第50回 作業療法士国家試験 午前 第15問
作業療法治療学第50回午前
20歳の女性。幼少時に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。この患者に作業療法を導入する際の対応で適切なのはどれか。
1. 作業療法に参加する上での枠組みを明示する。
2. 初回の面接で対人関係を中心に取り上げる。
3. 患者からの面接の要求は満たすようにする。
4. 攻撃的になる場合は担当者を交代する。
5. 課題集団での協調行動を促す。
- 1. 作業療法に参加する上での枠組みを明示する。 ✓
- 2. 初回の面接で対人関係を中心に取り上げる。
- 3. 患者からの面接の要求は満たすようにする。
- 4. 攻撃的になる場合は担当者を交代する。
- 5. 課題集団での協調行動を促す。
正答:1番
解説
# 第50回 第A015問 解説
■ 正答:1番 — 作業療法に参加する上での枠組みを明示する
BPD患者への導入で最も重要なのは**構造化(枠組みの明示)**。参加ルール・時間・場所・目標を明確に提示することで、患者の衝動的行動や依存を適切な範囲に保ち、治療関係の安定を図る。
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【各選択肢の解説】
1. 作業療法に参加する上での枠組みを明示する。
✅ 正しい。BPD患者は境界の曖昧な状況で衝動行動・操作的行動が出やすい。作業療法の参加条件(時間・場所・行動ルール)を明確に伝え、一貫した枠組みを提供することが最優先。
2. 初回の面接で対人関係を中心に取り上げる。
❌ 誤り。BPD患者は対人関係が非常に傷つきやすく不安定。初回から対人関係の深掘りは脅威となり関係構築を妨げる。
3. 患者からの面接の要求は満たすようにする。
❌ 誤り。BPDの操作的・要求的行動に無制限に応じることは依存を強化し、枠組みを崩す。要求への対応には一貫した制限が必要。
4. 攻撃的になる場合は担当者を交代する。
❌ 誤り。担当者の頻回な交代はBPD患者の不安定感・見捨てられ感を増強する。一貫した担当者による継続的な関係が治療的。
5. 課題集団での協調行動を促す。
❌ 誤り。導入初期に集団参加・協調行動を促すことは早期すぎる。まず個別での安定した関係構築が先決。
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【試験対策ポイント】
BPD患者へのOT導入の原則:
1. **枠組みの明確化(構造化)**が最優先
2. 担当者の一貫性を保つ
3. 要求への無制限の応答は禁忌
4. 初期は個別対応→安定後に集団へ段階的移行
「BPD→枠組みの明示・一貫した態度・担当者の継続性」は国試の定番テーマ。
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