第1章|前言語期の発達

発声・CDS・三項関係・認知発達・健診 / 難易度 ★★★☆☆

1-1 発声の発達順序

時期発声の種類
0〜1か月叫喚音(泣き声)
2〜4か月クーイング(母音的発声。「あーうー」など)
4〜6か月周辺的喃語(子音様音声の始まり)
6〜8か月規準喃語(CVCV型。「ばばば」など)
9〜10か月ジャルゴン(イントネーションが伴う非有意味発声)・音韻知覚の最適化
1歳前後初語
  • 「クーイングは子音構音動作の始まり」→ 誤り(母音的発声)
  • 「喃語は模倣的発声として始まる」→ 誤り(自発的に出現)
  • 「ジャルゴンは有意味発声」→ 誤り(非有意味)
  • 規準喃語の出現:生後6〜8か月(第22回)
喃語出現後に構音動作が上達する(第27回)
初期の発声にはリズミカルな身体運動が同期している

CDS(子ども向け発話・マザリーズ)

  • ゆっくりとした速度
  • 抑揚が誇張される(高低の変動が大きい。高いままではない)
  • 発話が短い・反復が多い
  • 声の高さが高い
  • 意味的制約がある(身近な話題が中心)
  • 「声の高さが高いままである」→ 誤り(抑揚が誇張される)(第21回)
  • 「反復が少ない」→ 誤り(多い)(第22回)
  • 「低いピッチ」→ 誤り(高いピッチ)(第28回)
  • 「抑揚が平板」→ 誤り(誇張される)(第15回)

1-2 前言語期のコミュニケーション

二項関係・三項関係

段階内容
二項関係自己-他者 / 自己-物の関係
三項関係自己-他者-物(共同注意の基盤)

三項関係を表す行動:giving・showing・pointing・referential looking

  • 「三項関係を表す行動でないもの」→ reaching(リーチング)(二項関係)(第21回)
  • 「前言語期の三項関係の成立と関連しない」→ 共鳴動作(第28回)

共同注意・指さしの発達

共同注意
  • 自分と他者が同じ対象に注意を向ける(9〜12か月ころ)
  • 語彙獲得・心の理論の基盤
  • 成長とともに消失しない
  • 「共同注意と関連がない」→ 喃語の出現(第25回)
  • 「社会的参照が出現した後に出現する」→ 誤り(第26回)

指さしの発達:要求の指さし → 叙述の指さしの順

前言語期の発達チェックポイント

月齢できること
3か月声かけに反応・視線追従
4か月音源詮索反応(音のする方向を向く)
6か月喃語出現(3か月ではない)
9か月指さし出現・共同注意
10か月音韻知覚の最適化(母語への特化)

1-3 認知発達(ピアジェ)

象徴(シンボル)機能

象徴機能を示す行動:

  • 積木を持って車のように動かす(見立て遊び)
  • 昨日見た友だちの動作を再現する(延滞模倣)

象徴でないもの:叫喚音(本能的・反射的発声)

  • 「象徴でないのは」→ 叫喚音(第25回)
  • 「ピアジェが象徴機能の発現とした行動」→ 昨日見た友だちの動作を再現する(第19回)

ピアジェの発達段階

段階年齢特徴
感覚運動期0〜2歳物の永続性・延滞模倣・象徴機能の萌芽
前操作期2〜7歳自己中心性・アニミズム・実在論・転導論理
具体的操作期7〜11歳保存概念・論理的思考(具体物)・可逆的思考
形式的操作期11歳〜抽象的思考・仮説演繹的推論
「幼児期の認知の特徴でない」→ 可逆的思考(具体的操作期から)(第27回)

1-4 健診マイルストーン

1歳6か月健診

  • 有意味語の表出(3語以上
  • 指さし・絵の指差し理解
  • 「おいで」「ちょうだい」などの指示理解
  • ままごと的遊び
  • 「1歳6か月健診の問診項目でない」→ クレヨンで丸を書きますか(第24回)
  • 1歳6か月で「2語文が出ない」は要観察ではない(1歳6か月で2語文は早い)

確認問題

Q1. 規準喃語が出現する月齢はいつか。
Q2. クーイングは何の始まりとして正しく説明されるか。
Q3. CDSの特徴として正しいものはどれか:①高い声のまま ②抑揚が誇張される ③反復が少ない ④速度が速い
Q4. 三項関係を表す行動でないものはどれか:①giving ②reaching ③pointing ④showing
Q5. ピアジェの前操作期の特徴として誤りはどれか:①自己中心性 ②アニミズム ③可逆的思考 ④実在論
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A1. 生後6〜8か月
A2. 母音的発声の始まり(子音構音動作の始まりではない)
A3. ② 抑揚が誇張される
A4. ② reaching(物への手伸ばしで二項関係)
A5. ③ 可逆的思考(具体的操作期から)
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