第1章|吃音の基礎知識

吃音 第1章

吃音の定義と中核症状

吃音中核症状(DSM-5:小児期発症流暢障害)

中核症状は以下の3種:

  1. 繰り返し(連発)(音・音節=語の一部の繰り返し。語全体・単語の繰り返しは中核症状ではない
  2. 引き伸ばし(伸発)(音を不自然に延長する。子音を引き伸ばすのもこれにあたる)
  3. 阻止(ブロック)(難発)(構えても音が出ない状態。発話に力が入り緊張性が高まるのがこの阻止に伴う特徴)

中核症状の「繰り返し」はあくまで語の一部(音・音節)が対象。語全体・語句の繰り返しは正常範囲の非流暢性に近く、中核症状には含めない。「音節レベルか、語レベルか」で中核かどうかが分かれると覚える。

中核症状(連発・伸発・難発の3つ)中核症状でないもの
繰り返し(音・音節=語の一部挿入(えー・あのー)・間投詞の出現
引き伸ばし(伸発・音の延長)回避(言いにくい語や場面を避ける)
阻止・ブロック(難発・力が入り緊張が高まる)言い直し・語の置き換え(遠回しの言い方)
※DSM-5の診断基準Aの列挙には含まれる(後述)
語句(語全体)の繰り返し
※単音節語全体の反復はDSM-5の列挙に含まれる(後述)

「挿入(えー・あのー)」「語全体・語句の繰り返し」「遠回しの言い方(語の置き換え)」「間投詞の出現」「回避」は中核症状ではなく、二次的症状・回避行動または正常範囲の非流暢性。DSM-5でも「間投詞の出現」は中核症状に含まれない。
あわせて、「声がかすれる」=嗄声(音声障害)「発話速度が速い」=クラタリング(早口)であり、いずれも吃音の中核症状ではない。

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この章の続きで扱う内容
  • 発達性吃音の疫学・自然経過
  • 発達性吃音の変動性
  • 獲得性吃音・神経原性吃音
  • クラタリング(速語症)