第1章|音声障害の分類と基礎知識

過去問頻出/難易度 ★★★☆☆

1-1 音声障害の分類(2018年ガイドライン)

大分類疾患例
喉頭の組織異常声帯結節・声帯ポリープ・声帯嚢胞・声帯溝症・ポリープ様声帯・喉頭肉芽腫・喉頭乳頭腫・喉頭癌・声帯出血・声帯瘢痕
喉頭の運動異常反回神経麻痺・痙攣性発声障害
その他の音声障害変声障害・心因性発声障害・筋緊張性発声障害・仮声帯発声・奇異性声帯運動
急性喉頭炎は「喉頭の組織異常」に分類されない(炎症性疾患)(第25回)。
心因性発声障害は「その他」。組織異常・運動異常ではない(第28回)。

1-2 声の属性(4つ)

  1. 高さ(ピッチ)
  2. 強さ(音量)
  3. 音色(質)
  4. 持続
明瞭度は声の属性に含まれない」(第26回)。明瞭度は構音の問題。

1-3 疾患の性差・年齢

疾患性別・特徴
喉頭癌男性に多い
変声障害男性に多い
小児声帯結節男児に多い(成人は女性に多い)
心因性失声症女性に多い
痙攣性発声障害女性に多い
声帯溝症女性に多い
ポリープ様声帯女性・喫煙者に多い
「小児声帯結節は女児に多い」→ 誤り(男児に多い)(第20回)。

1-4 各疾患の特徴

声帯結節

  • 音声酷使が原因(保育士・教師・歌手など)
  • 両側性・声帯中央1/3付近に対称性に生じる
  • 音声治療(軟起声)が第一選択
  • 小児では自然治癒することが多い(10〜12歳ころ)
  • 手術治療は通常行わない

声帯ポリープ

  • 片側性が多い
  • 出血・音声酷使が契機
  • 喉頭微細手術が適応

ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)

  • 喫煙が主因
  • 両側性が多い
  • 粗糙性嗄声・声のピッチが低下
  • 高度になると呼吸困難を生じる
「一側性が多い」「小児に多い」は誤り(第21回)。

声帯溝症

  • 声帯粘膜固有層の欠損・線維化
  • 粘膜波動が低下(増大は誤り)
  • 女性に多い・手術治療

喉頭肉芽腫

  • 後部披裂軟骨部に好発(前交連ではない)
  • 原因:胃食道逆流症・気管挿管・慢性咳嗽・硬起声発声
  • 睡眠時無呼吸症候群は原因でない
  • 治療:プロトンポンプ阻害薬(胃食道逆流の治療)
「前交連付近に好発」は誤り(後部披裂部)(第28回)。

喉頭乳頭腫

  • ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因
  • 治療:手術(レーザー)→ 放射線治療は禁忌(癌化リスク)
「喉頭乳頭腫─放射線治療」は誤りの組み合わせ(第18回)。

確認問題

Q1. 声帯結節の第一選択治療は何か?
Q2. ポリープ様声帯の主な誘因は?また側性は?
Q3. 喉頭肉芽腫の好発部位はどこか?
Q4. 喉頭乳頭腫の原因ウイルスと禁忌の治療は?
Q5. 声の属性4つを答えよ。「明瞭度」は含まれるか?
音声障害の過去問を解く →