OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第50回 作業療法士国家試験 午前 第9問

作業療法治療学第50回午前
57歳の男性。視床出血後に表在感覚と深部感覚との障害を認める。運動麻痺は認めない。この患者に行う知覚再教育で誤っているのはどれか。 1. 開眼で代償させる。 2. 運動や動作は可能な限りゆっくり行う。 3. 15分程度の知覚再教育を一日に数回行う。 4. 識別素材を固定し、患側手を動かして識別させる。 5. 書字の際に、筆記具と手との接触箇所で筆記具の特徴を感じさせる。
  1. 1. 開眼で代償させる。 ✓
  2. 2. 運動や動作は可能な限りゆっくり行う。
  3. 3. 15分程度の知覚再教育を一日に数回行う。
  4. 4. 識別素材を固定し、患側手を動かして識別させる。
  5. 5. 書字の際に、筆記具と手との接触箇所で筆記具の特徴を感じさせる。

正答:1番

解説
# 第50回 第A009問 解説 ■ 正答:1番 — 開眼で代償させる 知覚再教育において、開眼(視覚代償)は感覚障害に対する補償的アプローチとして使用するが、これは知覚再教育の本来の目的(感覚の再学習・再組織化)に反する。知覚再教育は**閉眼下で感覚入力に意識を集中させ**、感覚フィードバックを通じて感覚皮質の再組織化を促すことが基本原則であり、開眼による視覚代償は「誤り」とされる。 --- 【各選択肢の解説】 1. 開眼で代償させる。 ✅ (「誤っているのはどれか」の正答)知覚再教育の原則は**閉眼下での感覚への集中**。開眼(視覚フィードバック)に頼ることは感覚の再学習を妨げるため、知覚再教育の方法としては誤り。視覚代償は「代償的アプローチ」であり知覚再教育とは区別される。 2. 運動や動作は可能な限りゆっくり行う。 ❌ 誤りではない。感覚障害があるときにゆっくり動作することで感覚入力を最大限に利用できる。正しい対応。 3. 15分程度の知覚再教育を一日に数回行う。 ❌ 誤りではない。知覚再教育は短時間を複数回行うことで集中力を維持し、効果的な学習が可能になる。正しい実施方法。 4. 識別素材を固定し、患側手を動かして識別させる。 ❌ 誤りではない。能動的な触探索(active touch)は受動的触覚より感覚皮質への入力が豊富で、識別能力の向上に有効。正しい方法。 5. 書字の際に、筆記具と手との接触箇所で筆記具の特徴を感じさせる。 ❌ 誤りではない。道具を通じた触覚フィードバックの活用は日常的な知覚再教育の応用として適切。 --- 【試験対策ポイント】 知覚再教育の基本原則: 1. **閉眼下で感覚に集中**(視覚代償は再教育の阻害因子) 2. 短時間(10〜15分)を複数回 3. 能動的触探索(手を動かす)が有効 4. ゆっくりとした動作で感覚入力を最大化 「開眼→視覚代償→知覚再教育の本来の目的に反する→誤り」というロジックを覚える。 ---
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