高次脳機能障害 国試対策ガイド

この記事の執筆者: 現役の言語聴覚士が、臨床経験と国家試験の出題傾向をもとに執筆・監修しています。

高次脳機能障害は多岐にわたる症状の分類と鑑別が重要です。失行・失認・記憶障害・注意障害・遂行機能障害を体系的に整理しましょう。

1. 失行(Apraxia)

失行とは、運動麻痺・感覚障害・失調・不随意運動がないにもかかわらず、意図した動作が正確に行えない状態です。

種類特徴病巣
観念運動失行口頭命令(「手を振って」)での動作障害。自動的行為は可能。左頭頂葉・脳梁
観念失行道具の使用順序・組み合わせの障害(「歯磨き粉→歯ブラシ→口」の手順が崩れる)左頭頂葉後部
肢節運動失行精巧な手指の運動の障害。巧緻運動困難。中心前回
構成失行図形模写・積み木など空間的構成の障害右頭頂葉(左より多い)
着衣失行衣服の着脱動作の障害右頭頂葉
口腔顔面失行口・顔面の随意動作の障害(「舌を出して」など)左前頭葉・ブローカ野周辺
国試頻出ポイント 観念運動失行は「命令での動作」が障害、自動的・模倣は比較的保たれる。観念失行は「道具の使用手順」の障害。この2つの鑑別は頻出。

2. 失認(Agnosia)

種類特徴
視覚失認視力は正常だが見て物を認識できない(触れば認識できる)
相貌失認顔の認識障害。声や歩き方での識別は可能。
半側空間無視(USN)一側(主に左)の空間への注意・反応の低下。右頭頂葉損傷で多い。
触覚失認触っても物の認識ができない(視覚や音では認識可能)
聴覚失認聴力は正常だが音の意味を理解できない
病態失認(アノソグノジア)自己の障害を認識できない

3. 記憶障害

4. 主な評価法

💡 臨床メモ: 高次脳機能障害は「見えない障害」と言われ、外見からはわかりにくいことが家族や職場との摩擦を生みやすいです。障害の説明と環境調整の提案が、STとしての重要な役割の一つです。

⚠️ よくある誤解

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※ 本記事は現役の言語聴覚士が執筆・監修しています。
最終更新: 2026年5月