第4章|指導・支援法

高頻出/難易度 ★★★★★

4-1 応用行動分析(ABA)

先行条件(A)→ 行動(B)→ 結果(C)
概念内容
強化行動の後に好ましい結果を与えて行動頻度を増やす
プロンプトヒント・手がかりを与えること
シェーピング目標行動に近い行動を段階的に強化
モデリング手本を示すこと
「手本を示す=モデリング」。モニタリング(自己の行動観察)とは別概念。

4-2 TEACCHプログラム

開発者:Schopler, E.(エリクソンではない)
ASD者の視覚的処理能力を活かした構造化による支援
構造化の種類内容
物理的構造化活動内容と場所を分ける
スケジュール化見通しをもって行動できるよう提示
ワークシステム何を・どれだけ・終わったらどうするかを明示
「大人が子どもの行動を静かに見守る」はTEACCHの原則ではない(インリアルの姿勢)。

4-3 PECS(絵カード交換式コミュニケーションシステム)

最も重点が置かれる目標:自発的なコミュニケーションの開始
ABAの原則に基づく
構文の形成・質問応答よりも、まず「自発的に要求を伝える」が目標。

4-4 インリアル・アプローチ(INREAL)

大人の基本姿勢(SOUL)

S:Silence(静かに見守る) O:Observation(よく観察する) U:Understanding(深く理解する) L:Listening(耳を傾ける)
「Modeling(ことばのモデルを示す)」はSOULの基本姿勢ではない(言語心理学的技法)。

言語心理学的技法

技法内容
ミラリング子どもの行動をそのまままねる
モデリングことばのモデルを示す
拡張模倣子どもの発話に語を付け加えてフィードバック
リキャスト意味を変えずに文法的に正しい形に言い直す
インリアルの特徴:指導場面を構造化しない(構造化はTEACCHの原則)

4-5 ソーシャルスキル・トレーニング(SST)

技法内容
教示ルールや方法を説明・教える
モデリングお手本を見せる
リハーサル練習・ロールプレイ
フィードバック練習結果を評価・修正
般化習得したスキルを日常場面に応用
ミラリング・アイゲイズはSST技法ではない(インリアルの技法)。

4-6 マカトン法

  • サインと話しことばを同時に使う(サインのみは使わない)
  • 語彙数は限定的(1,000語以下
  • 導入する順番が決まっている(任意ではない)
  • 文レベルの表現も可能

4-7 AAC(拡大・代替コミュニケーション)

AAC導入の優先事項

記号の具象性(わかりやすさ)/語彙の親密度/コミュニケーションエイドの携帯性/絵記号の大きさ
「絵記号の数」は初期導入での優先事項ではない。
AACの学習プログラム:初期導入では快の状況(要求)から始める

4-8 各発達段階の指導ポイント

前言語期

物への注目・探索行動を促す/因果関係への気づき/見本合わせ課題(マッチング)/動作模倣を促す
前言語期に「音声を復唱させる」「絵カードによる呼称練習」は不適切

幼児後期(3〜6歳相当)

  • 子ども同士の協同遊びを促す
  • 単語を分解する課題(音韻意識)を取り入れる
  • 写真を見ながら自己経験を語る
「会話で相手によって伝え方を調整できる」のは学齢期以降の課題。

知的障害児への言語指導の原則

  • 全体発達重視(言語表出だけを重視しない)
  • 細かいステップ重視
  • 親(養育者)への支援重視
  • 語連鎖(2語文)開始の目安:理解語彙50語を超えたころ

4-9 ASD児への指導

「〜してはいけない」ではなく「〜しなさい」(肯定的な指示)
「ちょっと待って」ではなく「〜時まで待って」(具体的な時間)
社会的ルールを視覚的に教える
「相手の気持ちになってみて」「周囲の人の気持ちを考えるように言い聞かす」は不適切

4-10 発達性読み書き障害の指導

  • 音韻意識を高める
  • 書く指導より読む指導から始める
中学生以上の重度ディスレキシア:キーボード入力・ICT活用を優先
「分からない語彙を辞書で調べる」は優先順位が低い(読み書き自体が困難なため)。

4-11 ADHD児の学校での配慮

適切:教師のそばに座席を設ける(最前列)/宿題の問題数を少なく/スケジュール表を活用
不適切:掲示物を増やす(刺激過多)/後ろの席にする(刺激過多)/学級の係活動を制限する(適切な役割を与えることが有効)

4-12 その他の支援法まとめ

支援法特徴
ソーシャルストーリーGray, C. が考案。社会的状況を文章で説明
ポーテージプログラム家庭療育プログラム。知的障害・発達遅滞の早期療育
リッカムプログラム(Hanen)ASD向けの早期言語発達支援
ボバースアプローチ脳性麻痺などへの運動療法(ASDへの支援ではない)

確認問題

Q1. TEACCHプログラムを開発したのは誰か。
Q2. インリアルのSOULの4つを答えよ。
Q3. PECSで最も重点が置かれる目標は何か。
Q4. マカトン法で「サインと話しことばを同時に使う」は正しいか。語彙数は何語以下か。
Q5. ADHD児の支援で「学級の係活動を制限する」は適切か不適切か。
Q6. ミラリング・アイゲイズはSST技法かインリアルの技法か。
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