MEカコモン臨床工学技士国家試験 過去問・解説

第35回 臨床工学技士国家試験 午前 第85問

生体物性第35回午前

第35回 臨床工学技士国家試験 午前 第85問(生体物性)の正答は 5 です。生体組織の誘電分散は周波数の低い方から α(イオン)・β(細胞膜の界面分極)・γ(水分子) の3つ。

問題
生体の電気特性について誤っているのはどれか。
  1. 1. 誘電率は周波数の上昇とともに低下する。
  2. 2. 骨格筋は脂肪組織よりも異方性が大きい。
  3. 3. 細胞膜は1 μF/cm² 程度の静電容量をもつ。
  4. 4. α 分散はイオンの集散に起因する。
  5. 5. β 分散は約20 GHz で生じる。 ✓

正答:5番

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この問題の正答率(MEカコモン利用者の実データ)

初回正答率 63.2%参考値

19人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)。母数が少ないため参考値です

同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、MEカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。

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解説
■ 正答:5番 — β 分散は約20 GHz で生じる。

生体組織の誘電分散は周波数の低い方から α(イオン)・β(細胞膜の界面分極)・γ(水分子) の3つ。約20 GHzで生じるのはγ分散で、β分散ではない。


【各選択肢の解説】

1. 誘電率は周波数の上昇とともに低下する。
✅ 正しい。α・β・γの各分散を越えるごとに、電界の変化に追従できなくなった分極の分だけ誘電率が下がる。
2. 骨格筋は脂肪組織よりも異方性が大きい。
✅ 正しい。骨格筋は線維が一方向にそろい、線維方向の導電率が直交方向より大きい。脂肪組織はこの方向による差が小さい。
3. 細胞膜は1 μF/cm² 程度の静電容量をもつ。
✅ 正しい。薄い脂質二重膜が絶縁層となりコンデンサとしてはたらく。値は約1 μF/cm²。
4. α 分散はイオンの集散に起因する。
✅ 正しい。低周波域で、細胞表面の電荷のまわりに集まるイオン(対イオン)が電界で偏ることによる。
5. β 分散は約20 GHz で生じる。
❌ 誤り(=正答)。約20 GHzで生じるのは水分子の配向分極によるγ分散である。正しくは、β分散は数十kHz〜数十MHz付近で、細胞膜の界面分極(マクスウェル・ワグナー効果)による。

【試験対策ポイント】

分散周波数域原因
α低周波(〜kHz付近)イオンの集散(対イオン)
βkHz〜MHz帯細胞膜の界面分極
γ約20 GHz水分子の配向分極

周波数が上がるほど誘電率は下がり、導電率は上がる。

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