DSM-5の「神経発達障害」に含まれる分類は以下の通り。
| 分類 | 主な内容 |
|---|---|
| 知的能力障害(知的発達症) | 知的機能+適応機能の双方の障害 |
| コミュニケーション障害 | 言語症・語音症・吃音・社会的コミュニケーション障害 |
| 自閉症スペクトラム障害(ASD) | 社会的コミュニケーション+限定的反復行動 |
| 注意欠如・多動性障害(ADHD) | 不注意・多動性・衝動性 |
| 限局性学習症(LD) | 読字・書字・算数の特異的困難 |
| 運動症群 | 発達性協調運動症・チック症など |
「広汎性発達障害(PDD)」はDSM-5にない。DSM-IVまでの分類であり、DSM-5ではASDに統合された。アスペルガー障害も同様。
DSM-5に記載された言語症/言語障害の症状として正しいのは「限定された構文」。
領域① 社会的コミュニケーション・対人相互作用の持続的欠如
領域② 限定された反復的な行動・興味・活動
「衝動的な行動」「運動機能の欠如」「同一性への無関心」はASD診断基準に含まれない。
三つ組の障害:①社会性の障害 ②コミュニケーションの障害 ③想像力の障害
三つ組はこの3つのみ。「儀式的な行動パターン/常同反復行動」や「感覚刺激に対する過敏さ・鈍感さ」はDSMの別の診断基準(限定された反復的な行動・興味・活動)に位置づけられるもので、Wingの三つ組には含まれない。「三つ組はどれか」と問われたら、社会性・コミュニケーション・想像力の3つだけを選ぶ。
社会性のタイプ分類(3タイプ):
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 孤立型 | 他者への関心が乏しい |
| 受動型 | 働きかけには応じるが自発性が低い |
| 積極・奇異型 | 一方的に話しかけるなど積極的だが場にそぐわない |
「過敏型」「拒否型」は3タイプ分類に含まれない。
| 理論・業績 | 内容 | 提唱・報告した研究者 |
|---|---|---|
| 三つ組の障害・スペクトラム | 社会性・コミュニケーション・想像力の障害。自閉症を連続体として捉える見方を確立 | Wing |
| 心の理論の障害 | 他者の心的状態の推測困難(マインドブラインドネス) | Baron-Cohen |
| 中枢性統合の弱さ | 全体より部分に注目しやすい | Frith |
| 実行機能障害 | 計画・柔軟性・抑制の困難 | — |
| 早期幼児自閉症の報告 | 自閉症を初めて報告 | Kanner |
| 知的障害を伴わない自閉的な一群の記載 | アスペルガー症候群の原型を記載 | Asperger |
| TEACCHプログラム | 構造化による支援 | Schopler |
研究者と理論の組合せは頻出で、「Wing―三つ組の障害」が正しい組合せ。誤りやすいのは「Baron-Cohen―感覚の障害」(正しくは心の理論の障害)、「Kanner―中枢性統合の弱さ」(中枢性統合はFrith、Kannerは早期幼児自閉症の報告)、「Asperger―心の理論の障害」(Aspergerは知的障害を伴わない自閉的な一群の記載)、「Schopler―実行機能の障害」(SchoplerはTEACCH)。人物の取り違えがひっかけの中心。
語用の障害が特徴とされるのはASD。知的能力障害・限局性学習障害・吃音・ADHDは語用が中心的障害ではない。
「活動と興味の範囲が著しく限局している」行動の例:
ASDで誤っている記述の典型例:
高い:脆弱X症候群・レット症候群・結節性硬化症・ダウン症候群
ターナー症候群はASDの合併頻度が低い。
3症状:不注意 / 多動性 / 衝動性
| 項目 | 正しい理解 | ひっかけの記述 |
|---|---|---|
| 背景 | 実行機能(抑制・計画・ワーキングメモリ)の障害が多い | — |
| 経過 | 成人期まで持続しうる | 「成人期まで移行することはない」 |
| 併存 | LD・ASDの併存が多い | 「学習障害の併存は少ない」 |
| 幼児期 | 多動・衝動性が前景。不注意は学齢期以降 | 「幼児期の問題は不注意」 |
| 性差 | 学童期は男児に多い | 「学童期は女児に多い」 |
「3歳以前に徴候がみられる」は誤り(DSM-5では12歳以前)。「成人になると大部分自然治癒する」は誤り。「不注意優勢型は男児に多い」は誤り(女児に多い)。
| 不注意症状 | 多動・衝動性症状 |
|---|---|
| 課題に必要なものをなくす | 着席中にそわそわした動き |
| 書類の記入漏れ・うっかりミス | しゃべりすぎ |
| 注意がそれやすい | 順番待ちが苦手 |
| 忘れ物が多い | 静かに余暇を過ごせない |
「課題や活動に必要なものをなくしてしまう」は不注意症状。「着席中にそわそわ」「しゃべりすぎ」「順番待ちが苦手」「静かに余暇を過ごせない」は多動・衝動性症状。
人格障害はADHDの二次障害ではない。行為障害は二次障害。トウレット症候群はADHDに併存しやすい。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| メチルフェニデート | 副作用:食欲不振・不眠 |
| アトモキセチン | 有効。副作用は比較的少ない |
| 行動療法(ABA) | 環境調整・強化 |
| ペアレントトレーニング | 有効。保護者が対応スキルを習得 |
| 程度 | IQ範囲 |
|---|---|
| 軽度 | 50〜69(旧:50〜74) |
| 中等度 | 35〜49 |
| 重度 | 20〜34 |
| 最重度 | 20未満 |
ICD-10の精神遅滞の区分に「境界域」は含まれない(4段階=軽度・中等度・重度・最重度のみ)。「境界域-75〜84」のように精神遅滞の程度として境界域を挙げる組合せは誤り。また軽度の上限は69で、「50〜74」は誤り。境界知能(IQ71〜84)は精神遅滞の外側にある別枠と押さえる。
「年齢とともにIQが低下する」は適切(発達速度が遅く指数が相対的に下がるため)。この4項目のなかで適切でないのは「検査が一部でも実施できない場合は、その時点で中止する」。実施できる部分を進め、観察や他の方法で補うのが原則で、一部できないことを理由に全体を中止しない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発達の順序 | 運動発達より言語発達が遅れる |
| 語彙 | ボキャブラリースパートがある |
| 文法 | 受動態の使用制限がある |
| 語用 | 語用は統語より優れている(遅れるわけではない) |
| 概念 | 概念の広がりが狭い |
ダウン症候群では一般に理解が表出に先行し、視覚的な手がかりを活用しやすい。単語が出始めた段階では、発達段階に合った働きかけで理解と表出を支える。
| 適切な支援 | この段階では不適切 |
|---|---|
| 絵本の読み聞かせをする(ことば・語彙への興味を育て、共同注意ややりとりを促す) | 指導者が示すことばを言わせる(無理に言わせず、自発的な発話を引き出す) |
| 指示は短い文で話す(理解しやすいよう短く分かりやすく伝える) | しりとり遊びをする(音韻の分解・操作を要し、この段階には難しい) |
| ジェスチャー・実物など見てわかる手段を添える | ジェスチャーを使わない(ことばを補う有効な手段なので、むしろ活用する) |
しりとりのような音韻意識を要する課題は、単語が出始めた段階ではなく、音韻の操作が育ってくる5歳ごろから扱う。単語期の支援は「言わせる」ことではなく、子ども自身が伝えたくなる場面をつくることが要点。
知的障害・神経疾患・感覚障害・ASDがないにもかかわらず言語発達が遅れる状態。
ADHD(注意欠如・多動性障害)が最多
| 項目 | SLI | ASD |
|---|---|---|
| 対人関係 | 正常 | 障害あり |
| 語用 | 比較的保たれる | 中心的障害 |
| 文法 | 中心的障害 | 比較的保たれる |
統語指導・文法指導が中心
指導の焦点は言語そのもの(語彙・文法・理解・音韻メモリー)に置く。視覚弁別能力の向上のような非言語的な知覚訓練は言語の改善に直結せず、SLIの中核への介入にならない。
SLIの指導は意味のあるやりとりの中で目標の言語形式に触れさせ、実際に使う機会をつくるのが基本。機械的な反復や訂正の強要は日常の発話へ般化しにくい。
| 有効な方法 | 適切でない方法 |
|---|---|
| リキャスト——子どもの不完全な発話を意味を変えずに正しい形へ言い直して聞かせる | 正しい構造の文を繰り返し言わせる——機械的な反復暗唱は日常の発話に般化しにくい |
| 目標とする文構造のモデルを十分に聞かせる | 正しい構音で言い直させる——言い直しの強要は意欲をそぐ |
| 相互作用の中で目標の文構造を用いる機会を設ける | パターン化した質問を繰り返す——多様な文脈での自然なやりとりにならない |
| 誰が何をどうするかなど単語の意味役割を視覚的に示す | 視覚的な手がかりを使わない——視覚的手がかりはむしろ活用する |
表出の指導場面では黙って聞いているだけでは不十分。誤った発話には正しい言い方をさりげなく返して聞かせる(リキャスト・拡張模倣)のが原則で、言い直しを強要したり構音の誤りを直接訂正したりはしない。「正しいモデルを自然に提示する」が指導の中心と押さえる。
| 仮説 | 内容 |
|---|---|
| 音韻認識障害仮説 | 最も支持される。音のまとまりの操作が困難 |
| 視覚的注意スパン障害仮説 | 複数の文字を同時に処理する困難 |
| 二重障害仮説 | 複数の要因が重なる |
遂行機能障害仮説・弱い中枢性統合仮説はディスレキシアの仮説ではない(ASDの理論)。
音韻意識の評価に用いる課題:抽出・分解・削除・混成
「表記」は音韻意識の測定課題ではない。
| 疾患名 | 特徴 |
|---|---|
| レット症候群 | 女児特有。発達後退が特徴。言語症状が進行性 |
| 脆弱X症候群 | X染色体の異常。男児に多い。知的障害+ASD類似症状 |
| ウィリアムズ症候群 | 言語性短期記憶は比較的保たれる(障害されない)。社交的 |
| プラダー・ウィリー症候群 | 摂食障害(過食)が特徴 |
| 先天性風疹症候群 | 聴力障害が特徴 |
| 5pモノソミー(猫なき症候群) | 言語障害・知的障害 |
| ターナー症候群 | ASDの合併頻度は低い |
ウィリアムズ症候群は「対人関係障害」はない(社交的)。誤った組み合わせ問題でよく出題される。
大島分類1〜4は「重症心身障害児」の区分であり、「超重症児は大島分類1〜4が該当」とするのは誤り。超重症児は、重症心身障害に加えて人工呼吸器・経管栄養など濃厚な医療的ケアを要するかを判定スコアで評価して決まる。
| 病型 | 主な病巣 | 運動症状 |
|---|---|---|
| 痙直型 | 錐体路(皮質・皮質脊髄路) | 筋緊張亢進・痙性・折りたたみナイフ現象 |
| アテトーゼ型 | 錐体外路(大脳基底核) | 不随意運動・筋緊張の動揺 |
| 失調型 | 小脳 | 協調運動障害・平衡障害 |
「アテトーゼ型は錐体路の障害が主である」は誤り。アテトーゼ型の主病巣は錐体外路(大脳基底核)で、錐体路が主病巣なのは痙直型。病型と病巣の入れ替えは頻出のひっかけ。