第50回 作業療法士国家試験 午前 第4問
作業療法評価学第50回午前
38歳の男性。オートバイ運転中に転倒し腰背部を強打して、脊髄損傷と診断された。T12以下の感覚鈍麻を認める。筋力はMMTで上肢はすべて5、下肢はすべて0である。肛門周囲の感覚は残存している。
この患者のASIA機能障害尺度はどれか。
1. A
2. B
3. C
4. D
5. E
- 1. A
- 2. B ✓
- 3. C
- 4. D
- 5. E
正答:2番
解説
# 第50回 第A004問 解説
■ 正答:2番 — B
T12以下の感覚鈍麻(感覚障害あり)・下肢筋力はすべてMMT0(運動機能なし)・**肛門周囲の感覚は残存**という所見から、ASIA機能障害尺度Bに該当する。Bは「損傷レベル以下に感覚機能は残存するが、運動機能はない(仙髄節S4〜S5の感覚残存を含む)」状態。
---
【各選択肢の解説】
1. A
❌ 誤り。ASIA Aは「損傷レベル以下に感覚・運動機能がまったく残存しない(仙髄節S4〜S5の感覚も消失)完全損傷」。本症例は肛門周囲の感覚が残存しているためAには該当しない。
2. B
✅ 正しい。ASIA B:損傷レベル以下に運動機能はないが、**仙髄節S4〜S5を含む感覚機能は残存**する不完全損傷。肛門周囲感覚の残存がBとAを区別する決め手。
3. C
❌ 誤り。ASIA Cは「損傷レベル以下に運動機能が残存するが、主要筋肉の半数以上がMMT3未満」。本症例は下肢すべてMMT0であり、そもそも運動機能が残存していないためCには該当しない。
4. D
❌ 誤り。ASIA Dは「損傷レベル以下の主要筋肉の半数以上がMMT3以上」。運動機能の残存がない本症例には該当しない。
5. E
❌ 誤り。ASIA Eは「感覚・運動機能が正常」。本症例には明らかな感覚・運動障害があるため該当しない。
---
【試験対策ポイント】
ASIA機能障害尺度まとめ:
| グレード | 内容 |
|---------|------|
| A(完全) | 感覚・運動ともに残存なし(S4〜S5含む) |
| **B** | **運動なし・感覚残存(S4〜S5含む)** |
| C | 運動残存あり・主要筋の半数以上MMT3未満 |
| D | 主要筋の半数以上MMT3以上 |
| E | 正常 |
「**肛門周囲感覚あり→仙髄節残存→A(完全)は否定**」が最重要判断ポイント。AとBの鑑別は「S4〜S5の感覚の有無」。
---