第50回 作業療法士国家試験 午前 第11問
作業療法治療学第50回午前
20歳の男性。頸髄完全損傷。動作獲得を制限する関節可動域制限、残存筋力の低下および合併症はない。洋式便座に側方移乗で移乗し、便座上座位で排便を行う。この患者が使用する坐薬挿入の自助具と、自助具を使用する際の姿勢を図に示す。Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類による最上位の機能残存レベルはどれか。
1. C6A
2. C6B1
3. C6B2
4. C6B3
5. C7A
- 1. C6A
- 2. C6B1
- 3. C6B2
- 4. C6B3 ✓
- 5. C7A
正答:4番
解説
# 第50回 第A011問 解説
■ 正答:4番 — C6B3
図を見ると、上段の画像では**手掌に固定されたホルダー(カフ)を使って坐薬を把持**し、下段では**側臥位(ベッド上)でそのカフを使い肛門部に坐薬を挿入**している様子が示されている。この動作に必要な機能を分析する。
洋式便座への側方移乗・便座上での座位保持・坐薬挿入という一連の動作には、手関節伸展(橈側手根伸筋)を使った腱固定作用による把持と、ある程度の上肢操作能力が必要。図の自助具(手掌固定型ホルダー)を用いていることから、手指の能動的把握力はなく、腱固定作用での操作に依存していることがわかる。側方移乗が可能であることから上肢の支持機能も残存している。これらをZancolliの分類と照合するとC6B3(橈側手根伸筋強い・手指屈筋なし)が最上位として想定される。
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【各選択肢の解説】
1. C6A
❌ 誤り。C6Aは橈側手根伸筋が弱く(MMT2以下)、機能的な手関節伸展が困難なレベル。洋式便座への側方移乗や坐薬挿入には不十分。
2. C6B1
❌ 誤り。C6B1は橈側手根伸筋が実用域(MMT3〜4)にあるが、手関節伸展力が中等度。
3. C6B2
❌ 誤り。C6B2は橈側手根伸筋が強い(MMT4以上)・長橈側手根伸筋あり。やや高い機能だが、示された動作の最上位としては不十分。
4. C6B3
✅ 正しい。C6B3は橈側手根伸筋が強く、腱固定作用(手関節伸展→指屈曲)が有効に使えるレベル。図で示された坐薬挿入自助具の使用・側方移乗・便座上座位での使用が可能な最上位のZancolliレベルとして最も適切。
5. C7A
❌ 誤り。C7Aでは上腕三頭筋が残存し肘伸展が能動的に可能。図の自助具使用パターンはC7Aより下位のレベルでの代償的動作を示しており、C7Aでは通常より自立度が高い。
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【試験対策ポイント】
ZancolliのC6レベル分類:
- **C6A**:橈側手根伸筋弱い(MMT2以下)
- **C6B1**:橈側手根伸筋実用域(3〜4)
- **C6B2**:橈側手根伸筋強い(4以上)
- **C6B3**:橈側手根伸筋強い+長橈側手根伸筋も強い
腱固定作用(tenodesis grasp)は**手関節背屈→指屈曲**の受動的把握で、C6レベルのADL自立の核心的な機能。
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