先的実施検査(6歳・サ行とカ行)

まず行うべき検査:

  • 構音検査・純音聴力検査・言語発達検査

聴力・言語発達・構音の3点セットが基本の初診時評価。

小児の初診時評価項目

含まれる項目:

  • 聴力
  • 構音器官の形態
  • 知的発達
  • 音韻発達

含まれない項目:

  • 性格(構音障害の初診時評価として必須ではない)

[s]の産生方法

[s](サ行)を正しく産生させる方法:

  • 舌と前歯の間の狭めから呼気を出させる

不適切な方法:

  • 頬を膨らませる([s]は口腔内圧ではなく舌尖の位置が重要)
  • 開口して舌尖を挙上させる([r]の操作)
  • 口唇を閉鎖する([m][p]の操作)
  • 舌を左右口角につける([r]の側方移動)

フレージングと構音障害

「フレージング=過緊張発声の軽減」は誤り——フレージングは発話速度の調整・発話の区切りに用いる訓練法。過緊張発声にはリラクゼーション・あくび法などが適切。