言語聴覚士国家試験 出題データ分析(第15〜28回)

全2,800問(14回 × 200問)を13大分類 × 45科目で深掘り|現役STが監修

このページは、STカコモンに収録された第15〜28回・全2,800問を1問単位で集計し、「どの分野が・どの細目が・どれだけ出るか」を実データから明らかにした戦略ノートです。 無料の科目別出題傾向ページが13系統(大分類)どまりなのに対し、ここではST学生が普段の授業・教科書で使う科目(細目)レベルまで分解し、頻出順ランキングと合格戦略の処方箋まで踏み込みます。 数字を眺めて終わりにせず、「だから、こう勉強する」まで落とし込むのがこのノートの目的です。

集計はSTカコモンの問題データベース(第15〜28回)に基づき、各問を45科目(学習障害は言語発達障害学に内包)に分類し、それを13系統(大分類)にまとめて数えたものです。1問単位の集計のため、年度ごとの出題基準や設問分類の境界により単年の増減は数問の幅で動きます。複数年の「ならし」で優先度を判断してください。

1. 科目別の出題数ランキング(全体像)

まず全体像から。第15〜28回の2,800問を、ST学生が普段の授業・教科書で扱う科目(細目)単位で集計し、14年合計の出題数が多い順に並べました。無料ページの「13系統(大分類)」では「臨床医学」「音声言語聴覚医学」のように中身が見えませんが、ここでは失語症・嚥下障害・音響学・解剖学…と科目名そのもので並ぶので、自分の勉強と直結します。

バーの色=所属する系統(分野)。色でグループを把握しつつ、長さで「その科目が14年で何問出たか」を読み取れます。年平均はバーの長さ÷14回です。
順位科目系統(分野)14年計年平均割合
1言語発達障害学言語発達障害学19313.86.9%
2失語症失語・高次脳18112.96.5%
3音声学音声・言語学1007.13.6%
4補聴器・人工内耳聴覚障害学976.93.5%
5言語学音声・言語学966.93.4%
6嚥下障害発声発語・嚥下956.83.4%
7小児聴覚障害聴覚障害学936.63.3%
8高次脳機能障害失語・高次脳926.63.3%
9臨床神経学臨床医学916.53.3%
10臨床心理学心理学876.23.1%
11音声障害発声発語・嚥下835.93.0%
12聴力検査聴覚障害学815.82.9%
13神経系音声言語聴覚医学795.62.8%
14言語発達学言語発達障害学785.62.8%
15音響学音響・聴覚心理775.52.8%
16聴覚系音声言語聴覚医学735.22.6%
17生涯発達心理学心理学705.02.5%
18心理測定法心理学705.02.5%
19言語聴覚障害総論ST総論644.62.3%
20運動障害性構音障害発声発語・嚥下604.32.1%
21社会福祉社会福祉・教育604.32.1%
22リハ医学臨床医学584.12.1%
23小児科学臨床医学574.12.0%
24機能性構音障害発声発語・嚥下574.12.0%
25内科学臨床医学564.02.0%
26呼吸系音声言語聴覚医学564.02.0%
27精神医学臨床医学543.91.9%
28認知心理学心理学523.71.9%
29吃音発声発語・嚥下473.41.7%
30形成外科学臨床医学463.31.6%
31耳鼻咽喉科学臨床医学453.21.6%
32成人聴覚障害聴覚障害学443.11.6%
33器質性構音障害発声発語・嚥下423.01.5%
34関係法規社会福祉・教育402.91.4%
35臨床歯科医学/口腔外科学臨床歯科352.51.3%
36解剖学基礎医学342.41.2%
37学習心理学心理学332.41.2%
38医学総論基礎医学241.70.9%
39聴覚心理学音響・聴覚心理241.70.9%
40生理学基礎医学221.60.8%
41病理学基礎医学181.30.6%
42脳性麻痺言語発達障害学161.10.6%
43学習障害言語発達障害学141.00.5%
44リハ概論臨床医学60.40.2%
合計(44科目)2,800200.0100%

科目ランキングの読み解き

  • トップ2は言語発達障害学(193問)と失語症(181問)。どちらも単独科目で年13問前後=1科目だけで合格点(120点)の約1割を生む二枚看板。最優先で固める。
  • 「基礎・周辺」に分類される科目が上位に多数食い込む。音声学(3位)・言語学(5位)・臨床神経学(9位)・臨床心理学(10位)・音響学(15位)。基礎軽視は失点に直結する。
  • 構音障害は3タイプに分かれる(運動障害性60・機能性57・器質性42)。さらに音声障害83・嚥下障害95・吃音47を加えた発声発語・嚥下として束ねると最上位グループ。科目1つずつでは中位でも、系統でまとめると優先度の印象が変わる典型例。
  • 下位は脳性麻痺(16)・学習障害(14)・リハ概論(6)。年1問前後で単独対策のコスパは低い。捨てずに「専門学習のついで」で拾うのが正解(→処方箋4)。

参考:系統(分野)でまとめた年次推移

科目は数が多く、1つずつ追うと全体の見通しを失いがちです。そこで関連科目を系統(13の分野)でまとめ直すと、年ごとの増減=「対策が裏切られにくいか」が見えてきます。各年とも合計200問。多い順に並べています。

系統(分野)1516171819202122232425262728割合
臨床医学332934262725332927354224252441314.8%
発声発語・嚥下障害学262524292825272528282429293738413.7%
聴覚障害学212521222222232326222121212531511.3%
心理学252323242420212321192123222331211.1%
言語発達障害学171821212223202323202225242230110.8%
失語・高次脳機能障害学18191819201920181921202020222739.8%
音声言語聴覚医学161618201918101617129181722087.4%
音声・言語学14151415141512131415141414131967.0%
音響・聴覚心理777687986777781013.6%
社会福祉・教育1056676668779891003.6%
基礎医学5675499107765513983.5%
言語聴覚障害学総論47453974255351642.3%
臨床歯科医学45322232222231351.3%
合計2002002002002002002002002002002002002002002,800100%

各系統(分野)の性格(ひとことメモ)

  • 臨床医学(413問・14.8%):8科目の寄せ集めで最多。年24〜42問と振れ幅が大きく、深追いより頻出テーマの押さえが効率的。
  • 発声発語・嚥下障害学(384問・13.7%):STの花形。毎回24〜29問で安定し、第28回は37問と過去最多。高齢化で比重は下がりにくい。
  • 聴覚障害学(315問・11.3%):年21〜26問と極めて安定。補聴器・人工内耳・聴力検査が三本柱。
  • 心理学(312問・11.1%):年19〜25問。基礎分野だが出題量は専門分野級。得点源にしやすい。
  • 言語発達障害学(301問・10.8%):年17〜25問でゆるやかな増加傾向。
  • 失語・高次脳機能障害学(273問・9.8%):年18〜22問と最も安定。失語症が中核。
  • 音声言語聴覚医学(208問・7.4%):呼吸・聴覚・神経系の医学。年により2〜20問と振れ幅が極端(第28回はわずか2問)で、出題基準の境界で他分類へ流れる年がある。
  • 音声・言語学(196問・7.0%):年12〜15問で安定。音声学・言語学がほぼ半々。
  • 音響・聴覚心理/社会福祉・教育/基礎医学:各100問前後(3.5〜3.6%)。少数だが毎回数問は出る。
  • 言語聴覚障害学総論(64問)・臨床歯科医学(35問):最少。捨てるのではなく頻出テーマだけ拾う。

2. 分野ごとの深掘り ── 関連科目をまとめて攻略する

セクション1の科目ランキングを、今度は関連する科目どうしを系統(分野)でまとめ直し、分野ごとに「中で何を優先するか」を読み解きます。「臨床医学」のように範囲が広い分野でも、どの科目から手を付ければ効率的かが一目で分かるよう、各分野の細目シェア(その分野の中で占める割合)と戦略コメントを添えました。

表の読み方:「計」=14年合計の出題数、「年平均」=1年あたりの平均出題数、「分類内シェア」=その分野(系統)の中で占める割合。年平均が大きい科目ほど、毎年の本番で確実に出会う頻出テーマです。

専門分野(STの中核5分類)

合格の最短ルートはここ。専門5分類だけで1,337問(全体の約48%)を占めます。

発声発語・嚥下障害学専門
14年合計 384問/年平均 27.4問(200問中 約14%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1嚥下障害956.825%
2音声障害835.922%
3運動障害性構音障害604.316%
4機能性構音障害574.115%
5吃音473.412%
6器質性構音障害423.011%

読み解き:嚥下障害+音声障害の2科目だけで分類の約半数(178問)。構音障害は4タイプ合わせて約260問だが、運動障害性が突出。嚥下→音声→運動障害性構音の順に固めると効率が良い。

聴覚障害学専門
14年合計 315問/年平均 22.5問(200問中 約11%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1補聴器・人工内耳976.931%
2小児聴覚障害(視覚聴覚二重障害を含む)936.630%
3聴力検査815.826%
4成人聴覚障害443.114%

読み解き:4細目がきれいに分散。補聴器・人工内耳/小児聴覚/聴力検査の3本柱で約9割。聴力検査(オージオグラム・各種検査)は読み書きの実技要素があり、得点が安定しやすい。

失語・高次脳機能障害学専門
14年合計 273問/年平均 19.5問(200問中 約10%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1失語症18112.966%
2高次脳機能障害926.634%

読み解き:失語症は単独科目で181問・年平均12.9問と、全45科目で最多級。失語型の鑑別・SLTA/WABの解釈は毎回必出。失語症だけで合格点の1割を取りにいける。

言語発達障害学専門
14年合計 301問/年平均 21.5問(200問中 約11%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1言語発達障害学(学習障害を含む)19313.864%
2言語発達学(定型発達)785.626%
3脳性麻痺161.15%
4学習障害(独立計上分)141.05%

読み解き:障害(ASD・知的障害・LD等)と定型発達のマイルストーンがほぼ3:1。定型発達の順序を押さえると障害の理解も進む。まず正常発達→次に障害、の順で学ぶと崩れにくい。

言語聴覚障害学総論専門
14年合計 64問/年平均 4.6問(200問中 約2%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1言語聴覚障害総論644.6100%

読み解き:STの定義・ICF・評価の総論・職域。数は少ないが頻出論点が固定しているため、コスパよく数問を確保できる。

基礎・周辺分野

専門ほど目立たないが、合計すると非常に大きい。特に心理学(312問)・音声言語聴覚医学(208問)・音声言語学(196問)は専門分野級のボリュームです。

臨床医学基礎
14年合計 413問/年平均 29.5問(200問中 約15%)── 全13系統で最多
細目(科目)年平均分類内シェア
1臨床神経学916.522%
2リハ医学584.114%
3小児科学574.114%
4内科学564.014%
5精神医学543.913%
6形成外科学463.311%
7耳鼻咽喉科学453.211%
8リハ概論60.41%

読み解き:8科目に薄く広く分散。臨床神経学だけが突出(91問)で、STの専門(失語・嚥下・構音)と直結するため最優先。残りは深追いせず頻出疾患だけ拾う。

心理学基礎
14年合計 312問/年平均 22.3問(200問中 約11%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1臨床心理学876.228%
2生涯発達心理学705.022%
3心理測定法705.022%
4認知心理学523.717%
5学習心理学332.411%

読み解き:基礎分野ながら専門分野級の量。心理測定法(信頼性・妥当性・検査法)と認知心理学は専門評価の土台に直結。臨床・生涯発達は範囲が広いので頻出論点に絞る。

音声言語聴覚医学基礎
14年合計 208問/年平均 14.9問(200問中 約7%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1神経系795.638%
2聴覚系735.235%
3呼吸系564.027%

読み解き:解剖・生理の医学的土台。神経系・聴覚系は専門(失語・聴覚障害)と完全に地続き。専門を学ぶ前にここを通すと暗記が「理解」に変わる。

音声・言語学基礎
14年合計 196問/年平均 14.0問(200問中 約7%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1音声学1007.151%
2言語学966.949%

読み解き:ほぼ半々。どちらも年7問前後で安定し、覚えれば確実に取れる「貯金科目」。音声学(母音・子音の調音)は構音障害の理解にも直結。

音響・聴覚心理基礎
14年合計 101問/年平均 7.2問(200問中 約4%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1音響学775.576%
2聴覚心理学241.724%

読み解き:音響学が大半(77問)。dB計算・周波数・スペクトル・ホルマントは計算パターンが固定で、公式さえ覚えれば取りこぼしにくい。

社会福祉・教育基礎
14年合計 100問/年平均 7.1問(200問中 約4%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1社会福祉604.360%
2関係法規402.940%

読み解き:制度・法規は改正の影響を受けるが、出題論点(介護保険・障害者総合支援法・身体障害者手帳・ST法)はほぼ固定。直前期に詰めれば年7問ほど拾える。

基礎医学基礎
14年合計 98問/年平均 7.0問(200問中 約4%)
細目(科目)年平均分類内シェア
1解剖学342.435%
2医学総論241.724%
3生理学221.622%
4病理学181.318%

読み解き:解剖学が中心。中枢神経・発声発語器官・聴器の解剖は専門科目とも重複するので、ここの学習は二重に効く。

臨床歯科医学基礎
14年合計 35問/年平均 2.5問(200問中 約1%)── 全13系統で最少
細目(科目)年平均分類内シェア
1臨床歯科医学/口腔外科学352.5100%

読み解き:最少だが毎回2〜3問。口蓋裂・摂食嚥下に関わる口腔解剖は器質性構音・嚥下と重複。捨てずに専門のついでに拾うのが正解。

3. データから導く合格戦略の処方箋

ここまでの数字を、そのまま勉強計画に変換します。合格基準は120点/200点(1問1点)。「全分野を均等に」は最悪手です。データは、はっきりと傾斜配分を支持しています。

処方箋1:専門5分類で「半分」を確保する

専門ファースト
失語・高次脳/言語発達/発声発語・嚥下/聴覚障害/ST総論の専門5分類だけで14年合計1,337問=全体の約48%。年に直すと毎年約96問がここから出ます。 合格ライン120点のうち専門だけで最大96点を狙える計算。専門を8割取れれば約77点。残り43点を基礎・周辺で拾えば合格です。 まず専門を主食に据え、基礎・周辺はおかずとして配分するのが、データが示す最も確実な勝ち筋です。

処方箋2:細目の「年平均」で1日の優先順位を決める

系統(分野)でなく科目の年平均で並べると、本番で出会う頻度がそのまま見えます。年平均が高い順のトップ層は次の通り。ここを落とすと致命傷です。

科目年平均所属系統(分野)優先度
1言語発達障害学13.8言語発達障害学最優先
2失語症12.9失語・高次脳最優先
3音声学7.1音声・言語学最優先
4言語学6.9音声・言語学最優先
5補聴器・人工内耳6.9聴覚障害学最優先
6嚥下障害6.8発声発語・嚥下最優先
7小児聴覚障害6.6聴覚障害学最優先
7高次脳機能障害6.6失語・高次脳最優先
9臨床神経学6.5臨床医学
10臨床心理学6.2心理学
11音声障害5.9発声発語・嚥下
12聴力検査5.8聴覚障害学
13神経系5.6音声言語聴覚医学
13言語発達学5.6言語発達障害学
15音響学5.5音響・聴覚心理
頻出15科目から
この上位15科目だけで年平均の合計は約109問。つまり頻出15科目を固めるだけで毎年100問超=合格ライン120点の9割に手が届きます。 逆に、年平均1問前後の脳性麻痺・学習障害・リハ概論を完璧にしても、得られるのは年1問。同じ1時間なら、年平均の高い科目に投じるのが配点効率の鉄則です。

処方箋3:「安定科目」を先に固めて精神的な土台を作る

年ごとの振れ幅が小さい=対策が裏切られにくい科目
  • 失語・高次脳機能障害学(年18〜22問)── 14年で最も安定。失語型鑑別は毎年必出。
  • 聴覚障害学(年21〜26問)/心理学(年19〜25問)── 安定して大量出題。
  • 音声・言語学(年12〜15問)── 暗記が報われる貯金科目。

これらは「やった分だけ返ってくる」科目。先に固めると得点の土台が安定し、振れ幅の大きい臨床医学・基礎医学・音声言語聴覚医学(年2〜42問と乱高下)に振り回されにくくなります。安定科目で床を上げ、変動科目は頻出テーマだけ拾う──これが崩れない戦略です。

処方箋4:少数分野は「捨てる」のでなく「重複で拾う」

ついで学習
臨床歯科医学(年2.5問)・言語聴覚障害学総論(年4.6問)・基礎医学(年7問)は、単独で時間を割く価値は低い。 しかし解剖学・神経系・聴覚系・口腔解剖は専門科目と内容が重複します。嚥下を学べば口腔・咽頭の解剖が、失語を学べば神経系が、聴覚障害を学べば聴覚系が同時に身につく。 少数分野は独立して暗記せず、専門学習のついでに回収するのが最も効率的です。
まとめ(勉強の順番): ① 安定した専門(失語・高次脳/聴覚障害)で床を作る → ② 量の多い専門(言語発達/発声発語・嚥下)を積む → ③ 貯金科目(音声・言語学/音響学)を暗記で固める → ④ 心理学・臨床神経学の頻出を押さえる → ⑤ 残り時間で社会福祉・法規・基礎医学の頻出論点を直前に詰める。

4. 直近3回(第26〜28回)の特徴と新出テーマ

過去の平均だけでなく、出題委員会の「今の関心」も読み解きます。直近3回は、基礎解剖・評価バッテリーの詳細・手術術式へと、問い方が「名称暗記」から「中身の理解」へ深化している点が共通しています。

第26回(2024年3月実施)── 基礎解剖・生理の強化

  • 嚥下に関わる脳神経(Ⅸ舌咽・Ⅹ迷走・Ⅻ舌下)の役割・支配範囲を詳しく問う出題が増加。音声産生の解剖(声門下圧・声帯振動)も目立った。
  • 音声学の基礎:母音の調音位置(F1・F2フォルマント)・子音の調音方法/調音点の分類。「どこで・どのように」発音するかの体系的理解が要求された。
  • 頻出は変わらず失語症(SLTA解釈・ブローカ/ウェルニッケ鑑別)・嚥下障害(VF誤嚥判定・嚥下調整食分類)・聴覚障害(補聴器適合)。
示唆:脳神経(特にⅤ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ・Ⅻ)の機能と支配範囲、嚥下調整食学会分類2021(コード0〜4)の特性は、データ上も頻出の神経系・嚥下障害と一致。基礎解剖を専門と結びつけて学ぶ重要性がデータと符合する。

第27回(2025年3月実施)── 評価バッテリーの「中身」と新名称

  • 高次脳機能評価の下位検査(BIT・RBMT・BADS・CAT 等)の具体的内容・判定基準を問う出題が増加。検査名だけでなく「何を・どう評価するか」まで必要に。
  • 言語発達:DLD(発達性言語障害)── 従来の特異的言語発達障害(SLI)が国際的にDLDへ改称されたことに関連する出題。新しい概念整理が求められた。
  • 新出寄り:新生児聴覚スクリーニング(AABR・OAE)の原理・判定基準。
示唆:高次脳(年平均6.6問)・言語発達障害学(年平均13.8問)という頻出専門の「中身」を深掘りする方向。検査は名称暗記で止めず、下位項目・判定基準・適応まで踏み込むこと。

第28回(2026年3月実施)── 術式・音韻論の深掘り、医学分野の偏り

  • 音声障害:甲状軟骨形成術(I〜IV型)の適応と術式。特に内転型痙攣性発声障害に対するII型の知識が問われた。発声発語・嚥下障害学が37問と過去最多の回。
  • 言語学:音素の機能・語用論── 弁別的機能・条件異音/自由異音、内容語/機能語の分類など音韻論の基礎。
  • 分類の偏り:音声言語聴覚医学がわずか2問・基礎医学が13問と、医学系分類の内訳が例年と大きく変動した回。設問の分類境界が動いた典型例で、単年の増減に過剰反応しない姿勢の大切さを示す。
  • 不適切問題:第28回-69が正答複数(1・2)として公式に認定された。
示唆:音声障害(年平均5.9問)の術式・声帯疾患、言語学(年平均6.9問)の音韻論は、いずれもデータ上の頻出科目の深掘り。直近の傾向は「頻出科目の細部を、理解ベースで」という一貫した方向にある。
直近3回からの結論
3回に共通するのは「頻出科目を、名称でなく中身で問う」方向への深化です。 したがって対策も、頻出科目(失語・嚥下・聴覚・言語発達・音声/言語学)を選んだうえで、脳神経の支配・検査の下位項目・術式の適応・音韻論の基礎まで一段深く理解することが、得点に直結します。 「広く浅く」より「頻出を深く」。データ(過去14年)と直近の出題姿勢は、同じ結論を指しています。
分析どおりの優先順位で過去問を解く(STカコモン)→

※ 本ページの数値はSTカコモンの問題データベース(第15〜28回・全2,800問)を1問単位で集計したものです。各年の合計は200問、14年の総計は2,800問で、検算済みです。分類はSTカコモンの科目分類マスター(45科目→13系統)に準拠しています。最終更新:2026年6月。