第1章|前言語期の発達

対応過去問 27問/難易度 ★★★☆☆

音声・発声の発達

発声の発達段階

段階時期特徴
反射的発声・叫喚発声0〜2か月生理的な反射。子音様の動きは含まない
クーイング2〜4か月柔らかい喉音的な発声。奥舌・軟口蓋での音産生であり、子音構音動作の始まりとされる
始まりの喃語(非規準喃語)3〜6か月子音+母音の組み合わせが始まるが音節構造は不安定
規準喃語生後6〜8か月子音+母音が繰り返される安定した音節構造を持つ
反復喃語(CV音節の繰り返し)6〜10か月同じ音節を繰り返す(「ばばば」など)
ジャルゴン9〜12か月発話のイントネーションは大人に似るが有意味語ではない

喃語は模倣的発声として始まるのではなく、自発的に出現する。出現直後から安定した音節構造があるわけでもなく、構音動作の上達は喃語出現「後」に起こる(反復して産生するなかで構音動作が洗練されていく)。
喃語の段階では言葉としての明確な伝達意図はまだない。意味や伝達意図が伴うのは初語以降である。
喃語出現の背景にあるのは乳児期の声道の発達と運動の成熟であり、新生児期の声道の形態が出現を促すわけではない

叫喚発声(クライング)は未分化な母音様の発声であり、子音様の発声ではない。ジャルゴンは意味を伴わない発話様の発声であり、有意味発声ではない。
一方、クーイングは奥舌の動きを伴う軟口蓋音様の産生で、子音構音動作の始まりにあたる(「始まりではない」としたら誤り)。

  • 生後1年ころまでに、子音の弁別能力が母語の制約を受けるようになる(知覚の母語化)。母語にない音対立の弁別はむしろ低下する
  • 新生児期から音声弁別能力は存在する(ゼロではない)
  • 初語が出現しても非言語音による伝達は消失しない(指さしや発声などの非言語的伝達は初語後も併存する)
  • 後期の喃語は母語の音韻的特徴の影響を受ける。「喃語は母語と関係しない」は誤り
  • 発声と身体運動の未分化な同期は初期(喃語出現前)にみられ、喃語の出現後はむしろ整理されていく(増大しない)
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この章の続きで扱う内容
  • 前言語期のコミュニケーション発達
  • 象徴機能・認知発達