第37回 臨床工学技士国家試験 午後 第70問
第37回 臨床工学技士国家試験 午後 第70問(体外循環・補助循環)の正答は 2 です。心筋保護液は高カリウムで心臓を拡張期に止め、冷却で酸素消費を抑える。
- 1. a、b
- 2. a、e ✓
- 3. b、c
- 4. c、d
- 5. d、e
正答:2番
初回正答率 47.8%参考値
23人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)。母数が少ないため参考値です
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、MEカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
心筋保護液は高カリウムで心臓を拡張期に止め、冷却で酸素消費を抑える。組成で細胞内液型(低Na)と細胞外液型に分かれ、注入経路には大動脈基部からの順行性と冠静脈洞からの逆行性がある。
【各選択肢の解説】
a.細胞内液型心筋保護液のナトリウム濃度は細胞外液型よりも低い。
✅ 正しい。細胞内液型は細胞内の組成に似せてNaを低くし、Naの流入をなくして心停止を得る。細胞外液型(St. Thomas液など)はNaが血漿に近い。
b.高カルシウム液で心停止を得る。
❌ 誤り。Caが多いと心筋が収縮したまま固まる(拘縮)おそれがある。正しくは高カリウム液で細胞膜を脱分極させ、拡張期で心停止を得る。
c.心筋保護液に血液を混ぜる場合には超低温がよい。
❌ 誤り。超低温では血液の粘度が上がり、ヘモグロビンが酸素を放しにくくなる(酸素解離曲線の左方移動)ため、血液を混ぜる利点(酸素の運搬)が生かせない。正しくは血液心筋保護では超低温を避け、中等度の低温や常温で用いる。
d.僧帽弁手術では選択的冠灌流が必要である。
❌ 誤り。僧帽弁手術では大動脈弁が閉じているので、大動脈基部から順行性に注入できる。正しくは選択的冠灌流(冠動脈口から直接注入)が必要なのは大動脈を切開する大動脈弁手術や、大動脈弁閉鎖不全で基部から注入できない場合である。
e.逆行性冠灌流の場合には冠静脈洞から注入する。
✅ 正しい。右房から冠静脈洞にカニューレを入れ、静脈側から心筋へ逆向きに保護液を流す。冠動脈に狭窄があっても行き渡りやすい。
❌ 誤り。bは誤り。正しくはa・eの組合せである。
✅ 正しい(=正答)。組成の違い(低Na)と逆行性の注入経路(冠静脈洞)はどちらも正しい。
❌ 誤り。b・cは誤り。正しくはa・eの組合せである。
❌ 誤り。c・dは誤り。正しくはa・eの組合せである。
❌ 誤り。dは誤り。正しくはa・eの組合せである。
【試験対策ポイント】
| 経路 | 注入部位 | 主な場面 |
|---|---|---|
| 順行性 | 大動脈基部 | 基本の方法 |
| 選択的 | 左右の冠動脈口 | 大動脈弁手術・大動脈弁閉鎖不全 |
| 逆行性 | 冠静脈洞 | 冠動脈狭窄・大動脈弁閉鎖不全など |
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