第50回 作業療法士国家試験 午前 第5問
作業療法評価学第50回午前
31歳の男性。バイク事故にて脳挫傷を受傷。受傷直後から意識障害が1週間持続した。受傷後1か月経過し高次脳機能障害の検査を行ったところ、かな拾い検査は正解数15、見落とし数27%、TMT(trail making test)はA56秒、B125秒であった。
最も考えられる症状はどれか。
1. モリア
2. アパシー
3. 注意障害
4. 類推の障害
5. 抽象思考の障害
- 1. モリア
- 2. アパシー
- 3. 注意障害 ✓
- 4. 類推の障害
- 5. 抽象思考の障害
正答:3番
解説
# 第50回 第A005問 解説
■ 正答:3番 — 注意障害
かな拾い検査の正解数が低く(15/分)見落とし数27%という低得点、TMT-Aが56秒(正常は30秒程度)・TMT-Bが125秒という延長は、いずれも**注意機能の障害**を示す神経心理学的所見。外傷性脳損傷後の高次脳機能障害として最も頻度が高く、本症例でも最も考えられる症状。
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【各選択肢の解説】
1. モリア
❌ 誤り。モリアは前頭葉損傷で生じる病態(脱抑制・多幸感・冗談好き)。注意検査の成績低下とは対応しない。
2. アパシー
❌ 誤り。アパシーは意欲・動機づけの低下(前頭葉・辺縁系障害)。かな拾い・TMTの成績低下は主に注意・処理速度の障害を示す。
3. 注意障害
✅ 正しい。かな拾い検査(持続的注意・選択的注意の評価)での見落とし多数、TMT-A・B(注意・処理速度・遂行機能の評価)の延長はいずれも注意障害の典型的所見。外傷性脳損傷後(特に脳挫傷)では注意障害が最も高頻度に生じる高次脳機能障害。
4. 類推の障害
❌ 誤り。類推の障害は遂行機能の一側面だが、かな拾い・TMT-Aは注意・処理速度の検査であり、類推(抽象的思考)の主たる評価ではない。
5. 抽象思考の障害
❌ 誤り。抽象思考の評価にはウィスコンシンカード分類テスト(WCST)・ことわざの解釈等が用いられる。かな拾い・TMTは注意・処理速度の検査。
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【試験対策ポイント】
注意障害の評価ツール:
- **かな拾い検査**(持続的注意・選択的注意)
- **TMT(Trail Making Test)**:A=注意・処理速度、B=分割注意・切り替え(遂行機能要素も含む)
- CAS(Clinical Assessment for Attention)
「かな拾い見落とし多数+TMT延長→**注意障害**」は定番の出題パターン。TMT-BがTMT-Aに比べ著明に延長する場合は遂行機能障害も疑う。
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