第50回 作業療法士国家試験 午前 第14問
臨床心理学第50回午前
20歳の女性。幼少時に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。最も考えられるのはどれか。
1. 身体表現性障害
2. 気分変調性障害
3. 統合失調感情障害
4. 演技性パーソナリティ障害
5. 境界性パーソナリティ障害
- 1. 身体表現性障害
- 2. 気分変調性障害
- 3. 統合失調感情障害
- 4. 演技性パーソナリティ障害
- 5. 境界性パーソナリティ障害 ✓
正答:5番
解説
# 第50回 第A014問 解説
■ 正答:5番 — 境界性パーソナリティ障害
幼少期からの不安定な対人関係・リストカット・過量服薬・入退院の繰り返し・依存と激しい責めという「分裂(スプリッティング)」パターンは**境界性パーソナリティ障害(BPD)**の典型像。
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【各選択肢の解説】
1. 身体表現性障害
❌ 誤り。身体表現性障害は医学的に説明できない身体症状が主訴。本症例の主症状は自傷・衝動行動・対人不安定性であり合致しない。
2. 気分変調性障害
❌ 誤り。気分変調性障害は慢性的な軽度抑うつ。本症例の衝動性・自傷・依存と激しい攻撃の交代という特徴とは異なる。
3. 統合失調感情障害
❌ 誤り。統合失調感情障害は精神病症状と気分症状の混在が特徴。幻覚・妄想の記述が本症例にはない。
4. 演技性パーソナリティ障害
❌ 誤り。演技性PDは注目を求める誇張した感情表現が特徴だが、自傷・過量服薬・依存と激しい攻撃の交代というBPDの核心症状は含まれない。
5. 境界性パーソナリティ障害
✅ 正しい。BPDの9つの診断基準(DSM-5)が本症例に複数合致:①感情の不安定性②衝動性(自傷・過量服薬)③対人関係の不安定性(依存と激しい非難の繰り返し=スプリッティング)④見捨てられ恐怖(幼少期の両親離婚後から症状発現)。
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【試験対策ポイント】
BPDの核心症状:**スプリッティング(白黒思考)・慢性的な空虚感・自傷・衝動行動・見捨てられ恐怖・強烈な怒り**。「依存的だが要求が通らないと激しく責める」は**理想化とこき下ろし(スプリッティング)**の典型的表現。演技性PDとの違いは「自傷・衝動行動・慢性的な空虚感」の有無。
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