第6章|成人・高齢者の聴覚障害
対応過去問 約44問 / 難易度 ★★★☆☆
加齢性難聴(老人性難聴)
- 両側性・対称性の感音難聴。高音域から始まり高音漸傾型を示す
- 内耳の加齢変化(感覚細胞・血管条・ラセン神経)による。Schuknecht分類(感覚性・神経性・血管条性・蝸牛伝音性)
- 特徴:語音明瞭度の低下(とくに騒音下)・補充現象・時間分解能の低下。「聞こえるが聞き分けられない」
- カクテルパーティー効果(雑音下で特定の声を拾う力)が低下
- 難聴は認知症の修正可能な危険因子とされ、補聴器装用が推奨される
「加齢性難聴は低音から悪くなる」は誤り。高音域から。純音閾値の割に語音明瞭度が悪いのが要点。
中途失聴・難聴者のコミュニケーション
- 中途失聴者=言語を獲得した後に失聴。音声言語(話す力)は保たれるため、読話・筆談・要約筆記が有効
- 読話:口形・表情・文脈から読み取る(同口形語の限界に注意)
- 要約筆記(パソコン要約筆記)・文字通訳・UDトークなどの文字情報保障
- 手話は中途失聴では新規習得の負担が大きく、先天ろう者と支援ニーズが異なる
中途失聴者にはまず文字・読話など音声言語を生かす支援。「難聴=手話」と決めつけない。
耳鳴・聴覚過敏
- 耳鳴:大多数は自覚的耳鳴(難聴に伴う)。他覚的耳鳴は血管性・筋性で稀
- TRT(耳鳴再訓練療法):音響療法(サウンドジェネレータ)+指示的カウンセリングで耳鳴への順応を促す
- 聴覚過敏:通常は苦にならない音を過大・不快に感じる。補充現象とは区別する
心理・社会的支援と福祉制度
- 聞こえにくさはコミュニケーション障害による孤立・抑うつを招きやすい。障害受容の支援が重要
- 情報保障:字幕・手話通訳・要約筆記・補聴援助システム・ヒアリングループ・電話リレーサービス
- 制度:身体障害者手帳→補装具(補聴器)支給・障害者総合支援法のサービス