第50回 作業療法士国家試験 午前 第12問
作業療法治療学第50回午前
84歳の女性。数年前から徐々に左手の示指と中指にしびれが生じ、母指の指尖つまみができなくなった。左手の写真(別冊No.1)を別に示す。この患者が使用する装具で正しいのはどれか。
1. 虫様筋カフ
2. 対立スプリント
3. 両側支柱付肘装具
4. 逆ナックルベンダー
5. コックアップスプリント
- 1. 虫様筋カフ
- 2. 対立スプリント ✓
- 3. 両側支柱付肘装具
- 4. 逆ナックルベンダー
- 5. コックアップスプリント
正答:2番
解説
# 第50回 第A012問 解説
■ 正答:2番 — 対立スプリント
写真を見ると、左手の母指球(短母指外転筋・対立筋)の萎縮(猿手様変形)が確認でき、母指の対立運動が困難になっている状態である。示指・中指のしびれ・母指指尖つまみ困難は**正中神経障害(手根管症候群)**の典型症状。84歳女性で徐々に進行したことも典型的。
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【各選択肢の解説】
1. 虫様筋カフ
❌ 誤り。虫様筋カフは尺骨神経麻痺(鷲手変形)に対し、MP関節過伸展を防ぐために使用する装具。本症例の正中神経障害には適応外。
2. 対立スプリント
✅ 正しい。写真で確認できる母指球筋萎縮・母指対立不全は正中神経麻痺(猿手)の典型。対立スプリントは母指を対立位に保持し、つまみ動作を補助する装具として正中神経麻痺に適応される。
3. 両側支柱付肘装具
❌ 誤り。肘装具は肘関節の固定・支持に用いる。手・手根部の障害である本症例には適応外。
4. 逆ナックルベンダー
❌ 誤り。逆ナックルベンダーはMP関節伸展拘縮に対しMP関節屈曲を補助する装具。本症例の症状とは異なる。
5. コックアップスプリント
❌ 誤り。コックアップスプリントは手関節を中間位で固定するスプリント。手根管症候群の保存療法として手関節固定に使われることはあるが、母指対立不全への直接的対応ではない。
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【試験対策ポイント】
手根管症候群(正中神経障害)の症状と装具:
- 症状:**示指・中指のしびれ・夜間痛・母指球筋萎縮(猿手)・母指対立困難・指尖つまみ困難**
- 保存療法:手関節固定(コックアップスプリント)
- 機能補助:**対立スプリント(母指対立位保持)**
「猿手+指先しびれ→正中神経麻痺→**対立スプリント**」の流れを確実に押さえる。
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