第50回 作業療法士国家試験 午前 第19問
臨床心理学第50回午前
次の文により19、20の問いに答えよ。
10歳の男児。学業成績は中位だが授業中に落ちつきがなく、隣の子に一方的に話しかける、落書きをする、忘れ物をするなどでよく注意を受けていた。片付けも苦手で自室は乱雑であった。心配した母親と共に精神科を受診し、外来作業療法が開始された。
この男児に予測される作業療法での様子はどれか。
1. 同じ動作を繰り返す。
2. 根拠のない自信を示す。
3. 道具をしばしばなくす。
4. 詳細を作業療法士に確認する。
5. 手順にこだわって作業をする。
- 1. 同じ動作を繰り返す。
- 2. 根拠のない自信を示す。
- 3. 道具をしばしばなくす。 ✓
- 4. 詳細を作業療法士に確認する。
- 5. 手順にこだわって作業をする。
正答:3番
解説
# 第50回 第A019問 解説
■ 正答:3番 — 道具をしばしばなくす
10歳男児で「授業中の落ち着きなさ・一方的な話しかけ・落書き・忘れ物・片付け困難・乱雑な自室」という症状は**ADHD(注意欠如多動症)**に典型的。ADHDの中核症状(不注意・多動・衝動性)を踏まえると、作業療法での様子として「道具をしばしばなくす」が最も予測される。
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【各選択肢の解説】
1. 同じ動作を繰り返す。
❌ 誤り。常同動作の繰り返しは自閉スペクトラム症の特徴。ADHDの主症状ではない。
2. 根拠のない自信を示す。
❌ 誤り。根拠のない誇大感は双極性障害・軽躁状態の特徴に近い。ADHDの典型的様子ではない。
3. 道具をしばしばなくす。
✅ 正しい。ADHDの不注意症状の典型として「道具・持ち物をなくす」があり、DSM-5の診断基準にも含まれている。作業療法場面でもハサミ・鉛筆・材料等を頻繁になくすことが予測される。
4. 詳細を作業療法士に確認する。
❌ 誤り。詳細確認の繰り返しは不安傾向・強迫性の特徴。ADHDでは逆に確認を怠る(衝動的に始める)傾向がある。
5. 手順にこだわって作業をする。
❌ 誤り。手順へのこだわりは自閉スペクトラム症・強迫性の特徴。ADHDでは手順を省略・飛ばすことが多い。
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【試験対策ポイント】
ADHDのDSM-5不注意症状(一部):**①細部への注意不足②課題の持続困難③話を聞かない④指示に従えない⑤整理整頓が苦手⑥課題を避ける⑦**物をなくす**⑧外部刺激に注意がそれる⑨日常的な活動を忘れる**。「道具をなくす」は不注意の典型症状。
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